麒麟がくる第十三回「帰蝶のはかりごと」の感想|お見事帰蝶。来たか秀吉。

 

『麒麟がくる』第十三回「帰蝶のはかりごと」の内容は、まさにタイトルそのまんま。

男ばかりが強調されがちの戦国ドラマで、信長の嫁・帰蝶がストーリーを動かすことになろうとは! 

合戦シーンこそなかったが、ドラマは「いかにも戦国」らしくなってきた。

ワクワクしながら今回も見たまま感じたままをお伝えしたい。

 

麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「麒麟がくる」感想あらすじまとめ

 

美濃の揉め事

時代は国と国が対立し、それぞれの国の内部でもトップ争いや下克上が起き兼ねない状況だ。

武将たちは親や兄弟さえ信じられず、気を抜けない。

美濃国もそんな状態の真っ最中だ。

鷹を殺された賴芸は逃亡

土岐頼芸が飼っていた自慢の鷹全てが、道三の手のものによって殺された。

これは、前回斎藤道三(利政)が爪に毒を塗った頼芸の鷹によって暗殺されかけたことへの報復であり、脅し。

恐れをなした美濃国守護の土岐頼芸は近江へ逃げ、道三は目論み通り戦わずして守護追い出しに成功した。

逃げるくらいやったら、前回の暗殺なんてやらなきゃよかったのに、ねえ。

印象的なのは、頼芸が自分の大切な鷹が惨殺されているのを目の当たりにしたシーン。

ショックで打ちのめされた彼に鷹の羽がふりそそぎ、膨大な量の羽が床に広がっている非現実的な情景だ。

残虐なのに美しい演出で、陰惨に見えない。

それと同時に頼芸の大きく開けられた口の中に羽が入るんじゃないかと心配になりながら、第13回放送日の前日に亡くなられた大林宣彦監督と映画『転校生』のころの尾美としのり(頼芸役)を思い出さずにはいられなかった筆者である。

息子の言葉に敵意を感じた道三

美濃国のごたごたは頼芸追放だけでは終了しない。

自分が土岐頼芸の息子だと信じる義龍(高政)が、父親の道三に敵意を剥き出しにした。

非情な笑みを浮かべ

「油売りから身を起こした成り上がり者の子で、マムシと陰口をたたかれる下賎な男がそなたの父じゃ」

と義龍の気持ちを逆なでするように言い放つ道三。

ああ、この父子はもう終わってる。

それにしても筆者は、道三の義龍に対するひと言

「言葉は刃物ぞ。気を付けて使え」

に思わず

「はい」

と呟いてしまった。

光秀に「どちらかと言えば」嫌われた道三

光秀は混乱する美濃国、そして斎藤家と土岐家の対立に悩む。

落ち着いて考えれば、守護代・斎藤道三、息子の義龍、そして光秀の言い分は、個別に聞けばどれももっともな話だ。

歴史上での戦いにおいて、はっきりと善悪が区別できたものが一体いくつあったことだろう。

自分が誰に味方すべきかの判断はとても難しいよな、と光秀の困惑はよくわかる。

でも、光秀が道三に言った

「どちらかと申せば嫌いでございます」

の言葉。ありゃ何だ?

なーんか現代的すぎて耳についちゃって。

彼が言った他のセリフが飛んでしまいました。

 

尾張の揉め事

美濃よりもさらに身内争いが激しくなってるのが尾張だ。

信秀亡き後、信長はその実力を試されている。

平手政秀の無駄死に

どことなく可愛いいので、筆者が好きだった家老・平手政秀があっさり死んでしまった。

もっとドラマで活躍すると思ってたのに。

うつけ三昧の信長を諫めるために彼の守役だった政秀が切腹した

という有名な説は採用にならず、清洲城の織田信友(彦五郎)を諭すための切腹だと。

でもなぁ、無駄死に感がハンパない。

信長も帰蝶も平手ロスには陥っておらず、心にダメージも受けてないようだったし、政秀がめっちゃ可哀想だった。

四面楚歌を楽しむ信長

信長は、

1. 父・信秀死亡

2. 家老・平手政秀死亡

3. 駿河の今川義元に狙われる

4. 国内は身内争い

の四面楚歌真っ最中だと自分で言いながら悲壮感は全くない。

少しずつ自信を付けてきていて、段々調子に乗ってくる信長が楽しみだ。

人質らしからぬ帰蝶のボス感


帰蝶と信長との間は相変わらず良好だ。

前回から妻が夫に甘えるというよりは、信長をうまくコントロールしている妻の図がしっくりしてきた帰蝶。

今回も彼女が大活躍だ。

聖徳寺で信長と道三が対面し、道三が信長の実力を見直す

のは有名な逸話だが、その影のプロデューサーが帰蝶だったとは。

確かに、彼女の父・斎藤道三と夫・織田信長の間の同盟が決裂すれば、それは彼女の死活問題となる。

帰蝶は、優雅な立場に見えて、実は織田家の人質なのだ。

何としてでも夫の信長を父に認めさせ、会談を成功させなければならなかった。

そして、どうやら会見は成功の見通しだ。

ながーく続く信長の鉄砲隊の列にさすがの道三もタジタジである。

でも金に糸目をつけずに目的の根来衆と鉄砲を300揃えた帰蝶は、お茶なんか飲んで余裕しゃくしゃく。

信長のハートをガッチリ掴んでいる自信からか、もはや彼女に人質感はゼロであった。

ところで、筆者は帰蝶が人集めを頼んだ伊呂波太夫に見せつけるために床に落とした砂金が気になって仕方ない。

あの後、ちゃんとかき集められるの? 

一粒残らず拾い上げるのは至難の業だが、くれるっていうなら、掃除機持って頑張るつもりだ。

 

瓢箪ぶら下げたサル・秀吉登場

ついに藤吉郎こと秀吉が登場した。

画面に現われてから3分以内にめちゃくちゃわかりやすい「豊臣秀吉」のキーワードの数々を視聴者にアピールした。

つまり、

「秀吉とは、女好きで、サルそっくり。学はないが素直で好奇心一杯の頭の回転が速い上昇志向のある男」

というメッセージである。

さあこれで光秀、信長、秀吉の3人が出揃った。

それにしても、佐々木蔵之介演じる秀吉は、純粋そうでいて今までにないキレッキレの秀吉となるかもしれない。

信長の草履を懐に入れているだけの愚直なサルではなさそうだから、光秀は用心しろよ!

 

麒麟がくる第十三回「帰蝶のはかりごと」

今回は帰蝶が主人公ばりに大活躍した。

さすが道三の血を引く娘である。

次回に続く「聖徳寺の会見」が楽しみだ。

今回の感想の簡単なまとめ

① 美濃国も尾張国も国の内外がガッタガタで落ち着かない

② 夫・織田信長を転がし、父・斎藤道三の上を行く帰蝶の発想と行動力がすごい

③ 登場してすでに「豊臣秀吉」の要素を全部備えていた藤吉郎は、光秀の手ごわいライバルになるぞ

最近少しずつ他人にしてやられる場面が増えてきた斎藤道三。

まだ逝かないで。










合わせて読みたい記事



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

7 − three =

ABOUTこの記事をかいた人

歴史ライター、商業コピーライター 愛媛生まれ大阪育ち。バンコク、ロンドンを経て現在マドリッド在住。日本史オタク。趣味は、日本史の中でまだよく知られていない素敵な人物を発掘すること。路上生活者や移民の観察、空想。よっぱらい師匠の言葉「漫画は文化」を深く信じている。 明石 白(@akashihaku)Twitter https://twitter.com/akashihaku 明石 白(akashihaku)Facebook https://www.facebook.com/akashihaku