麒麟がくる第一回「光秀、西へ」の感想|パステルワールドの戦国は新しいよ!

 

ついに第一回「光秀、西へ」が放映された。

これまでの明智光秀イメージをリセットして、まっさらな気持ちでいろんな角度からドラマを楽しみ、見たまま感じたままをお伝えするつもりだ。

さあ、麒麟はやって来たのか。

え、まだちょっと気が早い?

 

【麒麟がくる】のその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
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ドラマ第一印象

とにかく最初に気になったことから書いてみよう。

なんだ、このユートピア感・・・

ドラマは美濃・明智荘の田園風景から始まった。

ドローン撮影による広大な田畑、のどかな農村の人々の生活の様子、明るい緑と明るい青空の風景が次々と繰り出された。

そして、そこに景色のカラーを取り込んだような、明るい黄緑と水色の衣裳を着けた明智十兵衛光秀が登場。

目にも鮮やかな出で立ちの20代光秀は、画面にとても映えていた。

しかし、明るい色の衣裳使いは光秀だけに留まらない。

農村の人々や野盗たちに至るまで、ピンク、黄色、水色など明るい色を多用した衣裳に身を包む。

そのせいか、斬り合いになっても血なまぐささはなく、派手なアクションを交えながらも、どこか他人事のような戦いではあった。

ドラマの衣裳担当の黒沢和子は、意識してカラフルな衣裳作りをしたらしい。

目に楽しい画面作りだが、ドラマ全体がパステル調だ。

貿易都市・堺はもちろん、戦火で荒廃した京でさえ人々の服装の色使いが鮮やかだった。

この色使いの影響で、特に明智荘は野盗に襲われても、畑が燃えてもどこかユートピア感漂う幸せそうな土地に見えたのである。

王道のオープニングは正解!

しかし、ジョン・グラム作曲によるオープニングテーマが流れはじめると、戦国大河ドラマの「王道感」に安心した。

黒を基調としたオープニングの画面構成には、光秀の顔や戦、そして炎をあしらい、重厚な仕上げでパステルのパの字もない。

すでに番宣などで何度も目にしていた迫力ある「麒麟がくる」の題字と共に納得の仕上がりだ。

惜しむらくは出演者らの名前の文字フォントが、慣れないおじさんが作ったプレゼン資料の印字みたいだった。

毛筆がよかったな。

 

サクサク展開の第一回

ストーリー展開に注目しよう。

今回は75分の延長拡大版だったが、テンポはよく、75分が長いとは感じなかった。

仕事が早い光秀の旅

第一回の題名通り、光秀は西へ行った。

堺や京を見聞し、目的の鉄砲と医師を調達してきたが、これが実にスムーズ。

望んだものはポンポンと入手し、ドラマ中盤で旅に出かけたかと思うと、終了時点でもう帰ってきている。

早いね、仕事が。

まあ、ドラマなんですが。

光秀は智将と言われており、彼の鋭さは斎藤道三に数珠の玉の数を問われた時の、算術の出来具合などからも窺われる。

たとえ初めての旅だって要領良くサクサク進むのだ、光秀なんだから。

基本的にいい人ばっかり

筆者は、光秀の初めての美濃国外への旅路や堺入り、京入りをハラハラして見守った。

トンデモない事件に巻き込まれるような気がして。

しかし、彼が出会う人たちって、基本的にいい人ばかり。

鉄砲商人の店では多少嫌みも言われたが、

・将軍の奉公衆・三淵藤英みぶちふじひでに鉄砲の撃ち方を見せてもらえた

・松永久秀に気に入られ、大酒飲んで酔いつぶれても鉄砲を調達してもらえた

・火事で少女を救うと、名医望月東庵が美濃への同行に応じてくれた

など、光秀の旅はサクサク望み通りのものとなる。

まあ、物語は始まったばかりだし大河は長旅。

先を急ごう、ということか。

 

今のところ嫌いな人、いません

今回、ストレスなく第一回を視聴できたのは、三成にとって本格的な敵やワルが現われていないからだろうな、と思う。

もう明智光秀ファンになった人、いるでしょ

明智光秀は、まだ若い。笑うし、酔っ払うし、イライラして叫ぶし、一生懸命だ。

まだ表も裏もない素直な青年。

光秀役の長谷川直己は、スリムで立ち姿も良く、光秀姿が絵になっていた。

光秀は性格も良さそうだし、もう明智光秀ファンが誕生し始めていることだろう。

これから大きな合戦で揉まれ、戦国三英傑(信長、秀吉、家康)に対面する光秀。

どう変わっていくだろう。

あなたは帰蝶派? 駒派? 

注目されていた帰蝶きちょう役の川口春奈は、筆者的には期待通り。

馬を駆り、廊下を踏みならしながら歩く彼女は小気味よかった。

目がキラキラ輝き、短い出番ながらインパクトは十分だ。

もう一人光ったのは、門脇麦演じるこま

実在の人物でないだけに、脚本家が言わせたいセリフをどんどん発言させる人物と見た。

若く、可愛い女性ながら芯が強く、光秀の心を動かすパワーのある駒はこれからも注目だ。

帰蝶派と駒派。

両方いいけれど、あなたはどっち派?

一番の注目株はオジさんたち

やっぱり第一回において、No.1インパクトを与えてくれた登場人物は、吉田鋼太郎演じる松永久秀だろう。

アクの強さも、おっさんずラブ的なコミカルさも、こんな松永久秀ならアリだと思えた。

このオジさんなら、逸話にあるように茶釜に爆薬を詰めて日本初の爆死を決行するかもしれない・・・。

本木雅弘ことモックンが演じるマムシの道三もよかった。

物事を損得勘定で図る、イヤラシイ面を持つ成り上がり者。

そんな役作りに、モックン自身が苦労したらしいが、声や目の動きなど、ドス黒い演技は渋くてよかった。

今後もこの2人の強烈なオジさん武将たちから目を離せない。

 

麒麟がくる第一回レビューのまとめ

待ちに待った今シリーズ。

戦国エンターテイメントとしては十分満足のいく仕上がりの第一回だったのではないだろうか。

簡単なレビューまとめ

第一回は、

① 安心と驚きの「王道戦国ドラマ」と「カラフルで新しいビジュアル作り」

② 内容たっぷりの光秀青年時代はサクサク展開

③ 若い出演者たちの脇を締めるオジさんたちの演技が光るドラマ

だった。

今のところ、麒麟はまだ雲の彼方に隠れているみたいです。

 

【麒麟がくる】のその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
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歴史ライター、商業コピーライター 愛媛生まれ大阪育ち。バンコク、ロンドンを経て現在マドリッド在住。日本史オタク。趣味は、日本史の中でまだよく知られていない素敵な人物を発掘すること。路上生活者や移民の観察、空想。よっぱらい師匠の言葉「漫画は文化」を深く信じている。 明石 白(@akashihaku)Twitter https://twitter.com/akashihaku