麒麟がくる第六回「三好長慶襲撃計画」の感想|やるじゃん、光秀。色んな意味で。

 

さあ、第六回『麒麟がくる』は、またまた新たな登場人物を加え、明智光秀を巡る人間関係に複雑さが増してきた。

今エピソードは、主人公・明智光秀が中心となって話しが展開し、見どころも満載だった。

では、今回も第六回「三好長慶みよしながよし襲撃計画」をいろんな角度から堪能し、見たまま感じたままをお伝えするでござる。

 

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いやー、熱かったね。光秀は

エピソードによっては、主人公の明智光秀(明智十兵衛)の出番が少ないこともあるのだが、今回の光秀は違う。

彼は熱く大活躍した。

熱血漢・光秀の思いは将軍へ!

鉄砲鍛冶・伊平次による情報で、松永久秀とその主君・三好長慶の危機を救おうとする明智光秀は熱かった。

「将軍がひと言争うなとお命じにならねば、世は平らかにはなりませぬ!」

不逞の輩による三好・松永への襲撃を止めることに乗り気でない三淵藤英みぶちふじひでに光秀は、理想の将軍を求め、理想の社会を追い求める青年として熱く叫んだ。

普通、一介の武士の生の声など将軍へ届くものではない。

だが、そこは大河ドラマ。

主人公の明智光秀は、それを可能にした。

板戸一枚隔てて将軍・義輝が光秀の熱い思いを全部聞いていたのだ。

そんな幸運のおかげで、光秀も藤孝もそして藤英もが、心置きなく松永久秀と三好長慶の元へと助太刀に駆けつけることができたのである。

光秀も熱いが、藤孝だって熱い

明智光秀と細川藤孝は、お互いに世情を憂う気持ちや、それをなんとかしようとする気持ちが熱い。

前回、初対面の光秀と斬り合いになりかけたほど、血の気の多いところを見せた藤孝。

今エピソードでは、怪我をした光秀を見舞うその彼から、仲間として光秀に協力を求めたいという愛の告白のようなメッセージが飛び出した。

藤孝って表情クールなわりにやること、言うことが熱いわー。

光秀は、それに対してまずは美濃国をまとめてから藤孝に協力することを約束する。

熱血漢2人が揃う日が楽しみだけど、これが実現して光秀と藤孝が共に肩を並べて活躍するのは、まだ先のことなんだよね。

 

初登場!細川晴元&三好長慶

今回新たに登場したのがこの2人。

思うんですけど、両方ともワルそうで、フレッシュ感はゼロ。

アイドルの片鱗もない細川晴元の国広富之

細川晴元を演じる国広富之が、かつてアイドル的存在だった俳優だったなんて、まるでおとぎ話のようである。

一瞬「誰?」って思うくらいのなかなかヤな感じに仕上がった。

細川藤孝曰く、将軍の目の前で鼻をかむほど無礼な奴らしい。

日本ではあの頃既に人前で鼻をかむのがマナー違反だったのか。

平気でガンガン鼻をかむアメリカ人、ヨーロッパ人にとってはびっくりの日本の常識だ。

ルイス・フロイスとかは、来日するなら気を付けたほうがいいと思うよ。

さて、ただ歴史における問題点は、細川晴元個人の無礼以上に、そんな無礼者に対して将軍・足利義輝さえ何も言えないことに象徴される力関係なんだよね。

目つきが超鋭い三好長慶

山路和弘演じる三好長慶の眼光の鋭いこと・・・。

この人物と比べれば、松永久秀さえお人好しに見えるほどだ。

強いんじゃないの? 

と思っていたら、のちの連歌会で襲われたときには、帯刀していなかったこともあるが、意外とよわ・・・。

 

これこれ!おまちかねの戦闘シーン

三好長慶の命をねらう細川晴元の手の者が、連歌会という風流なイベントに乱入して戦闘となった。

手に汗握る、今回のハイライトシーンである。

戦国豪華キャスト夢の競演でチャンバラ

三好長慶を救うため、あり得ない武将たちの競演が目撃できた。

・明智光秀

・松永久秀

・細川藤孝

・三淵藤英

これらの錚々そうそうたるメンバーが、チームとなって侵入者に立ち向かうなんて、そんなことある-? 

ないないない。

史実ではないけれど、必死で観ました。

今までコミカルな一面も見せていたあの松永久秀が主君・三好長慶を救おうと一人で複数を相手にして奮闘し、さらに我らの光秀が間一髪で三好長慶を救う大活躍をした。

印象に残ったのは、殺陣の激しさに加え、想像以上に美しかった戦闘シーンだ。

舞台は、落ちた紅葉が敷き詰められたような風雅な庭。

細川藤孝と光秀が協力して同時に敵を倒したその時、カメラは俯瞰ふかんから庭に広がる血の絨毯のような真っ赤な紅葉、光秀、藤孝、そして倒れた男を絵のように鮮烈に描いた。

血なまぐさいはずの場面はとても華やかだった。

この光秀と藤孝の呼吸の合った美しい戦いぶりに、これから始まる彼らの友情が象徴されている。

 

駒ちゃんとのキュンキュン場面。光秀、あんたは罪な人・・・

今回、まだまだ見どころはあったねー。

これだ。

これです。

ドラマ終わりの光秀と駒ちゃんのかなり甘いシーンが! 

だからもう、フィクションの人物(この場合は駒ちゃん)が登場すると、脚本家も史実とは関係ないことをガンガン放り込んでくるもんだから、油断も隙もない。

京から美濃へ戻る旅の途中の夜。

なんと光秀は彼に布団を譲って何も無い駒ちゃんに向かって、「入れ」と布団の中の自分の隣を示すのである。

駒ちゃんは、かなーり長くドギマギしてたよ。

光秀も罪な男だ。

彼は駒ちゃんの自分への恋心を知らない。

筆者としては、ひととき駒ちゃんの気持ちに報いてもやりたいが、彼女に勘違いさせたくもないような。

ま、一応心の中では

「行け-、駒ちゃん。今やで」

と叫んだのだが。

光秀にしたら、駒ちゃんが寒いだろうと心配して自分の布団に招いただけ。

その証拠に駒が隣で今様ララバイを歌うと、すぐに彼は眠っちゃったじゃん。

駒ちゃんは、ありゃ一睡もしてないよ、きっと。

それにしてもまさか今回こんな甘酸っぱい場面が投下されようとは。

ハラハラさせるのは、戦闘シーンだけじゃないというわけか・・・。

 

麒麟がくる第六回レビューのまとめ

大きな合戦はなかったけれど、初登場人物、友情、戦闘、恋心と大変な充実ぶりの第六回だ。

今回は、

① 熱い男たち明智光秀&細川藤孝の絆

② 初登場の細川晴元&三好長慶はフレッシュ感のないワルたち

③ 錚々たる武将たちによる美しい戦闘シーン

④ 視聴者身もだえ。光秀と駒ちゃんのキュンキュンシーン

を確かに目撃した筆者である。

次回、予告編に織田信長出てたよね。来るぞ来るぞ、麒麟の前に信長が!

 

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歴史ライター、商業コピーライター 愛媛生まれ大阪育ち。バンコク、ロンドンを経て現在マドリッド在住。日本史オタク。趣味は、日本史の中でまだよく知られていない素敵な人物を発掘すること。路上生活者や移民の観察、空想。よっぱらい師匠の言葉「漫画は文化」を深く信じている。 明石 白(@akashihaku)Twitter https://twitter.com/akashihaku