日本大衆文学の画期!井原西鶴の浮世草子

 

浮世草子

とは

井原西鶴によって確立された文学のひとつの”系統”です。

今風に言うなら、

大衆文学

あるいは、

江戸時代のラノベ(ライトノベル)

とすら評されております。

井原西鶴の活躍したのは

元禄時代。

日本史が始まって以来の華やかな町人文化。

この後、歴史をリードしてゆく大衆とともに、

その文学も様々な変化をとげながら、

今、そして、未来、へと受け継がれてゆきます。

 

素朴で味のある御伽草子(おとぎぞうし)

大衆をターゲットとした文字で書かれた文学において、

御伽草子

というものが鎌倉時代末期から世に出回り始めます。

平安王朝文学や軍記物語・宗教説話や異国・異類(お化けなどの”変わったもの”)など、

いろんなジャンルからかなりソフトタッチの文体に短く仕上げ、

挿し絵も大概付いております。

有名なのは

『一寸法師』や『浦島太郎』など。

今のお伽話となっているものがたくさんあります。

 

突如現れた大衆文学の彗星!井原西鶴

江戸時代初期になってくると、

出版界に

木版印刷

という技術イノベーション(革新)が急激に浸透してゆきます。

それまで大衆文学の製本は筆で写本にたよるしかなかったのが、

木版刷りでドンドン大量生産できるようになります。

さらに、
平和な時代ですので、

大衆の識字率が向上します。

だから、

“買い手”

もたくさん出てくるのですね。

すると、

「物書き」

をビジネスにすることができるようになります。

そこで、
新たに出てきたのが

仮名草子

書き手は教養のある人が多かったので、

ちょっと”教説くさい”ところがありました。

そんな流れの中、

ある衝撃的な物語が突然世に現われます。

『好色一代男』

です。

作者は井原西鶴。

物語の内容は

ある信じられないくらいマセた女好きの少年が、

1年ごとに

またか、

またか、

と色ごとのトラブルを起こし、

とうとう現世にも飽きたりなくなって、

伝説の女護ヶ島(にょごがしま。女性ばかりがいっぱい住んでる)に向かって船出してしまう。

という超ファンタジック・エロス一代・ライトノベルです。

はっきりと荒唐無稽な筋書き。

作者本人がそうなので、

ものすごく庶民タッチで、

そのくせ、
起承転結や繊細な文章力などもしっかりしています。

これが庶民を中心に爆発的にヒットいたしまして、

大衆文学・出版業界の流れが変わりました。

すると、
みんな西鶴をマネして

エロス小説(好色もの)を書きまくります。

しかし、

才人西鶴はエロスだけではもう満足しません。

『日本永代蔵』
『世間胸算用』

で知られる町人を主人公とし、ターゲットとした

町人もの

さらに、
『武家義理物語』
『新可笑記』

で知られる武士の生き様をたくみに描き出した

武家もの

など、

ドンドンと新境地を開拓!

当然、みんなこれに続きます。

しかも世の中は元禄バブル真っ盛りです!

先生!
重版がとまりません!

大衆文学を受け継ぐ者たち

西鶴没後、
時代は元禄バブルも終わり、
倹約・不景気の時代へ……。

浮世草子も、
その後、しばらくは形式的に残っていきますが、
西鶴のような巨星は二度と現れることなく、
時の移ろいのままにうずもれてゆきます。

一方、
新たに花開いたのが江戸を中心とした文化。

田沼意次・徳川家斉の大緩和政策によって、

大アドベンチャー活劇『里見八犬伝』の
滝沢馬琴や、

幽玄なるミステリーホラー『雨月物語』の
上田秋成、

といった現代でもそのまま通用するような大作が次々と世に出ます。

やがて、戦乱の時代へと突入し、

あれほど文名を誇った井原西鶴も忘れ去られてゆきますが、

それをどこからとなくひろいあげ、

再び世に示したのは、

新たな世、明治文学の旗手たち。

淡島寒月

幸田露伴

尾崎紅葉(貫一・お宮の『金色夜叉』で知られておりますね)

その後、
江戸川乱歩、中里介山、大佛次郎、直木三十五、吉川英治、松本清張、司馬遼太郎、山田風太郎、赤川次郎、浅田次郎、宮部みゆき、京極夏彦、東野圭吾、和田竜……

さらには、
舞台や映画、TV、漫画、アニメ、ゲーム、ネット、……

などなどと、

大衆文学シーンはメディアもジャンルも作風も

自由闊達にどんどん広がっております。

人間は創作することのできる生き物です。

きょうのまとめ

国内の出版業界が不況と言われて久しいです。

長らく大衆文化を大きく担ってきたその功労から考えても、

これから果たすべき役割はまだまだ大きいでしょう。

なので、
この先も”末永く”あり続けるために何をなさねばならないのか。

そして、

世の中のクリエイティブは下火になるどころか、
どんどん豊かになるといいですね。

無論、節度をもってでしょうけれども。

① 御伽草子から、仮名草子、浮世草子……という大衆文学の系譜がある

② 井原西鶴は浮世草子を確立した大衆文学の圧倒的カリスマである

③ 最近の大衆文学はメディアも広がり、さらなる展開が期待される

サブカル万歳!!










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