井原西鶴と家族~歴史から見るいろんな父娘像~

 

井原西鶴には1人の娘がおりました。

その女性は盲目であったようです。

父と娘。

わたしたちが人間である限り、

どこにでもごくごくよく見かける光景です。

しかし、その関係は人により、また時により、千差万別。

人類が生まれて以来、無数の父娘の関係が存在しました。

ただ、世に持ち上げられる歴史にはあえてここにクローズアップしたものをあまり見ません。

だからこそ、今回はあえてこのテーマにいかばかりか踏み込んでみようと思います。

 

井原西鶴と家族

井原西鶴
出典:Wikipedia

井原西鶴は若いうち俳諧で身を立てておりました。

1日に何百何千ともいう句を人前で詠む

『万句俳諧』

などと物珍し気に銘打っては客を呼び集めたりしておりました。

だれが呼んだか
『阿蘭陀流(おらんだりゅう)』

いつも口だけは達者で。

世間様を食ったようで。

そんな井原西鶴にも1人の奥さんがおりました。

こんな2人の夫婦関係とはどんなものだったのでしょうか。

井原西鶴は何を思ってあんな大仰なパフォーマンスをやっていたのでしょうか。

そして、奥さんは何を思ってこの亭主を家に迎え入れていたのでしょうか。

しかし
井原西鶴満33才の時にこの奥さんは亡くなります。

井原西鶴にはこの奥さんとの間に2人の息子がおりました。

井原西鶴はまた何を思ったのか、
この2人を早いうちによそへ養子に出してしまいます。

そして、あの奥さんとの間にできた子どもたちで最後に残ったのがあの1人娘。

その後の父娘はどんな関係で、日々どんな暮らしを続けたのか。

そして、残念なことに、
この娘も早くに亡くなってしまいます。

 

日本史における”父と娘”あれこれ

われらが国日本においてこの関係でどういった人たちが思い浮かぶでしょうか。

たとえば
神話の時代なら

素戔嗚尊(すさのおのみこと)

須世理比売(すせりひめ)。

愛する年ごろの娘に言い寄る大国主命(おおくにぬしのみこと)に様々な難題で試し、

ついには新妻として送り出す父親の葛藤と哀愁が生き生きとせまってまいります。

また、悲劇でいえば、

明智光秀と細川ガラシャ、

浅井長政と浅井三姉妹(淀殿・初・江)

などがよく知られているところです。

そして、
娘を足がかりにして長きにわたり”栄耀栄華”をほしいままとしたのがあの

藤原氏

です。

立花道雪と誾千代(ぎんちよ)

立花道雪は九州戦国史のレジェンド。

雷に打たれ半身不随となっても、

戦の采配では常勝不敗とすらうたわれるほどの

「雷神」。

没落の一途であった大友家の屋台骨を支え続けます。

そんな道雪の娘が誾千代。

道雪には後継ぎ息子がおりませんでした。

そこで、
誾千代満6才にして居城の監督権や財産などをまずゆずりわたしてしまいます。

さてさて、
そんな誾千代はドンドン男勝りに育ってゆきます。

城内の腰元らを訓練して戦では一斉射撃をさせて敵の度肝を抜いた

とか

関ヶ原合戦の時は、

在地にて鍋島水軍や加藤清正軍という名だたる強豪相手に見事に立ち回り、

寄せ付けなかった、

とか、

フツーに、

おそるべきDNA!

そして、

どんな英才教育ほどこしたんでしょう。

彼女は後に夫となる立花宗茂とともに乱世に不朽の名を残しました。

 

葛飾北斎とお栄

葛飾北斎は海外にも多大な影響を与えた浮世絵の圧倒的カリスマです。

しかし、娘もすごかった。

お父さんに似てだいぶ無頓着な性格で掃除も料理もさっぱりだったようです。

こんな2人の同居はたちまちゴミ屋敷となってしまったとすら。

そして、
言いたいことをすぐ言うので

画家である婿殿(むこどの)の絵をバカにして離縁されてしまいました。

ただ、実力は本物です。

あの父北斎をして

「美人画では自分以上」

と言わしめるほど。

おすすめの絵は

『月下美人砧打美人図』

さすがに女性画家らしく、

砧を打ってるうら若いモデルさんがものすごく生き生きとしています。

しかもあでやか!

お栄さんは最近、
ドラマや小説の主人公にもなってだんだん有名になってきました。

 

きょうのまとめ

ほかにも
北条時政と政子。

聖武天皇と称徳天皇。

など気になる父娘はたくさんいらっしゃいます。

① 井原西鶴には盲目の一人娘がいた

② 立花道雪の娘誾千代はさすがに「雷神」の娘の名に恥じぬとんでもない武略を持っていた

③ 葛飾北斎の娘お栄は父に似て暮らしには無頓着だが、絵を描かせるとものすごくうまかった

海外には物騒な悲劇も。

(ややキツイ話。気になる方は飛ばしてください)

中国春秋時代には祭足という宰相がいて、
娘婿に暗殺を画策されます。
娘はお母さんに深刻そうに尋ねます。
「父と旦那といざとなったらどっちを選ぶ」
お母さんは
「そりゃお父さんは永遠にほかと取り換えられないでしょ」
と言いますが、
娘の様子が心配になってお父さんにこの様子を告げてしまいます。
このお父さんは海千山千ですからすぐに気づいて娘婿を殺し、泣き崩れる娘に
「お前がやったようなものだ」
と言ったとか。

(ここまでです)

ひとつのテーマでこれだけ話が広がります。

より歴史をひろいあげるごとに、新たな人間ドラマに出会うことができます。

 

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