麒麟がくる第二十四回「将軍の器」【あらすじ簡単まとめ】

※ネタバレあり

大河ドラマ麒麟きりんがくる』

第二十四話で描かれたのは、将軍・足利義輝の死により、新たな将軍の座を巡って混乱する京での一幕。

義輝を慕う光秀は、暗殺の首謀者・松永久秀のもとへ向かいます。

またその先で彼は、次期将軍となる足利義昭の姿を目にしますが…。

 

麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「麒麟がくる」感想あらすじまとめ

 

麒麟がくる(第二十四話)のあらすじ

1565年5月、将軍・足利義輝(演:向井理)が三好家一行の襲撃(永禄の変)を受け、死没。

亡き大名・三好長慶みよしながよし(演:山路和弘)の子息・義継が父に代わり、京の覇権を握らんとするがゆえの出来事でした。

越前にてこの知らせを受けた光秀は

「将軍を討ちはしないと言ったのに、話が違う」

と怒りを露わにし、大名・朝倉義景(演:ユースケ・サンタマリア)の許しを得、大和の松永久秀(演:吉田剛太郎)のもとへ急ぎます。

しかし今回の件は、裏で糸を引いていた久秀にしても予期せぬ事態。

怒れる光秀を前に、彼もまた三好家一行の暴走で将軍が討たれてしまったことを憂いるのでした。

そんな久秀のもとに、これもまた意外な書状が届いていました。

送り主は朝倉義景。

なんと義景は光秀が大和へ赴くことを事前にわかっていたかのように、

「次期将軍にあたる足利義昭(演:滝藤賢一)が、将軍の器にふさわしい人物かどうか、光秀の目で確かめてくるように。事と次第によっては、義昭を越前で受け入れても良い」

というのです。

肝心の義昭は三好家一行により、大和・興福寺の一条院にて身柄を抑えられていましたが、これを細川藤孝(演:眞島秀和)ら将軍家奉公衆が脱出させ、近江・甲賀へと避難させます。

光秀は義景の指示通り、義昭に次期将軍の器があるかどうか確かめるべく、甲賀へと駆け付けますが…。

一方、関白・近衛前久このえさきひさ(演:本郷奏多)は次期将軍を義昭ではなく、義輝の従兄弟にあたる足利義栄あしかがよしひでをと、天皇へ進言するよう、三好家一行から圧力をかけられます。

正当な血筋でない義栄が将軍になれば、前代未聞のこととして世はさらに乱れてしまう。

なにより、義栄の意向は三好家の手中にあり、事実上、三好家が将軍家を支配する事態になってしまいます。

この一大事に光秀、前久はどう動くのでしょうか…?

 

麒麟がくる(第二十四話)の見どころ

以下より今回の見どころをみていきましょう!

足利義輝・最期の立ち回り

今回は三好家一行による、足利義輝の襲撃シーンから幕を開けます。

ここ最近の数話ではすっかり生気を失っていた義輝でしたが、やはり将軍の意地の見せどころか、最期は凛とした立ち回りを見せてくれました。

辞世の句とでもいうべきか、中国の故事を引用したこんなセリフも飛び出します。

「あえて暴虎ぼうこせず、あえて馮河ひょうがせず。

人はその一を知るも、そのほかを知ることなし。

戦戦兢兢せんせんきょうきょう。深き淵に臨むがごとく、薄氷を履むがごとし」

現代風に訳すと、以下のようなニュアンスでしょうか。

虎を素手で殴ったり、舟もなしに川を渡ったりするような無謀を、人はしようとしない。

しかしその無謀が未知のことであれば、その限りではない。

今、一大事が起ころうとしている…深き闇に挑むような、薄い氷のうえを歩くような…。

側を守る者もなく敵襲に取り囲まれる絶体絶命のピンチに、何度も命を狙われてきた義輝も、さすがに今度ばかりはと感じていたのでしょう。

前述の句には、せめて将軍らしく、恐怖から逃げずに立ち向かって死のうという覚悟が込められているように感じました。

そして三好家一行と刀を交えるシーンでは、義輝が父親から言い聞かされてきたこのセリフも回想します。

「強い子になれ。声は大きく、よく学べ。さすれば、立派な征夷大将軍となろう。世を平らかにできよう。さすれば麒麟がくる」

麒麟は平和な国にだけやってくる、誰も見たことのない不思議な生き物。

そう、義輝は麒麟がくるような平和な世の中を作りたいとずっと願ってきました。

しかしその願いもむなしく、四方を敵に囲まれ、あえなく討ち死にしてしまいます。

どれほど平和を願っても最期は結局、戦いのなかで命を落としていく。

「麒麟がくる道は、遠いのう…」

というこのシーン最後の一言からは、将軍としてなにもできなかったという義輝の無念さが伝わってきました。

将軍の死への遺憾を示す松永久秀

義輝が討たれたという知らせを聞き、すぐさま大和の松永久秀のもとへ向かった光秀は、

「何故将軍をお討ちになった!?」

と、久秀をまくし立てます。

この件の首謀者である久秀はたしかに前回、将軍を殺すつもりはないと言っていました。

そして久秀は光秀の問いに対し、いたって穏やかにこう答えます。

「息子たちがしでかしたことゆえ、わしも責めを負わねばならぬと思うておる」

そう言うと、怒れる光秀に火を点けた火縄銃を渡し、

「これでわしを撃て」

と命じるのです。

結局、光秀はその銃口を他所へ向け、久秀を撃つことはしませんでした。

しかし、銃にはたしかに弾が込められていました。

三好家一行の暴走は久秀にとっても本位ではなく、彼としてもまた遺憾であり、責任を感じている。

死を恐れない覚悟を見せることで、久秀はその気持ちに偽りがないことを光秀に示したのでしょう。

また、かつては将軍を軽んじる態度すら取っていた久秀ですが、京で政治に携わるなかで、将軍という立場の重大さが身に染みてわかったという話も切り出します。

「将軍がいなくなれば、幕府は滅びるぞ」

そう言った久秀の表情は、次期将軍の足利義昭にその器があるかどうかを朝倉義景に伝えに行く光秀の判断が、いかに今後の世を左右するかを指し示しているようでした。

三好家からの圧力に揺れる近衛前久

前回は医師・望月東庵もちづきとうあん(演:堺正章)の助手・駒(演:門脇麦)が、得体のしれない人物から教わった薬を作ったことで東庵とひと悶着ありました。

しかしその薬が僧侶や神主のあいだで評判になり、今では診療所の稼ぎ頭に。

その仲介役として、今回も旅芸人・伊呂波太夫いろはだゆう(演:尾野真千子)が東庵のもとへやってきていました。

さらに今回、その太夫を訪ねてやってきたのが、関白・近衛前久。

三好家から、四国の足利義栄を将軍にと、天皇へ進言するよう圧力をかけられた前久は、姉代わりの太夫に相談をしにきたのです。

天皇は将軍を決める際、まずは朝廷の大臣たちの意見を聞くもの。

その意見をまとめるのは関白である前久の役目で、三好家は武力に物を言わせ、これを操ろうとしていたのです。

前久の言い分は、

「次の将軍は、血筋でいけば義輝の実弟である義昭になるはず。ほかの者を将軍に立てるようなことがあれば、戦になるかもしれない」

というものでした。

しかし三好家の意に背けば、自分が斬られてしまう。

これに対して太夫は

「次の将軍に誰を担ぐか、命懸けでこだわっているのは武士だけ。そのことで関白が命を落とすなんてばかばかしい」

と、前久にあくまで自分の身を守るよう助言をします。

そして武士たちが将軍の座を巡って争っていることに対し、こんな皮肉も。

「戦がしたければすればいい。戦って戦って、武士がいなくなれば戦はなくなる」

いつも争いごとの絶えない武士の社会など、いっそなくなってしまえばいい。

これは前久や太夫だけではなく、農民や商人など、この時代の多くの人たちが武士の身勝手に付き合わされていたということを表しているように感じました。

こうして太夫に背中を押された前久は、天皇の御前にて足利義栄を次の将軍にと進言します。

足利義昭に将軍の器はない?

光秀は次期将軍候補である足利義昭に会うため甲賀へ向かいます。

問題の義昭に将軍の器があるかどうかに関しては、今回、序盤からその重責に対し、消極的な姿が描かれていました。

松永久秀が興福寺一条院を訪れたシーンでは、将軍になるつもりがあるかと聞かれて

「私は6歳から仏門に入ったため、刀を持ったことも弓を引いたこともない。その私に武家の棟梁など務まるはずもない」

と返し、甲賀へ訪ねてきた光秀にも

「死にとうない。その一心で大和を出てまいった。だが、私は戦が好きではない。私は兄とは違う」

と言う。

さらには奉公衆が目を離した隙をついて、やっぱり寺へ帰ろうと抜け出す始末です。

義昭はこれまでも描かれてきたように、僧侶としては類まれな慈悲をもった人物です。

しかし武士の棟梁である将軍を務めるには優しすぎる…きっと光秀の目にもそう映ったことでしょう。

越前へ戻り、朝倉義景に報告を求められた際も光秀は

「次なる将軍の大任、あのお方はいかがとは存じます」

と、答えます。

このまま義昭が諸大名に認められなければ、さらなる混乱はまぬがれないように思えますが…。

 

麒麟がくる(第二十四話)のまとめ

奉公衆は義昭を将軍にと奔走する一方、朝廷やその他大名の意向はまったく真逆に動いていこうとする、永禄の変を巡る動向。

武家の在り方を大きく左右するこの局面において、光秀は次期将軍の器を見定めるという、重要な役割を与えられました。

血筋を大事に守ってきた将軍家の意向に沿わず、率直な意見を主君に伝えたことも結局は、良い世の中を作っていきたいという光秀の想いの強さゆえなのでしょう。

最後に今回のまとめです。

最期は恐怖に凛として立ち向かっていく気構えを、辞世の句をもって示した足利義輝。

三好家からの圧力に屈した近衛前久は、足利義栄を次期将軍に進言。この時代、第三者は武士の身勝手に付き合わされていた?

将軍の大任に対し消極的な足利義昭。光秀にも将軍の器なしとされる。

さて、次回以降、足利義昭の将軍としての心構えがどう変化していくのか。

また織田信長が光秀を家臣にと誘う一幕も予告にて登場しました。

これもまた経緯が気になるところですね!

 

合わせて読みたい
麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「麒麟がくる」感想あらすじまとめ

 










合わせて読みたい記事



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

5 + fifteen =