水野忠邦の水野氏の家紋は
「沢瀉紋」。
沢瀉とは水田や湿地、水辺などに自生している植物です。
葉の形が鏃(矢の先っぽのとがった部分)ににていることから、戦での縁起物として紋様などに使用されました。
今回はその沢瀉紋が家紋の歴史的有名人を紹介してまいります。
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毛利元就(もうりもとなり)(1497~1571)
戦国大名。
数々の知略を駆使し、安芸(現在の広島県)の国の小大名から一躍、中国地方の覇者へ!
本当にあったという裏付けはないものの「三矢の教え」で有名。
「三矢の教え」とは息子の隆元、元春、隆景に、矢を一本ずつ折らせ、
「矢は一本ずつなら簡単に折れる。だが」
と、三本束ねて折れ、と命じ、
「ならこの通り。そう簡単には折れぬ」
と、その結束をうながしました。
毛利家は本当にその結束が強く、激動の戦国が終わってなお、彼らは”西国の雄”であり続けました。
ちなみに、元就が「沢瀉紋」を使用し始めたきっかけとは。
ある戦の折、沢瀉にトンボがとまりました。
これを見て元就、
とみんなを鼓舞。
本当に戦に勝ってしまい、家紋に採用したといいます。
福島正則(1561~1624)
もとは愛知県の桶屋の長男。
豊臣秀吉に見込まれ、見る見る出世。
賤ケ岳の合戦では「賤ケ岳七本槍」に選ばれます。
武勇に非常に秀で、以後の合戦でも活躍。
晴れて大名となります。
同僚の石田三成とそりが合わず、関ヶ原合戦では東軍にくみし、勝利。
ただ、義理人情に篤く、
豊臣家への恩顧忘れがたく、
1608年には豊臣秀頼が病にかかると、自分のその微妙な立ち位置をかえりみず大坂城へと見舞いに駆け付けます。
さらに、
1611年には京都二条城における徳川家康と秀頼による会見を実現。
ほかにも何かとかつての主家への気づかいと自分の立ち位置への恥じらいとを垣間見せながらこの難しい時代を生きぬいてゆきます。
しかし、
それを江戸幕府に警戒され、
ついには
無理な言いがかりをつけられ、
改易(藩を解体すること)させられました。
高橋是清(これきよ)(1854~1936)
「ダルマ宰相」の愛称で知られた転んでも起き上がる大政治家。
非常におおらかな性格で、粘り強い。
アメリカに留学する際、自分の渡航費・学費を他人に着服され、
さらにはホームステイ先のホストファミリーにだまされ、
ついには奴隷同然の身にまで落ちぶれはてても、
ちゃんと英会話とその読み書きを習得して帰り。
相場に手を出し、大損こいても、
相場のシステムを納得のいくように自主研究し、後年のキャリアに活かす。
さらに、ペルーの銀山への出資を呼びかけられ、その実、廃坑を売りつけられても……。
何があっても、何度転んでも、必ず起き上がる!
日銀副総裁の時、
日露戦争が起こり、
彼は国の金策に奔走!
大量の日本国債を英国に売りつけ、戦勝に大いに貢献!
大蔵大臣となり、昭和金融恐慌にあってはモラトリアム(支払い猶予措置)を発動!
見事、恐慌を収束させました。
惜しむらく2・26事件にあって凶弾に倒れます。
しかし、彼の魂は、これからも、何度でも、起き上がることでしょう。
古川ロッパ(1903~1961)
「エノケン・ロッパ」
として、榎本健一と並び称されたコメディアン。
実は男爵家の六男。
早稲田大学文学部を中退しています。
大変な反骨精神の持ち主。
太平洋戦争中、当局から「古川緑波」とカタカナから漢字へ芸名を変えるように要請を受けると、
「腹立つ。アダ名ならとにかく、ロッパとは俺の名だ」
と日記に書きつけ、あてつけとして
「フルカワ緑波コウエン」
と書いた新聞広告を掲載しようと企てました。
戦争も末へとさしかかる1945年4月には
「われらは此の時代のチンドン屋、世紀のヂンタ屋(※)であらねばならない」
※ジンタは、明治時代中期の日本に生まれた民間オーケストラ「市中音楽隊」の愛称。大正時代初期に付けられた。
という覚悟を手記に記しています。
「エノちゃん、大いにやろう。喜劇と言えばエノケン、ロッパだ」
きょうのまとめ
いかがだったでしょうか。
軍人・政治家にコメディアン。
いずれも超一流、多士済々の顔ぶれです。
また、最近日常ではなかなかふれることがないかもしれませんが、人それぞれ、家それぞれの家紋やその由来を探ってみるというのも味わいがありますね。
① 水野忠邦の家紋は沢瀉紋
② 沢瀉紋は戦の縁起物
③ 沢瀉紋を使用している歴史上の有名人には毛利元就、福島正則、高橋是清、古川ロッパ、など多士済々。
いかがだったでしょう。
特に水野忠邦の時代などはその家紋というものをいかに重く背負っていたのでしょう。
彼のそういった思いというものを尋ねてみたいですね。
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