「上知令」と水野忠邦の夢の終わり

 

RPG「 ドラゴン〇エストシリーズ 」にある最強呪文の一つメ△ンテをご存知でしょうか。

そうです。

自分の一命と引き換えに、相手方を瞬時に全滅させてしまうという究極の禁じ手です。

私がこのゲームに手を付けたのがもう数十年前なので今はもう存在せず本物のレジェンドになっているかもしれません。

ただ、大概のRPGにこういった禁じ手はつきもの。

アドベンチャー映画でもやっぱり大概、ラスボスが自分の命と道連れにマップごと崩壊して終わりますね。

もちろん当時、われらが大魔王様、水野忠邦はそんなつもりは毛頭なかったのかもしれません。

が、結局思いっきり彼の最終呪文となってしまいました。

「 上知令(あげちれい)! 」

 

江戸時代の真のラスボス?水野忠邦

もう堂々と言います。

われらが「 大魔王様(水野忠邦) 」の黄金時代「 天保(てんぽう)の改革 」は1841年から1843年の2年ほど。

まあ、そのターンの間の彼の傍若無人のアタックの数々は戦慄ものでした。

やることなすこと会心の一撃(大空振り)!

天上天下唯我独尊。

倫理、常識、情けなどというものを地獄の底に自ら投げ捨てて、立ち出でた一体の修羅です。

彼は。

 

当時の日本を取り巻く世界情勢

まず、これはちゃんとおさえておかねばなりません。

この頃の日本を取り巻く世界情勢です。

18世紀半ばから19世紀 産業革命

1792年 大黒屋光太夫、ロシア使節ラックスマンを連れ根室へ来航

1804年 ロシア使節レザノフ長崎へ来航

1825年 幕府、「異国船打払い令」を発する

1837年 鹿児島湾、浦賀沖に現れたアメリカの商船「モリソン号」に薩摩藩、浦賀奉行が砲撃(モリソン号事件)

1840~42年 アヘン戦争で中国がイギリスに惨敗

列強の影です。

列強とは主に

アメリカ
イギリス
フランス
ロシア

いずれもいち早く近代化などを成しとげ、その圧倒的パワーを背景に世界中を好き放題に占領しまくっている国々です。

当時の世界情勢は露骨に弱肉強食です。

アジアの超大国インドも中国もみんなやつらに食い散らかされ放題!

これまで200年ほどの長きにわたって太平を、鎖国体制を維持してきた日本も大ピンチです。

さあ、われらが大魔王様。

もうここはアレを一発お見舞いするしかございません!

そうです。

アレを!

究極呪文発動の時、さあどれだけついてこれる?「水野忠邦の生き方」

ボロカスに書いておりますが、本当にそんなに間違った政策なんでしょうか。

江戸や大坂といった大都市を守るために、

諸大名や旗本のここいらにある領地を取り上げ、

替わりに、彼らの本領に近いところに違う領地を差し上げる。

水「 win-winだろ(こう言ったかは想像です) 」

水野哲学は置いといて。

さあ、困ったことが起こりましたよ。

お引越しですからね。

大名も旗本も大迷惑。

ご家来衆も、そのご家族も移動!

はっは!

どんだけお金がかかるんだ。

しかも、彼らにお金を貸している方々。

もうすでにずいぶん踏み倒された方も大勢いらっしゃるでしょう。

かれらそのままお引越しでどうなります。

中には……。

「 冗談じゃねえ! 」

一応水野哲学というものを説明しておきましょう。

彼ね。これまで出世するためにあらゆることを犠牲にしてきてるんですよ。

特に他人の。

あっ、失敬!

彼のためにどれだけの人間が訳もなく踏み倒され、暮らしを持ち崩し、命すら絶ってきたことか。

彼はそうまでして幕府を立て直すんだと。

自分はわいろしまくりなのに、綱紀粛正せねば世に示しがつかんのだと。

お金の金・銀などの割合を減らして発行しまくり、その差益で幕府の財政を立て直すんだと。

上には楯突かんのに、下には「 正義 」のためにあらゆる手段をいとわんのだと。

ははっ。

そんだけ修羅の道を歩んできた哲学を私たちに押し付けるのは酷ってもんじゃございません?

ブラックプレジデント?

松平定信さんだって一部で「 クソマジメ 」なんて批判されてますが、

大概、その改革の「 痛み 」を自分が率先してかぶったり、
特に、地元では結構な成果を挙げたりしてますよ。

しかも本当に「 マジメ 」だけあって、長い目で見りゃやっぱり正道かな、と思えるところが多分にあります。

つましくても細く長くみんなが暮らしていけるように。

でも、大魔王様。

あんたはどうです?

きょうのまとめ

阿鼻叫喚。

百鬼夜行。

人々のあまりの恨み節と、身内からの造反(あの鳥居耀蔵、土井利位など)により大魔王様の天下は終わりました。

もはや時代の流れは止まりません。

確かに彼はいろいろと恵まれなかった男です。

ただ、やつと同じ時代に生きていたら私は本当にこう言っていたかもしれません。

「 失政大魔王 」

① 上知令が出されるころ、欧米列強が200年太平の日本へとひたひたと迫りつつあった

② 上知令は大名や旗本に領地交換を迫る法令

③ 私から見ても水野忠邦、ヤバいと思います

Win-win。

 

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