『麒麟がくる』第十二回「十兵衛の嫁」のエピソードは、驚きあり、納得あり、そして首を傾げる部分もあるストーリー展開だった。
戦国時代大好きな筆者の視点から、今回も見たまま感じたままをお伝えしたい。
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は?瞬きする間に光秀が結婚していた件
「光秀さんとの祝言のシーンでは、立て膝がつらかったですね。当時はまだ板の間なので、女性は正座ではなく立て膝なんです。厳かで柔らかな空気が流れるシーンですが、体の向きを変えるたびに足の甲がグリグリこすれるのを必死で我慢していました(笑)」(木村文乃)#麒麟がくる pic.twitter.com/tMNmQ0mxRW
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) April 5, 2020
今回のエピソードのタイトルを確認してもらいたい。
「十兵衛の嫁」である。
これがタイトルなんだよ。
それを踏まえて感想を。
予告編がほぼ全てだった十兵衛の祝言
短い。
何が短いって、悪い意味で優柔不断、良い意味で思慮深い明智光秀(十兵衛)が煕子にプロポーズするまで・祝言に至るまで・祝言そのものの時間が。
かつては駒や帰蝶の光秀に対する想いが描かれたわりには、あまりに急いだその展開。
プロポーズまでの心の動きや、祝言に至るまでの慌ただしさや晴れやかさなどは一切描かれなかった。
本編の祝言のシーンなんて、予告編に登場していた祝言シーンとほぼ同じじゃん?
タイトルが「十兵衛の嫁」の割には、ドラマの中では秒速であっさり夫婦になった光秀と煕子だった。
ね、誰かにちゃんと祝ってもらえたの?
駒よ。患者たちはどうした?
失恋後、一時本隊から離脱していた駒が、再び東庵先生にくっついて織田信秀のいる尾張にまでやって来たのはちょっとした脅威である。
彼女の目的は美濃の明智荘まで行って、自分の命の恩人が誰であるかを確認するためだとか。
駒ちゃん、それを知りたいなら視聴者に聞け。
皆、それが光秀の父だと知っている。
それに、彼女の本当の理由は、もう一度光秀に逢うために決まってるじゃん。
東庵先生1人でコトが足りるところを、駒はついて来てしまった。
怪我に苦しむ大勢の患者たちを京に置いてきぼりにして。
もしもし駒よ、駒さんよ。
光秀はもう妻帯者だ。
くれぐれも大人の対応を願う。
お似合い。信長と帰蝶
「父から言われて何よりうれしい言葉を帰蝶が聞き出してくれた。“親から愛されていない”と孤独を感じていた信長には、救いの出来事でした。帰蝶には、政略結婚とはいえ、本能的に甘えられると直感しているのだと思います。唯一、信長が本音で話せる存在なのでしょうね」(染谷将太)#麒麟がくる pic.twitter.com/IzyAuloEyA
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ドラマの途中で織田信長が竹千代の父親・松平広忠の首を取ったことに言及したが、それってもう2年前のこと?
現実世界で年を取るごとに1年が経つのが早いと実感する筆者だが、このドラマの中の時間の進み方はさらに上をいっている。
なら、信長と帰蝶ももう新婚じゃないわけか。
危うい精神構造の信長?
信長は相変わらず情緒不安定中。
死を目前にした彼の父・織田信秀は、母の土田御前の言いなりで、弟の信勝ばかりを可愛がると悲しみ、悔し泣きだ。
確かに信長が指摘する通り、信秀は家督を譲ると言いながらも、必ずしも信長を重んじていない様子。
かみ合わない父子の考えは「自分は愛されていない」と信長を追い詰める。
怒り、悲しみ、悔しさに信長の心は傷ついている。
それらが今後の信長の性格の危うさに繋がっていくのだろうが、このトラウマは彼をどんな武将に仕立てるのか。
やり手の帰蝶
それでもラッキーなことに、信長には不満を吐露し、泣き顔まで見せられる嫁の帰蝶がいた。
彼と彼女の仲は良好だ。
そして、ネガティブになる信長のために帰蝶が動いた。
・死に瀕する織田信秀の枕元に押しかけ、京の医師・東庵を呼ぶことを条件に、夫・信長の家督相続についてその真意を直接問う
・信秀の真意を伝え、母親のように信長を励ます
帰蝶は信長よりも周囲をよく見ている。
ま、織田家の人質同然の身であるから、当然かも。
「信長を頼む」
信秀からそのひと言を引き出した。
で、その後がスゴい。
それを盛りに盛って「尾張を任せる。強くなれ」との言葉に変換。
そして信長に伝える壮大な伝言ゲームに仕上げてしまった。
よくぞ嘘がバレなかったと胸をなで下ろす筆者だが、とにかく彼女のこの言葉のおかげで、ふて寝していた信長の表情もピカピカ輝き出したじゃん。
意外と単純である。
マムシ対タカ
ついに、斎藤道三(利政)と土岐頼芸との関係の終わりが開始した。
頼芸はマムシの道三の毒殺を企んだのだ。
以前に道三は頼芸の甥・頼純を毒殺している。
マムシだけに毒に縁のある道三である。
襲撃シーン
美濃の守護・土岐頼芸は、鷹匠を道三に送り、爪に毒を塗った鷹で彼を襲わせたが、道三をかばった家臣が代わりに殺害された。
それにしても、即効性の毒だから、犯人がすぐにわかる。
この鷹匠は決死の覚悟で道三に対面したに違いない。
案の定、道三は頼芸との戦を交えんばかりに激怒した。
しかし、道三には肝心の重臣もついて来ない気配。
しかも道三の息子・義龍(高政)は、頼芸に味方して父親と対決するつもりだ。
道三は視聴者には人気あるんだけど。
明智光秀も当然この美濃国内のいざこざに関わることになる。
義龍が光秀にも、「約束通り俺の味方になってオヤジ道三を討とう」と言い始めた。
当然義龍は以前「何でも言うことをきく」と言った光秀の約束を回収することを忘れちゃいないよ。
この男は、伏線を回収しない、出来の悪い小説家とは違うのだ。
どうする光秀?
道三か、義龍か。
こりゃ、駒や帰蝶を相手に優柔不断で寄り切った時ほどヤワな相手ぢゃないんだよ。
去る人・来る人
今回、織田信秀の見納めとなった。
高橋克典演じる信秀は、なんだか可愛げもあって憎々しいイメージもなく、もうドラマで観れないと思うと少し寂しい。
そして、入れ替わりに登場したのが、間宮祥太朗演じるあの明智秀満(左馬助)だ。
明智光秀の叔父・光安の息子である秀満は、のち光秀の重臣となって最後まで行動を共にする重要人物。
どんな家臣になっていくのか楽しみだ。
麒麟がくる第十二回「十兵衛の嫁」
さんざん駒だ帰蝶だとモヤモヤさせられてきた光秀の女性関係だったからこそ、いよいよ「十兵衛の嫁」取りエピソードに期待した第十二回。
ま、光秀は煕子を得たわけだが、タイトルにするほど2人の結婚までの心の動きが描かれなかったのは、ちょっと拍子抜けした。
この筆者の気持ちは、視聴者の総意じゃないかと思う。
今エピソードで思ったことを以下にまとめた。
① 明智光秀が秒速で煕子にプロポーズし、一瞬で結婚した
② 織田信長の心の不安定さを上手くコントロールする帰蝶の行動力がすごい
③ 土岐頼芸が鷹を使った毒でマムシの道三殺害を企み失敗して、2人の決裂が表面化した
次回は、明智光秀最大のライバルであり、大河史上一番のイケメンの藤吉郎(のちの秀吉)の登場である。
やっぱ見なきゃ。
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