後鳥羽上皇はどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】

 

鎌倉に幕府が起こり、天皇や朝廷は政治の実権から遠のいたままになっておりました。

幼いころから文武両道に優れた

後鳥羽ごとば上皇は、そんな時代を打ち破るべく“承久の乱”を引き起こします。

しかし、無念にも完敗。

日本海のまっただなかにある隠岐島おきのしまに流され、そこで人生を終えます。

一見すると、負けた人、なのですが、より長い目で見ると、太く太く今にまで受け継がれるもののルーツとなりました。

そんな意外な逆転劇に歴史の醍醐味と深みを存分に味わいましょう。

 

後鳥羽上皇はどんな人

プロフィール
後鳥羽上皇

後鳥羽上皇

  • 出身地:京都
  • 生年月日:1180年8月6日
  • 死亡年月日:1239年3月28日(享年58才)
  • 「承久の乱」を主導し、敗れる。

 

後鳥羽上皇の年表

年表

1180年(0才)後鳥羽上皇生まれる

1183年(3才)天皇に即位する

1185年(4才)壇ノ浦の戦い

1198年(17才)天皇譲位。上皇になる。

1219年(38才)源実朝暗殺される

1221年(40才)承久の乱に敗れる。隠岐に流される。

1239年(58才)崩御

 

後鳥羽上皇誕生と即位

後鳥羽上皇は高倉天皇の第四皇子として生まれました。

満2才の時に、木曽義仲が攻め上って京に入り、それまでぎゅうじっていた平家一門が安徳天皇を連れて西へと落ち延びてゆきます。

ほどなくして後鳥羽上皇は満3才で天皇に即位。

平家一門が「三種の神器」(「鏡・剣・まが玉」天皇家の正統性を示す伝国の3つの宝もの。)をみんな持って行ってしまっていたので、それらなしで即位しなければならなくなりました。

 

宝剣がなくなる

さらに翌年には「壇ノ浦の戦い」が起こり、平家一門は滅亡。

この時、宝剣がなくなってしまいます。

後鳥羽上皇は満9才の時、“元服の儀”(大人になったことを示す儀式)をおこないます。

しかし、この時も宝剣はありません。

替わりに天皇家とゆかり深い伊勢神宮から献上された剣を新しい「宝剣」としました。

それまで長い長い天皇家の歴史の中で、こういったことは初めてです。

 

文武に秀でる

後鳥羽上皇はとても文武に秀でた人でした。

後鳥羽上皇が得意だったのは

・弓

・馬術

・和歌

自作の歌が『百人一首』に載るほど。『新古今和歌集』を編纂へんさんさせました。

かなり凝り性な人なのでしょうね。

「24年間のうちに28回熊野行幸。」

熊野は紀伊半島南部にある信仰の地。現在は、世界遺産となっております。

そして、もうひとつ。

後鳥羽上皇を語る上でキーとなる趣味があるのですが、それは後ほど。

 

承久の乱

後鳥羽上皇が38才の時、鎌倉3代将軍源実朝が暗殺されてしまいます。

すると、たちまち幕府と朝廷の間は険悪に。

後鳥羽上皇は幕府を打倒すべく、決起を呼びかけます。

しかし、思うように味方が増えず、かえって多くが幕府方につき、大軍で攻め入られます。

結局は完敗に終わり、後鳥羽上皇は隠岐の島に流されました。

天皇や朝廷側の領地は大きくけずられ、その威信も大きく傷ついてしまいました。

承久の乱です。

 

その後の後鳥羽上皇

しかし、後鳥羽上皇の人生がそれで終わったわけではありません。

得意の和歌を流された隠岐の島でたくさん作り、その数なんと700首。

それだけではありません。

後鳥羽上皇にはもうひとつのとても大事な趣味があります。

刀剣作りと“菊のご紋”

刀剣作りです。

自分が宝剣なしで即位した、そして、自分の代で宝剣を無くなってしまった、という後鳥羽上皇ならではの思いがあったのかもしれません。

全国から腕利きの職人を呼び寄せ、また自分でも。

後鳥羽上皇は刀に自分の銘(サインのようなもの)を入れない代わりに、あるデザインを彫り込みます。

それが、十六葉の菊紋、“菊のご紋”です。

その後、今でもこれは天皇家の家紋として使われ続けております。

 

京には帰れなかったけれど

1239年後鳥羽上皇は満58才、京に帰れぬまま隠岐の島で崩御します。

ただその後、不思議なことに後鳥羽上皇の子孫たちに天皇の位が継がれるようになり、今もずっとその系統が受け継がれております。

 

きょうのまとめ

私たちはつい目の前のこと、生きている間のこと、ばかりに目が行きます。

しかし、そういったものをはるかに超越した事実を見せてくれるのが「歴史」です。

① 後鳥羽上皇は三種の神器なしで天皇に即位し、在位中に宝剣が無くなった

② 後鳥羽上皇は“承久の乱”に完敗し、隠岐の島に流された

③ 後鳥羽上皇は後世に“菊のご紋”と“現代につながる代々の天皇家”のルーツとなった

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