聖武天皇が東大寺をつくった意外なエピソードについて

 

奈良のシンボル・大仏さまがいらっしゃる東大寺

ですが、そもそも「東大寺」は正式名称ではありません。

正しくは、「金光明四天王護国之寺(きんこうみょうしてんのうごこくのてら)」といいます。

日本人なら一度は訪れたことがあるのに、実は知らないことが多い東大寺。

今回は聖武天皇による東大寺の創建について、ご紹介していきます。

 

意外と知らない東大寺創建の歴史

東大寺は聖武天皇がつくった、ということはご存じの方も多いはず。

ですが何のために、聖武天皇は東大寺を創建したのでしょうか。

基親王の死と国分寺建立の詔

東大寺ははじめから、大仏建立のために建てられたわけではありません。

東大寺には前身となる金鍾山寺(きんしょうさんじ)という寺院の存在がありました。

 

聖武天皇と光明皇后の間には、皇位を継ぐことのできる男児(二人の子・孝謙天皇(称徳天皇)は女性の天皇です。)はいませんでした。

ですが実は二人の間には、基(もとい)親王という男児が生まれていました。

しかし、基親王の命は一年ももつことなく、夭逝(ようせい)しています。

728年に基親王の菩提(ぼだい)を弔うため、若草山に建てられたのが金鍾山寺でした。

金鍾山寺には、のちに東大寺初代別当となる良弁(ろうべん/りょうべん)らを住まわせています。

741年、全国に国分寺建立の詔が発せられると、

金鍾山寺は大和国の国分寺となり、「大和金光明寺」という名称になりました。

なお、「東大寺」と呼ばれるようになったのは、大仏がつくられ始めた頃からだそうです。

 

廬舎那大仏の造立について

それでは大仏さまの造立にまつわるエピソードもご紹介していきましょう。

743年、聖武天皇によって大仏建立の詔が発せられます。

本当は紫香楽宮に造るはずだった

今となっては東大寺に造れということかな? と考えがちですが、

本来は紫香楽宮(しがらきのみや/744~745年の間、都が置かれた場所。現在の滋賀県甲賀市。)に大仏が造られるはずでした。

しかし都が平城京に戻り、大和金光明寺の地に大仏が建立されることになったのです。

国内で初めて金が発見される

現在の奈良の大仏さまはセピア色? とにかく渋い色をしていますよね。

ですが完成当時の大仏さまの体は、鍍金されていたのです。

ということで、大仏をつくるには大量の金が必要でした。

しかし当時の日本では金がとれず、輸入するしかないという状況……。

 

そんな頃、陸奥国の小田郡で黄金が発見されたという報告を受けます。

大仏建立という絶妙なタイミングで黄金が発見され、聖武天皇は大いに喜んだといわれています。

私度僧出身・行基の協力

このようなラッキーな出来事もありましたが、やはり大仏造立という一大プロジェクトを進めるのは大変なことです。

それは人事面にも表れています。

大仏造営勧進(かんじん)(=責任者)を務めたのは、行基(ぎょうき)でした。

行基といえば各地で貧民の救済や土木事業などを行い、民衆に絶大な人気を誇った僧です。

 

とはいえ行基は私度僧(しどそう)の出身。

私度僧とは正式な許可なしに出家した僧のことで、時に弾圧の対象となることもありました。

ですが、大仏建立にはそんなことは言っていられなかったのです。

行基らの働きにより、751年には大仏殿が完成。

翌年には開眼供養(かいげんくよう/大仏に目を描き、魂を入れる儀式のこと。)が行われ、1万人以上の人びとが集まったといわれています。

ただし行基本人は大仏の完成を見届けることなく、749年にこの世を去りました。

 

【参考】東大寺創建にまつわる年表
  • 728年 金鍾山寺創建
  • 741年 国分寺建立の詔
  • 743年 大仏建立の詔
  • 745年 平城京に還都
  • 747年? 大仏の鋳造開始
  • 749年 行基永眠・陸奥国の金が献上される
  • 751年 大仏殿完成
  • 752年 開眼供養
  • 756年 聖武太上天皇崩御

 

きょうのまとめ

今回は奈良の大仏様でもお馴染み、

東大寺の歴史について簡単に紹介しました。

① 東大寺の前身は、聖武天皇の子・基親王を弔うために創建された寺だった

② 奈良の大仏さまは、もとは紫香楽宮(現在の滋賀県)につくられる予定だった

③ 大仏建立の最中、日本で初めて金が発見された

④ 民衆に大人気の行基らの協力があってはじめて、大仏をつくることができた

こちらのサイトでは他にも、聖武天皇や奈良時代にまつわる記事をわかりやすく書いています。

より理解を深めたい方は、ぜひお読みになってくださいね。

 

聖武天皇の【完全版まとめ】はこちらをどうぞ。
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