戦国時代の末期から江戸幕府3代将軍徳川家光の時代までを華麗に駆け抜けた武将、
伊達政宗。
何度も窮地に陥りながらも、そのたびに知力を発揮して、
それを乗り越え、仙台藩62万石の礎を築いたその手腕は見事というほかはありません。
そんな彼が残した名言集があります。
それが「伊達政宗五常訓」です。
その内容と意味についてみていきましょう。
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「伊達政宗五常訓」とその意味~本編~
仁に過ぐれば弱くなる
「人を思いやる気持ちは大切だが、度が過ぎると相手のためにならない」ことを説いています。
何事もいいころ合いがあるということです。
義に過ぐれば固くなる
「正しくあることは大切だが、常にそれを求めるのは単なる堅物である」と戒めています。
ガチガチの「堅物」では本当の人望は得にくいと言いたかったのかもしれません。
礼に過ぐれば諂(へつらい)となる
「礼儀をわきまえることは大切だが、これも極端になると相手に媚びているだけである」と戒めています。
媚を売る人はなかなか信用されないのは戦国の世も現代も同じかもしれません。
智に過ぐれば嘘をつく
現代でもそうですが、利口な人ほど得てしてウソや虚言を策するケースがあります。
ウソや虚言が命取りになることを見越した言葉なのかもしれません。
信に過ぐれば損をする
「人を信用しすぎると手痛い目に遭うので、注意が必要だ」ということを述べています。
彼自身の人生経験からそれを感じ取ったのでしょう。
「伊達政宗五常訓」~続き~
「伊達政宗五常訓」には5つの教えのほかに続きがあります。
この世に客に来たと思えば 何の苦もなし 朝夕の食事は うまからずとも誉めて食うべし
元来、客の身なれば好き嫌いは申されまい 今日の行くおくり、
子孫兄弟によく挨拶して、娑婆のおいとま申するがよし
要約すると次のようになります。
人は生まれることではじめてこの世に出て、死ぬことで再び、旅立つ。
毎日の食事は粗末でも、この世に客人として招かれているのだから、文句を言ってはいけない。感謝の気持ちが肝要である。
間もなく、私はこの世を離れるが、子や孫や兄弟に感謝の声をかけて、旅立つのが幸せである。」
きょうのまとめ
伊達政宗と言えば、権謀術数に長けた油断のならない人物だったというのが一般的な人物像だと思います。
ただ、「伊達政宗五常訓」という彼の名言集を読み解くと、
人間関係の基本を忠実に守って、柔軟に生きた優秀な武将であったと思います。
「伊達政宗五常訓」の内容は、
現代の私たちにも役立つ内容となっているのではないでしょうか。
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