本能寺の変の黒幕は足利義昭?明智光秀との関係

 

戦国史の中でも最も謎が残る事件と言われているのが

「本能寺の変」です。

このままいけば確実に天下人になったであろう織田信長が、

明智光秀に討たれ、その光秀もすぐに羽柴秀吉によって討たれます。

今風に言えばスキャンダラスという言葉がぴったりではないでしょうか。

光秀に謀反を起こすだけの理由があったのか?

それは今でも意見が割れており、謎のままです。

しかし近年、光秀の直筆の手紙が見つかり「足利義昭黒幕説」が浮上してきました。

どういうことなのかまとめてみました。

 

足利義昭ももちろん登場?!明智光秀が主役の「麒麟がくる」がはじまりますね。
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義昭と光秀の関係。光秀は義昭の元家臣

2人の関係から、黒幕説とはどういうことか見ていきたいと思います。

明智光秀は美濃の斉藤道三に仕えていました。

しかし斉藤家の家督争いに巻き込まれ、明智城を攻められると、一族は離散。

朝倉義景よしかげを頼り、そこでおよそ10年間、食客しょっかく(居候。もと、一家に客の待遇で養われている人)として過ごします。

兄・足利義輝を暗殺された足利義昭も、朝倉義景に救援を求め逃れてきます。

2人はここで顔見知りになったのです。

しかし義昭の救援依頼を義景が拒否すると、義昭は織田信長に救援を依頼します。

織田信長の正室であった濃姫と光秀は従兄妹であったとされているので、光秀がこの仲介役になったと考えられます。

いくら光秀が信長と縁戚関係にあろうと、よく分からない浪人の光秀を将軍が頼るだろうか?

と考えると、光秀と信長はそれなりに親しい関係だったのではないかと推測できます。

義昭が15代将軍に就任してからは、光秀は京都奉行の職につき、引き続き信長と義昭の連絡役・仲介役となりました。

この時の光秀は幕臣であったと言われ、幕臣とは名の通り「幕府の家臣」ですから、光秀は義昭の家臣であったと言えます。

後に滋賀郡を与えられたことを機に、正式に織田家の家臣になりました。

 

光秀直筆の書状

光秀直筆の書状は、本能寺の変の直後に書かれたものです。

写しは確認されていましたが、光秀の直筆の書状というのは非常にめずらしいものです。

反信長勢力であった、雑賀衆の一人・土橋つちばし重治しげはるからの書状に対する返信であるとみられています。

光秀
上意への奔走を命じられたことをお示しいただき、ありがたく存じます。しかしながらご御入洛ごにゅうらくの件につきましては既に承諾しています。

と光秀は返しています。

「上意」「御入洛」も将軍級の貴人に使う言葉です。

信長は光秀によって討たれた後ですので、この段階で光秀よりも目上の貴人は、

京都から追放されていた「義昭」しかいないことになります。

細かく折りたたまれた痕跡などから、密書扱いであったことも分かりました。

 

書状の意味

この書状の何が重要なのかというと、

義昭が京都に戻る際は、協力する約束になっている

という重治に対して、

協力していただけることありがたいと思っています。しかし、そのことは既に承知しています

と光秀は返しているのです。

つまり「義昭と光秀の間では既に、信長亡き後、義昭が京都に戻る手筈になっている」ということです。

このことから、本能寺の変の黒幕は足利義昭ではないか?

との説が浮上したのです。

「信長を討ち再び義昭を上洛させて、長宗我部家や毛利家といった反信長勢力と共に幕府を再興させようとしていた」と考えられるのです。

義昭が積極的に光秀に「信長を討て」と働きかけたかどうかは分かりませんが、光秀と義昭が繋がっていた、ということは確かです。

 

きょうのまとめ

いかがでしたか?

足利義昭と明智光秀の関係を追っていくと、本能寺の変の謎にまでたどり着きます。

歴史って本当におもしろいですよね。

いくつもの説がある本能寺の変のひとつの説としてお楽しみいただけたらうれしいです。

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