サカノウエノタムラマロ……名前どうかしてる! と思ったのは、私だけではないはず。
坂上が名字で、田村麻呂が下の名前ですからね。
さて、坂上田村麻呂とはどんな人物だったのでしょうか。
征夷大将軍だったこと以外、ご存じでない方も多いと思います。
今回は彼の生涯と有名な伝説などについて、簡単にご紹介していきます。
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坂上田村麻呂はどんな人?
- 出身地:?(諸説あり)
- 生年月日:758年
- 死亡年月日:811年5月23日(享年54歳)
- 平安時代初期に活躍した伝説的武将。京都・清水寺の創建者ともされる。
坂上田村麻呂 年表
西暦(年齢)
758年(1歳)坂上氏に生まれる。
787年(30歳)近衛少将となる。
791年(34歳)征討副使となる。
793年(36歳)蝦夷討伐(1回目)
796年(39歳)陸奥出羽按察使(あぜち)・陸奥守・鎮守府将軍となる。
797年(40歳)征夷大将軍となる。
798年(41歳)清水寺を建立?
801年(44歳)蝦夷討伐(2回目)
802年(45歳)胆沢城の造営。アテルイ・モレの降伏。
803年(46歳)志波城の造営
804年(47歳)再び征夷大将軍となる。
805年(48歳)参議となる。
810年(53歳)造宮使となる。薬子の変を鎮圧する。
811年(54歳)京都・粟田で病死。
坂上田村麻呂の生涯簡単まとめ
坂上田村麻呂は坂上氏という、武人の一族の子として誕生しました。
父・苅田麻呂も、陸奥国の鎮守府将軍として多賀城に赴任しています。
さて、この頃は桓武天皇の治世。
桓武天皇といえば「軍事と造作」という言葉に表されるように、
- 都の造営(長岡京・平安京)
- 蝦夷討伐
という二大プロジェクトに力を注いでいました。
そこで蝦夷征討の征東副使に任命された田村麻呂は、大きな功績をあげます。
そしてさらに征夷大将軍に任命されると、蝦夷の英雄・アテルイの本拠地であった胆沢(現在の岩手県奥州市)の地に胆沢城を造営。
すると、アテルイと副将・モレはおよそ500人の兵を連れ、降伏しました。
田村麻呂は二人を平安京に連れ帰って助命嘆願を申し出るも、アテルイとモレは処刑されています。
その翌年、胆沢城の北に志波(現在の岩手県盛岡市)城を築きました。
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田村麻呂は再び征夷大将軍に任命されますが、蝦夷討伐は中止される(桓武天皇の前で行われた「徳政相論」という議論によって、決定しました。)ことになります。
また810年に起こった薬子の変(藤原薬子・仲成が平城上皇の重祚を企て、失敗に終わった事件のこと)では、東国へ脱出を図った平城上皇を大和国(現在の奈良県)で食い止めています。
このように、桓武天皇や嵯峨天皇から絶大なる信頼を受けていた坂上田村麻呂。
ですが54歳にして、京都・東山粟田の別宅で病死しました。
坂上田村麻呂にまつわるエピソードや伝説
古代の人物であるため、なかなかよくわからないことの多い坂上田村麻呂。
そこで今回は、有名ですが「それ、本当!?」と言いたくなるようなエピソードを紹介します。
髪だけで120kgあった?
「文」といえば菅原道真、「武」といえば坂上田村麻呂。
かつてはそう言われたほど、田村麻呂は伝説的な武将なのです。
屈強な男を勝手にイメージしてしまいますが、実際はどうだったのでしょうか。
『日本後紀』や『田村麻呂伝記』という書物によると、
- 身長 約175cm
- 胸板の厚さ 約40cm
- 赤ら顔
- 目は鷹のように鋭い
- ふさふさした黄金のあごひげ
- 髪の重さは重いときは120kg、軽いときでも38kg
髪だけで120kg……頭に巨漢のプロレスラーを乗せてるくらいのことですからね。
首がもげそうですが、坂上田村麻呂ですから、もげないのでしょうね。
そんな伝説が生まれるほど、やはり強い男だったのでしょう。
坂上田村麻呂まさかの黒人説
坂上田村麻呂が実は黒人だった、とはまさか思いつきませんよね。
織田信長に仕えた弥助じゃあるまいし……。
それがなぜか、20世紀初頭にカナダの人類学者がそのように主張したそうです。
その後も田村麻呂は何度か、世界に黒人として紹介されています。
どうやら黒人社会を勇気づけるため、だったのだとか。
なお、坂上氏をさかのぼると、渡来人の阿知使主にたどり着くといわれています。
きょうのまとめ
今回は坂上田村麻呂の生涯について簡単にまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
坂上田村麻呂とは?
① 坂上氏という武人の一族に生まれた
② 蝦夷討伐や薬子の変で大活躍した
③ 髪だけで120kgあったといわれるほど、屈強な男だったと想像できる
④ なぜか黒人だったという説がある
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