麒麟がくる第四十三回「闇に光る樹」【あらすじ簡単まとめ】

 
 
※ネタバレあり
 
大河ドラマ麒麟きりんがくる』
 
第四十三話で描かれたのは、権力に溺れ、暴走を続ける信長を前に、静かに決意を固めていく光秀の姿。

光秀に向けられた、帰蝶から衝撃の助言とは…。

以下よりあらすじを辿っていきます。

 

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麒麟がくる(第四十三話)のあらすじ

1579年夏、光秀(演:長谷川博己)率いる織田軍は丹波・八上城、黒井城を陥落。

長きに渡る戦に決着を着け、丹波平定にいたります。

信長(演:染谷将太)よりその功績を称えられた光秀は、これによって近江、丹波の二国を任される織田家隋一の大名に。

しかしその一方で、今回も収まるところを知らない信長の暴走に頭を悩ませることとなります。

丹波国衆の斬首

光秀は丹波平定の折、潔く城を明け渡した国衆に対し、

「お命はお助けするよう、信長さまに申し上げてある」

と、罪には問わない約束をしていました。

しかし安土城へ戦勝報告に訪れると、そこで待っていたのは塩漬けにされた丹波国衆の首。

光秀の願いは聞き入れられず、丹波の国衆は全員斬首の刑に処せられていたのでした。

誠仁親王の屋移り

自身が献上した蘭奢待らんじゃたいを毛利輝元に下賜かししたこと、自身を差し置いて光秀を御所に招いたこと、

これらを理由に正親町おおぎまち天皇(演:坂東玉三郎)に不満を募らせていた信長。

前回から催促していた誠仁さねひと親王(演:加藤清史郎)への譲位を巡っても、今回新たな動きがありました。

京都御所を住まいにしていた親王に対し、信長が二条に設けた新御所への屋移りを求めるのです。

これは親王を手元におき、朝廷の権力を完全に掌握してしまおうという狙いでした。

光秀は

「武家が帝のご譲位をとやかく申し上げるべきではない。二条へのお渡りも行き過ぎじゃ」

と、これに反感を覚えますが、信長のこと、思うままにならなければまた新しい手を考え、余計にややこしい事態を招きかねない…。

ということで、その場はこの動向を見た天皇に判断を委ねることとなります。

さらに、本願寺を下し大阪を平定した佐久間信盛(演:金子ノブアキ)がその直後に排斥される異様な人事も…。

信長に毒を盛る?

これらの信長の振る舞いに対し、光秀が相談を持ち掛けたのは、信長の正妻・帰蝶(演:川口春奈)でした。

「道三さまならどうされていたか」

帰蝶の実父・斎藤道三(演:本木雅弘)の名を挙げて問う光秀に、彼女が返した答えは

「信長さまに毒を盛る」

というものでした。

織田・徳川連合軍が武田家を滅ぼした戦勝祝いの際、家康(演:風間俊介)への肩入れを疑われた光秀は、信長と睨み合う形となりますが…

この場における光秀の目は、今までにない憎しみを感じさせるものとなっているのでした。

 

麒麟がくる(第四十三話)の見どころ

続いて今回の見どころを詳しく見ていきましょう!

大樹を斬る夢

信長の暴走に頭を悩ませていた昨今、光秀はある妙な夢を見るようになっていました。

京にて医師・望月東庵(演:堺正章)を訪ねた折、助手の駒(演:門脇麦)に向け、光秀はその夢の様子を語ります。

「月にまで届く大きな樹を斬る夢なのだ。

見ると、その樹に登って月に行こうとしている者がいる。どうやら、それは信長さまのように見える。

昔話で月に登った者は二度と帰らぬというゆえ、わしはそうさせぬため、樹を斬っているのだ。

しかし、その樹斬れば、信長さまの命はない」

正親町天皇に拝謁はいえつした際、天皇と光秀は、権力欲しさに暴走する信長を、月に登ろうとする者に例えるやり取りを交わしていました。

その折、天皇から信長の動向を見守るよう託された光秀。

この夢は、光秀がそれに対してどう動くべきか、深層心理で気付き始めているような描写に感じます。

天下のすべてを欲し暴走する信長を止めるには、もはや殺してしまうほかに方法がない。

光秀が夜ごと同じ夢を見続けることで、その想いは徐々に確信に近づいているようです。

細川藤孝が光秀を頼り切れない理由

今回、

・細川藤孝(演:眞島秀和)

・元関白・近衛前久このえさきひさ(演:本郷奏多)

・近衛の姉代わりである伊呂波太夫いろはだゆう(演:尾野真千子)

の3人が酒の席を共にするシーンが登場しました。

大納言・三条西実澄さねずみ(演:石橋凌)が亡くなったため、親王の二条への屋移りもむざむざ許すことになってしまったと、伊呂波太夫は今回の信長の行動を憂います。

一方、以前は朝廷が御所の塀も直せない有様だったため、信長が実権を握ってからはいかほどかマシになったと話す近衛。

そして細川藤孝は

「我が殿なら天下一統がなり、世が治まると思うたが…」

と、変わらず続く世の動乱を嘆きます。

それに続き、ずっと光秀を頼りにしてきた藤孝が、その立ち位置を実は危うく見ていることも明かされました。

信長が頼りにならないのなら、天皇は誰を頼ればよいのか。

この問いに対し、近衛は

「やはり明智でしょう。明智なら信長も一目置いている」

と答えますが、藤孝はこれに引っかかる様子を見せるのです。

その理由は、光秀が前回、備後の足利義昭(演:滝藤賢一)に会いに行ったことにありました。

このことで光秀は羽柴秀吉(演:佐々木蔵之介)と衝突しており、藤孝はその点を懸念していたのです。

「武家の棟梁は足利将軍。その気持ちは私のなかにも残っている。

よくわかるのだが、百姓の出の秀吉殿にはさっぱりわからぬ話…」

織田家でも力をつけてきている秀吉と対立するとなれば、光秀が主導権を握るのは容易くないということですね。

これものちに光秀と秀吉が敵同士となることの伏線となっているような気がします。

道三ならどうしていたか

目の病気を患い、治療のために京を訪れていた帰蝶。

光秀は東庵からこれを聞きつけると、堺の豪商・今井宗久(演:陣内孝則)との茶会の席にて、帰蝶と相対することとなります。

「昔、父の道三があれこれ思い惑い、じたばたして生きておるのを見て、

良い歳をしてと笑うていたのじゃが…皆同じじゃな」
 
目の状態がかんばしくないことに対し、気の急く想いを抱えていた帰蝶は、道三の名を挙げ、やはり自分は父に似ていると懐かしみます。

「それゆえときおり、帰蝶さまのご意見が聞きとうなるのでございます。

道三さまなら、これをどうお考えになるのかと」

光秀がそう言うと、帰蝶はすでに何を尋ねたいのかを察していました。

そして道三に成り代わり、光秀にこう言い放つのです。

「毒を盛る。信長さまに。

今の信長さまを作ったのは父上であり、そなたなのじゃ。作った者がその始末を成すほかあるまい」

道三の命で帰蝶は織田家へ嫁ぎ、その同盟をもって信長は勢力を強めました。

そして光秀は将軍を掲げた上洛以来、信長を覇者とすべく支えてきた身。

それならばどのような手段をもってしても、信長を止める責任は自分たちにあると帰蝶は光秀に語ったのです。

「私はそう答える父上が大嫌いじゃ」

「私も大嫌いでございました」

どこか懐かしいそんなやり取りを交わすふたり。

この出来事が光秀をどう動かすことになるかは、次週明らかになるでしょう。

国を穏やかに治める術

1582年3月、織田家と共に甲斐の武田家を下し、信長から駿河の地を新たに賜ることとなった徳川家康。

家康はその挨拶に安土城を訪れた折、近江と丹波を穏やかに治めていると評判をもつ光秀に、国を治めるためのアドバイスを求めます。

光秀が返した返事は、検地を徹底することでした。

「戦は他国の領地を奪うことから始まりまする。

己の国が豊かで人並みに暮らせるところであれば、他国に目を向けることはないはず。

己の国がどれほどの田畑を有し、作物の実りがどれほど見込めるのか、正しく検地を行い、

それに見合った人の使い方をし、無理のない年貢をとる。まずはそこから始めてみようかと」

と、語る光秀。

史実では、のちに秀吉が太閤検地たいこうけんちを行い、家康はそれを引き継いで江戸幕府を築いていくこととなります。

今作では、太平の世の基盤が光秀のこの言葉から始まっていく、そんな筋書きとなっているのですね。

家康との宴における事件

光秀にアドバイスを仰いだ折、家康は信長から戦勝祝いの宴を持ち掛けられたことにも触れ、その饗応役きょうおうやくに光秀を指名します。

(※饗応役…宴の準備をする世話役のこと)

この行動から、事は一気に由々しき事態へと向かっていくこととなるのです。

家康のこの計らいは、信長はいつ自分を切るかわからないという警戒の念から。

宴の席で毒を盛られでもすればたまったものではないと、信用のおける光秀に饗応役を頼んだのです。

しかし家康のこの行動は信長に

「家康め…まだ信康に腹斬らせたことを根に持っておるのか」

と、不信感を抱かせる結果となってしまいます。

家康としては、嫡男が敵の武田方に通じていたことには責任も感じており、信長が処刑を命じたことにも整理が付いていたのですが…。

それに加え、

「饗応役はここまでとし、そなたには今秀吉がかかっている毛利攻めに加わってもらいたい」

と信長が命じても、家康と約束したがゆえ、頑として宴を最後まで見届けたいという光秀。

信長はその様子に怒り、膳の品数が間違っているという理由をつけて、宴の席で光秀を蹴り飛ばすのです。

いつもならその場で頭を下げる光秀ですが、ここに来るまでに信長に対する想いも固まっていたのでしょう。

その目つきはもはや仇を睨むような様相に変わっているのでした。

 

麒麟がくる(第四十三話)のまとめ

月に続く樹に登ろうとする者と、それを斬り倒そうとする者。

光秀の夢は、信長を止めなければいけないという責務となり、その決意を固めさせるにいたりました。

最期まで信長に添い遂げたように描かれることも多い帰蝶が、光秀の後押しをしたのは意外な展開でしたね。

最後に今回のまとめです。
 

 
丹波国衆の斬首、誠仁親王の屋移り、佐久間信盛の排斥…信長の暴走は収まるところを知らない。

信長の暴走ぶりに、道三に成り代わった帰蝶が示した答えは「毒を盛る」というものだった。この助言に光秀は決意を固めていく?

国を穏やかに治める方法を家康から問われると、光秀が挙げたのは、「検地を徹底すること」だった。のちの太閤検地、江戸幕府へつながっていく基盤となるか。 

④ 家康が信長を警戒しているゆえ、両家の戦勝祝いの饗応役を務めることとなった光秀。しかし信長から家康への肩入れを疑われ、一触即発の事態に…。
 

さて、次週はいよいよ日本史上最大の謎「本能寺の変」。

正義感に溢れ、世を穏やかにするためだけに奔走してきた光秀が、どのようにして信長を葬るのか。

最後まで見逃せません。

 
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