麒麟がくる第二十五回「羽運ぶ蟻」【あらすじ簡単まとめ】

 

※ネタバレあり

大河ドラマ麒麟きりんがくる』

第二十五話で描かれたのは、次期将軍・足利義昭を巡る諸大名の動向。

義昭を将軍に担ぎ上げるべく、上洛を支える大名を動かしたのは光秀その人でした。

同時に、11年ぶりに故郷の美濃へ戻る感動の一幕も…。

以下より、あらすじを辿っていきましょう!

 

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麒麟がくる(第二十五話)のあらすじ

1566年、京での覇権を握ろうとする三好家によって、次期将軍候補であることを理由に捕らえられていた足利義昭(演:滝藤賢一)を救い出した将軍家奉公衆。

彼らは大名・朝倉義景(演:ユースケ・サンタマリア)を頼り、義昭ともども越前へと向かいます。

義景と共に上洛を果たし、その力を借りて義昭を新しい将軍に…というのが奉公衆の考え。

しかし肝心の義景は前回の光秀(演:長谷川博己)からの報告もあり、義昭を将軍にふさわしいとは思っておらず、訪ねてきた義昭らをなかなか受け入れようとしません。

一方、織田信長(演:染谷将太)は大名・斎藤龍興さいとうたつおきを破り、美濃を平定。

明智家一行は旧来の家臣である藤田伝吾(演;徳重聡)からこの知らせを受け、長良川の戦い以来、11年ぶりに美濃へ帰れることになります。

晴れて美濃入りを果たした光秀は、稲葉山城で待つ信長のもとへ。

次なる一手に悩む信長に、上洛し将軍家を支えること、そうすれば畿内の領土が手に入り、さらに権力を広げられることを助言します。

そしてこのあと、光秀が越前へ戻ると、その帰りを待っていたのは足利義昭でした。

前回、義昭を将軍の器なしと判断し、主君の義景にもそう伝えた光秀でしたが、ここで将軍としての心構えを新たにした義昭を前にし、その考えを一変。

義景のもとを訪れると、信長と共に義昭を支えて上洛し、幕府の再興を手伝うことを促します。

 

麒麟がくる(第二十五話)の見どころ

ここからは今回の見どころを辿っていきましょう!

美濃への帰還・伝吾との再会

1567年、織田信長が亡き斎藤義龍の子・龍興を破り、美濃を平定。

斎藤家の支配が終わったことをきっかけに、光秀らのもとにかつての家臣・藤田伝吾から便りが届きます。

光秀が美濃を去ることになってから11年間、明智壮を大事に守ってきた伝吾らは、半焼した家屋も建て直し、明智家一行を迎える準備はいつでも整っていると知らせてきたのです。

知らせを受けると光秀の母・牧(演:石川さゆり)は喜んで美濃へ帰ることを決めますが、光秀や妻の熙子ひろこ(演:木村文乃)は、娘たちのことや、越前で築いてきた生活もあるという理由から、越前に留まることに。

ともあれ、牧を送り届けるため、光秀も美濃へと向かうことになります。

こうして美濃へと戻り、伝吾と再会を果たした光秀と牧。

「11年前、そなたは10年、20年、この明智壮を守っていくと言うてくれた。まことに守ってくれたのですね」

「それが私の務めでございます」

という、牧と伝吾のやり取りに思わずウルっときてしまいました。

また光秀らが帰ったことを祝う宴会のあとのシーンでは

「こうして美濃に戻ってこられて、もう何も思い残すことはありません」

と、一生分の親孝行をしてくれたといわんばかりの一言が、牧から光秀へ向けられます。

続けて

「そなたは明智家の当主。土岐源氏の血が流れております。誇りをもって、思うままに生きなさい」

とも。

すべてを失ってから11年、再び美濃へ戻ることができたのは、なにより光秀が当主として明智家を必死に守ってきたからです。

そして次は光秀が世を動かしていく番だと暗示するかのような一言でした。

駒の薬の又売り騒動

謎の老人から薬の作り方を教わり、その効き目から京で評判になっていた医師助手の駒(演:門脇麦)。

今回もこの薬を巡って騒動が起こります。

医者にかかれない貧しい人たちに配るためにと、寺や神社に薬を融通していた駒ですが、家族が病気だと言い張り、タダで薬を手に入れて又売りをしている者がいるという噂が出てきたのです。

駒は又売りをしていた少年の居場所を突き止め、その意図を問い詰めます。

すると返ってきたのは

「銭を稼いで何が悪いんだ。それで妹や弟たちが飯を食える」

という返事です。

お寺の善意から配られているものを、それを知らない人に高く売ることは間違っていると考えた駒。

しかし少年からしてみれば、それは貧しい家族が生活していくための手段で、間違っていると言われる意味がわからない。

価値観の違いからくるこの食い違いに、駒は何が正解なのかわからなくなってしまいます。

この一件の正解を示したのが、医師・望月東庵もちづきとうあん(演:堺正章)でした。

「誰も間違っとらんよ。薬を買う者には、お金を払うだけのゆとりがある。薬を売るほうはそのお金で助かる。お前の知らないところで薬がひとり歩きして、人助けをしている。いい薬じゃないか」

こう言われてみると、少年が薬を又売りしたことで、損をしている人がひとりもいないことにハッとさせられます。

物事の正しい、間違っているは、どの立場からその物事を見るかによって変わってくるということですね…。

織田信長の次なる一手

美濃へ戻った光秀は、織田信長に謁見えっけんするべく稲葉山城へと向かいます。

このとき、城内でかつての斎藤家家臣・稲葉喜通いなばよしみち(演:村田雄浩)と再会。

喜通は

「龍興さまは肝が小さく、何事も一人では決められない。その点、信長さまは器が大きい」

と、龍興を裏切った理由を光秀に話します。

道三が織田家と同盟を結んだときはさんざん目の仇にしておきながら、信長が力を手に入れるなりこの手のひらの返しよう。

この人にはどこかで痛い目にあってほしいものですね…。

と、そんなことはさておき、肝心なのは信長と光秀のやり取りです。

美濃平定の祝いと、母が故郷へ帰ることができたお礼を言う光秀に対し、信長が切り出したのは、自分の家臣にならないかという話。

しかし光秀はこの誘いをその場で断ります。

自分はずっと義輝に仕えたいと思ってきたが、その義輝が亡くなったことで身の振り方に悩んでいるというのがその理由でした。

そう言った光秀に対し信長は、実は自分も同じ心境であることを語り始めます。

桶狭間の戦いの際

「今川を破り、次は何をなされます」

と光秀に聞かれて答えなかったのは、自分でもどうしていいかわからなかったからだというのです。

一視聴者としては、亡き道三の

「大きな国を作れ」

という言葉の元、天下統一に向け、ふたりのあいだで無言の約束が交わされているような印象を覚えていたのですが、「え、そういうことだったの?」と、少し拍子抜けを食らってしまいました…。

とはいえこれは、美濃を手中に入れる前から、いずれ八方塞がりの状況に陥ることに気付いていた信長の鋭さを表しているとも取れます。

美濃を手に入れたはいいものの、周囲は越前の朝倉に甲斐の武田と大国を有する猛者揃い。

さらに追い払った斎藤龍興も、京の三好・六角を頼って再建を図ろうとしており、いくら戦をしてもキリがない。

この状況に、信長はどう動くべきか決めあぐねていたのです。

そこで光秀が提案したのは、上洛して将軍家の再興に力添えをすること。

将軍家に仕えれば畿内の領土が手に入り、そこから周りが手出しできないような大きな国作りが展開できるというアドバイスです。

「わしは戦が嫌いではない。勝てば皆が喜んでくれる」

と言う信長に対し、

「幕府を再興し平らかな世を実現すれば、皆大いに喜びましょう」

と説く光秀。

信長の野心の源は家臣や民衆の喜ぶ姿で、それを尾張や美濃などの限られた範囲だけでなく、日本全土に向かわせようとしたのが光秀、という図式が浮かんできました。

「大きな国か…それは、これぐらいか?」

「いえ、もっと」

地図を前にそんなやり取りをする信長と光秀の示すその範囲は、次第に日本全土を包むほどのものに。

信長の天下統一の夢が光秀の助言によって姿を現す、そんな今作の鍵となるような一場面となっていました。

将軍・足利義昭の器

前回は足利義昭の弱腰な姿勢を前に「将軍の器なし」と判断した光秀でしたが、今回は将軍になることを徐々に覚悟しつつある義昭の言葉に、その考えを改めます。

美濃での信長との謁見を終えた光秀が越前へ戻ると、明智家を訪ねてきた義昭がその帰りを待っていました。

義昭がやってきた理由は、兄の義輝が光秀を頼りにしていたと聞き、自分も一度ゆっくり話をしておきたいと思ったためでした。

そしてここで義昭が切り出したのは、朝倉義景から受け入れの返事を待つ折、庭の桜を見ていたところ出くわした一匹の蟻の話です。

自分の身体よりはるかに大きな蝶の羽を、たった一匹で必死に運ぼうとする蟻。

一匹では運べるわけもなく、見かねた周りの蟻たちが手伝おうとやってくるも、その仲間たちを振り払ってなお一匹で運ぼうとする。

そんな蟻の姿を義昭は自分と同じだとし、こう語ります。

「将軍という大きな羽は、一人では運べぬ。しかし、助けがあれば…」

いきなり将軍の大任を持ち掛けられて戸惑ってしまったのは、重責を一人で背負おうとしたがゆえ。

義昭はそう気付いたのですね。

そして光秀が心を動かされたのは、この次の義昭の一言でした。

「私一人の力では、救える人々は限られている。しかし私が将軍になれば、今まで手の届かなかった人々を救えるかもしれぬ。そう考えると、将軍になるのも悪くはない」

貧しい人々に施しをしながら、「自分に救えるのは目の前の人たちだけ」「自分は無力だ」と思い続けてきた義昭。

しかし諸大名を動かせる将軍なら、より広い範囲に影響を及ぼすことができる。

そんな考えから、義昭の将軍職への心構えは固まっていきつつあったのです。

この一件から義昭を見直した光秀は、すぐに朝倉義景に立ち会い、義昭を擁立しての上洛を進言。

判断をすべて光秀に任せていた義景も、上洛への決意を固めることになります。

 

麒麟がくる(第二話)のまとめ

晴れて美濃へ帰還できたことや、足利義昭への理解が深まったことが重なり、結果として朝倉・織田という諸大名を味方に付けての上洛を手助けすることになった光秀。

美濃を追い出されてから11年、ここに来てようやく、その地位がまた大きく変わっていきそうな気配がしてきましたね。

最後に今回のまとめをしておきましょう。

織田信長の美濃平定により、美濃へ帰れることになった光秀。10年、20年明智壮を守っていくと言った藤田伝吾の約束が果たされた。

美濃を平定し、次なる一手に迷う信長に、光秀が説いたのは幕府の再興。平らかな世を実現し、天下統一へ?

将軍になればその権力をもって、今まで手の届かなかった人々も救うことができると考えた足利義昭。その姿勢を見直した光秀は朝倉義景に上洛を進言。

さて、諸大名を味方に付け、上洛も間近に控えた足利義昭ですが、そうこうしているうちに、京では三好家の擁立する足利義栄あしかがよしひでが第14代将軍に就任。

暗雲立ち込める次回、義昭らはどう動いていくのでしょうか…?

 

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