『麒麟がくる』第十一回「将軍の涙」は、
またしても明智光秀が忙しく動き、そして将軍が泣いた。
戦国時代ドラマらしく戦いを前にしたうねりを感じる今エピソードについて、見たまま感じたままをお伝えしたい。
麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
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そういやぁ、明智光秀(十兵衛)は主人公だった
連ドラと違い、長く主人公の人生を追う大河ドラマは、緩急混ざったシリーズ構成で、
時に激しく、時にまったりとストーリーが進む。
しかし、筆者は今回気づいた。
光秀って、いつのまにか成長している・・・!?
ドラマの中でも、そして我々視聴者の心情の中でも。
ふと思えば、すっかり我々は光秀を信頼し、「明智光秀=正義」になりつつある。
そうだよ、光秀ってこのドラマの主人公だったんだ!
気が付いたら、光秀は正義の中心
これまでの明智光秀(十兵衛)は、若く便利に使われるだけで、ドラマの中での立ち位置としても、まだ重要人物になりきれていない段階だった。
好奇心にあふれ、フットワークが軽く、誠実で典型的な「いい奴」。
女の子に惚れられて優柔不断な光秀のことを「何やってんだ!」と思ったこともあったよね。
でも、このたび筆者は悟りました。
これまでの10回は視聴者が光秀に親近感以上の思い入れを抱くまでに必要な過程だったのだ、と。
時は下克上アリの戦国時代。
見方を変えれば正義も悪もすぐに入れ替わる混沌とした状況の中で、視聴者の我々はいつのまにか明智光秀だけは信用できる、正義の人だとすっかり思い込むようになっていた、
でしょ?
みんなが光秀を頼ってます
いままでコマネズミのように走り回っていた明智光秀のことを、ドラマの登場人物たちも信頼し、大いに頼り始めた様子である。
→金は出さないが、駿河の今川に苦戦する尾張の織田に対する同盟国としての解決方法を光秀に任せるというか、丸投げする
・織田信長と帰蝶
→今川と織田との和睦のために半ば強引に光秀を頼って将軍・足利義輝を担ぎ出させる
・足利義輝
→武士の棟梁である将軍として有るべき姿を問うた光秀に励まされる
このように、戦国の大物たちが次々と光秀を頼るこの状況。
で、彼も頑張ってその期待に応えているのだ。
光秀はどんどん成長し、進化している。
将軍だって麒麟を待ってる!
「『麒麟が来る道は遠い』という義輝の言葉は、光秀がいたからこそポロリと出たのだと思います。このシーンで大切にしたのは“哀愁”であり、将軍でありながら世の争いを止められない悔しさ。“長谷川光秀さん”ならではの実直さが義輝の心を開かせたのだと思います」(向井理)#麒麟がくる pic.twitter.com/oaPgJm7ZBQ
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) March 29, 2020
ときどき思い出したように「麒麟」の存在がリフレインされる中、光秀はまた1人、自分と理想を同じくする人物に出会った。
それが、将軍義輝だ。
将軍がその名を口にした途端、光秀も反応していたね。
麒麟を待つ人に身分の上下は関係ない
戦災孤児の駒は、明智光秀に理想の世の中とそこへ現われる麒麟について教えた最初の人物だ。
実はそれも彼女の命の恩人である光秀の父親に教えられたことだと、視聴者も気づいただろう。
そして今回将軍・足利義輝さえもが麒麟が訪れる平和な世を望んでいることが判明。
身分の上下に関係なく、麒麟がやって来るような仁のある世の中こそ理想なんだと、光秀はますます確信を高めただろう。
将軍の涙、光秀の涙
日本のトップである征夷大将軍でありながら、有力家臣たちの戦いに巻き込まれて近江に落ち延びるはめになった将軍・足利義輝。
将軍家による親政を目指し、剣豪と呼ばれた骨のある将軍だから、光秀に将軍としての本来の姿を問われ、励まされると同時に口惜しい思いが涙になったのか。
その帰り道で明智光秀まで泣いていたが、その理由は何だろう。
一つは、将軍のつらい立場を思いやったのだとは思う。
しかし、それに加えて「麒麟」のキーワードを将軍と共有することができた光秀の感激があったってことじゃない?
忘れちゃいけない。ドラマは戦国時代の真っただ中なのだ
ドラマはますます複雑になってきている。
みなさん大丈夫ですか。
・近江の足利義輝
・美濃の斎藤道三対斎藤義龍(高政)と土岐頼芸
・尾張の織田信秀、信長
・駿河の今川義元とそこの人質となった竹千代(徳川家康)
武将たちは少しでも自分が有利になろうと、身を守ろうと、さらに豊かになろうと思い思いに動いている。
我々視聴者にとってややこしいのは、それが各地で全部同時進行していることだ。
これぞ「The 戦国」。
昔、筆者がこの時代をなんとなく避けていたのも、それが理由です。
全部が同時進行ってわけわからなくなりそうで。
しかも、それぞれが関係ないかといえば、そうでもない。
全てが巡り巡って影響し合っているのだから、どれも見落とせない。
だから、派手な合戦はなくても刻々と変わる武将間の関係の変化には注目すべきだ。
大河ドラマ視聴者も努力無しにファンにはなれない・・・というよりは、この時代の調略・謀略・根回し・心理戦そして合戦。
これらを逃さず堪能するのが戦国ドラマの醍醐味だろう。
今回の斎藤義龍と土岐賴芸との結びつきなどがいい例である。
もうこの人たちを見たら、イヤな予感しかしない。
ああ、やだやだ。
いやぁ、最初は気の毒だと思っていた斎藤義龍なのに、最近どうも苦手。
彼を含め、土岐賴芸も稲葉一鉄も顔つきが悪くなってませんかぁ?
こんなことがいろんなところで起きてるわけよ、戦国時代は。
麒麟がくる第十一回「将軍の涙」
明智光秀の生きている時代が、戦の絶えない戦国時代だったことを改めて思い知らされたこの第十一回。
次なる戦いの気配も漂い始めてきた。
今回感じたことをまとめると、
① 明智光秀の存在感が増し始めた第十一回だった
② 将軍・足利義輝と光秀の共通キーワードは「麒麟」!
③ 戦国大名たちの動きやうねりに今後も注意が必要だ
それにしても、竹千代っていつ見ても可愛らしくて凜々しいけれど、まだ笑ったところを見たことがない。
たぬきオヤジの家康になる前に、凜々しい竹千代の笑顔が見たいものです。
それは彼が三河に戻る日まで見られないのか・・・。
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