麒麟がくる第三十回「朝倉義景を討て|幕臣光秀が信長軍に参加?

 
ついに坂東玉三郎が演じる正親町おおぎまち天皇が登場した。

さらに久しぶりに帰蝶もスクリーンに復活。

タイトル通り新たな戦の始まる予感の中、『麒麟がくる』第三十回の感想を見たまま感じたままお伝えしよう。

 

麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
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ハテナだらけの光秀出陣

かつて信長の父親がそうしたように、ボロボロだった御所の塀や門は信長によって美しく復元された。

そのおかげもあって信長は天皇拝謁が可能となり、正親町天皇からの勅命を受ける形で、堂々と越前の朝倉義景あさくらよしかげを攻めることになった。

その出陣には、明智光秀(十兵衛)も加わっていたのだが・・・。

でもそれって変だと思わなかった? 

光秀は信長の家臣じゃない。

じゃ、どうして幕臣の光秀が信長と一緒に出陣するの? と。

わからないよ、光秀

光秀よ。

なんで将軍に仕えるあなたが朝倉討伐の信長軍に加わるのだ?

だって、

・将軍、幕府の政所の頭人である摂津晴門せっつはるかど、そして将軍奉公衆の先輩である三淵藤英みぶちふじひでが「朝倉攻め」に関わらないと言っている

・明智光秀も越前では朝倉義景に世話になったという恩がある

・ドラマの光秀は、将軍に仕える奉公衆であって、信長の家臣ではない

・そもそも光秀は将軍・足利義昭の平和主義的考え方に共感してたはず

でしょ?

三淵藤英は、自分は戦に関わらないと明言したあとで光秀に「ご武運を」なんて言っている。

幕府内部で意見が分れたまま誰かを出陣させることができるもんなの?

理由が欲しい

光秀一人が信長軍に加わることで、幕府も朝倉攻めに関与したというポーズのつもりなのだろうか?

筆者を含め視聴者は、光秀の行動を理解して共感したい。

だから、もうちょっと彼の心情や行動の理由を丁寧に描いて欲しかった。

そうでないと、どうして光秀が信長軍に加わったかの気持ちを分かち合えない。

摂津晴門や三淵藤英の言葉を難しい顔をして聞いてた光秀は、何を考えていたの?

 

大河ならではの王道の華やかさ

今エピソードではまだ合戦シーンには至らなかったが、戦国大河ドラマの醍醐味の一つ、華やかさを感じる場面があったのは嬉しかった。

帰蝶登場はドラマに花を添える

帰蝶ってば全然年を取らない。

今回彼女の再登場を喜んだ帰蝶ファンも大勢いたはずだ。

衣裳や髪型は、いかにもマンガに出てくるお姫様のよう。

以前にも増して美しい彼女のおかげでスクリーンがファンシーな世界になった。

美濃編で斎藤道三が活躍していた頃の『麒麟がくる』を思い出してしまったなぁ。

それにしても「朝倉を攻めよ」と信長に意見するなど、相変わらずの女性策士ぶりは健在だったね。

信長の目立ち具合

このところすっかり貫禄がついてきた信長も、帰蝶と並んで華やかさを表わすアイコンだ。

主人公の光秀は役柄的に派手な衣裳も着れないし、ここは信長に頑張ってもらおう。

信長のメインカラーが黄色のせいか、衣裳も黄色が多くキンキラしてる。

派手さなら奉公衆・三淵藤英の「ゴールド&グリーン」の衣裳もスゴイが、あれが一張羅なのか衣裳のバリエーションがほとんどないのが残念。

正親町天皇に拝謁するときの信長の衣冠束帯姿はお似合いでした。

それにしても正親町天皇のお姿、ちゃんと見たかったなぁ。

 

今週の荒唐無稽

さあ、見て参りましょう。

もう言わなくてもおわかりだろうが、あげつらってみましょうぞ。

東庵先生がこんなところに!

本来ならば信長は昇殿を認められる身分ではなかったが、破格の扱いで天皇拝謁を許されたのだ。

それでも御簾みすの向こう側の正親町天皇に距離を置いてやっとのご対面だ。

な・の・に。

天皇と差し向かいで囲碁をする東庵先生。

しかも天皇は信長についての相談までしてるじゃん!? 

さすがに筆者も引いた。

うーん、この場面なくてもストーリー展開には差し支えないと思うけど。

駒ちゃんのデートのお相手

「公方様(将軍)がお待ちかね!?」と思わず口にだして光秀が驚いたように、駒ちゃんと将軍の距離の近さにびっくりだ。

そりゃ、大金を寄付すれば、将軍に拝謁することも可能かもしれない。

だが、そもそも駒ちゃんが魔法の薬を作り、それを販売して大金を作る、というのがオトギバナシでしょ?

さらに、

・将軍と駒ちゃんとのホタル狩りお忍びデート

・将軍と駒ちゃんが2人きりの蚊帳の中

・駒ちゃんの手を握る将軍・・・

この展開、誰トクですか

見たくもないものを見せられた気分だ。

演技で勝負! 東庵VS摂津

東庵先生と摂津晴門。

どちらもクセのある演技のキャラクターだということは皆さん、おわかりだろう。

臭い演技、とも言えるかも。

もし、これら演技に勝敗をつけるとするならば、筆者は迷わず摂津の演技に軍配をあげる。

なぜなら、摂津を演じる片岡鶴太郎の演技は、「み・つ・ぶ・ち」や「お伝えくださりま・せー」など、ネチネチした喋り具合がマンガレベルで笑える。

一方、堺正章による東庵の溜めに溜めた喋り方は、聞くのがしんどい。

血液がよっぽどサラサラじゃないと、聞いてるうちにどこかの血管がぶち切れそうになるので要注意。

このイライラをロジカルに語れなくて申し訳ないが、要するに「はよ言え!」ってこと。

 

麒麟がくる第三十回「朝倉義景を討て」

今回、信長は天皇の勅命を受け、ついに越前の朝倉義景討伐へと出陣した。

今後もどんどん話を進めていきましょうね、NHK御中。

今回の感想の簡単なまとめ

① どうして幕臣の明智光秀が信長軍に加わり、朝倉攻めすることになったのかを説明してほしい

② 帰蝶や信長の華やかさに大河ドラマの王道ファンシーを感じた

③ 天皇とサシで囲碁をする医者・東庵と将軍に手を握られる駒ちゃんシーンはさすがに荒唐無稽だ

それにしても、木下藤吉郎(秀吉)がもうねねと結婚していたとは。

筆者は駒ちゃんと藤吉郎が結婚する予感が外れて残念だ。

将来、駒ちゃんが秀吉の側室となる可能性はゼロではないけど、今の駒ちゃんは将軍とのデートに忙しいから・・・ね。

 

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歴史ライター、商業コピーライター 愛媛生まれ大阪育ち。バンコク、ロンドンを経て現在マドリッド在住。日本史オタク。趣味は、日本史の中でまだよく知られていない素敵な人物を発掘すること。路上生活者や移民の観察、空想。よっぱらい師匠の言葉「漫画は文化」を深く信じている。 明石 白(@akashihaku)Twitter https://twitter.com/akashihaku