日本初の女帝 推古天皇と蘇我馬子の関係とは?

 

推古天皇は、実存が確認されている日本初の女性天皇です。

推古天皇の即位には、

有力豪族である蘇我馬子の存在がありました。

今回は、推古天皇と蘇我馬子の関係についてご紹介します。

 

推古天皇と蘇我馬子とはどんな人物?

まず、推古天皇と蘇我馬子について簡単に説明します。

推古天皇

第33代天皇。

実在が確認されている、最古の女性天皇です。

もともとは第30代敏達びたつ天皇の皇后で、

第31代用明天皇、第32代崇峻すしゅん天皇の姉(妹)にあたる人ですが、

その後、天皇に相応しい皇子が不在だったため、中継ぎとして即位しました。

聖徳太子を摂政に任命したことで有名です。

非常に美しく、聡明な女性だったと伝えられています。

蘇我馬子

古墳、飛鳥時代の有力豪族。

50年以上にわたり大臣おおおみを努め

政治の実権を握りました。

自分の娘を皇子たちと結婚させることで、天皇家との繋がりを強くし、

その後に続く、蘇我氏の繁栄を築きます。

二人の血縁関係は?

推古天皇の母方の祖父にあたる蘇我稲目そがのいなめ

蘇我馬子の父親です。

従って、推古天皇と蘇我馬子は姪と叔父の関係になります。

姪と叔父といっても、年の差は3つで

2人は幼馴染のように育ったのではないか、という説もあります。

 

推古天皇即位の経緯

即位の背景

当時、有力豪族の蘇我馬子と物部守屋が勢力争いを繰り広げており、

対立は皇子を巻き込んで皇位争いにまで発展しました。

587年、丁未ていびの乱にて、蘇我氏が勝利し決着がつきます。

その後、蘇我馬子は崇峻天皇を推薦し、即位させますが、

次第に関係が悪くなると、蘇我馬子は崇峻天皇も暗殺してしまいます。

推古天皇即位へ

この頃の推古天皇は、炊屋姫かしきやひめと呼ばれており、

亡くなった敏達天皇の皇后として尊重されていました。

崇峻天皇の殺害後、炊屋姫は、

息子の竹田皇子たけだのみこを天皇に即位させたいと考えていましたが、

竹田皇子は、まだ若く即位することが出来ませんでした。

また、竹田皇子以外の皇子もまだ若く、

皇位に相応しい皇子がいませんでした。

当時は天皇になるために血筋だけではなく、

年齢や経験も重視されていたのです。

そこで、蘇我馬子によって、炊屋姫が候補の皇子が成長するまでの中継ぎとして、

天皇に推薦されたのです。

炊屋姫は女性ですが、身分が高く聡明だったので、

天皇として相応しいと思われたのでした。

593年、こうして炊屋姫は推古天皇として即位します。

 

推古天皇のしたたかな作戦

蘇我馬子は、女性で尚且つ、自分の姪の推古天皇が即位することで

政治の実権を独占できる、という思惑を持っていました。

しかし、推古天皇は蘇我馬子が考えるよりも、

ずっと賢くて、したたかな女性でした。

聖徳太子を摂政に

実は、推古天皇は蘇我氏の政治の独占を快く思っておらず、

「天皇中心の国づくり」をしたいと考えていました。

そこで、甥の聖徳太子を摂政に任命し、政治を委ねます。

摂政とは天皇が女性や子供の場合、天皇に代わって政治を行う位のことです。

摂政となった聖徳太子は蘇我馬子に協力を仰ぎ、

聖徳太子と蘇我馬子の二頭政治がはじまりました。

推古天皇は、聖徳太子を摂政にすることで、

蘇我馬子を牽制したのです。

葛城県(かつらぎけん)をめぐって

622年、聖徳太子が亡くなると、並ぶものがいなくなった

蘇我馬子の権力はますます強くなりました。

ある日、蘇我馬子は推古天皇に、

天皇領だった葛城県(現在の奈良県)を蘇我氏に譲るように言いました。

しかし、推古天皇は毅然とした態度でこれを跳ね除けます。

これは、推古天皇が聖徳太子の死後も、蘇我馬子の言いなりにならず、

天皇として渡り合っていたことを示すエピソードとして知られています。

 

きょうのまとめ

推古天皇と蘇我馬子の関係を紹介しました。

いかがでしたでしょうか。

簡単にまとめると

① 推古天皇と蘇我馬子は姪と叔父の関係である。

② 蘇我馬子に推薦され、天皇に即位した。

③ 聖徳太子を摂政に任命し、蘇我馬子の政治の独占を防いだ。

④ 聖徳太子の亡き後も、天皇として蘇我馬子と渡り合った。

女性初の天皇として有名な推古天皇は、非常に聡明な女性でした。

当時の女帝というのは、日本だけではなく

東アジアでも類を見ないそうです。

推古天皇の存在について、あらためて考えてみるのもいいかもしれません。

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