ライバル?協力者?聖徳太子と蘇我馬子の関係

 

飛鳥時代の二大政治家だった聖徳太子と

蘇我馬子そがのうまこ

聖徳太子が聖人、

蘇我馬子が悪役というイメージが強いですが、

実際の二人の関係はどのようなものだったのでしょうか。

今回は、聖徳太子と蘇我馬子についてご紹介します。

 

そもそも、聖徳太子と蘇我馬子とはどんな人?

初めに、聖徳太子と蘇我馬子が

どのような人物なのか、簡単に説明します。

聖徳太子

本名 厩戸皇子うまやどのおうじ
 
第33代推古天皇時に摂政として政治を行います。

冠位十二階や十七条憲法を制定し、天皇中心の国づくりを目指しました。

また、当時の大国であった隋(現在の中国)に、国交を求めて

国書を送ったことでも有名です。

蘇我馬子

飛鳥時代の有力豪族。

50年以上にわたり、政治に携わり、蘇我氏の繁栄を築きました。

仏教推進派で、日本の仏教伝来を主導します。

 

飛鳥時代の二大政治家!聖徳太子と蘇我馬子の関係とは?

甥と大叔父の親戚関係

蘇我氏は皇族と自分の娘を結婚させ、

当時、天皇の外戚になることで、政治に力を及ぼしていました。

天皇の皇子である聖徳太子と蘇我馬子も親戚関係です。

聖徳太子の母親は、穴穂部間人皇女あなほべのはしひとのひめみこという方で

彼女の母方の祖父にあたるのが、蘇我稲目そがのいなめです。

蘇我稲目は馬子の父親なので、

聖徳太子と蘇我馬子は甥と大叔父の関係になります。

さらに、聖徳太子は蘇我馬子の娘を妃に迎えているので、

婿としゅうとの関係でもありました。

当時は、同母兄弟の結婚は禁じられていましたが、

それ以外の血縁結婚は許されており、

むしろ、権力を維持するために積極的に行われていたので、このような関係は普通のことでした。

仏教推進派として、共に戦う

日本では古来より神道の神々をあがめていましたが、

当時、大陸から伝来された仏教をどのように扱うかで、争いが起きていました。

蘇我氏は、仏教を積極的に推進する立場を取っており、

蘇我氏のライバルである物部氏もののべしは、

神道を重視し、仏教を排す立場を取っていました。

587年、蘇我氏vs物部氏の戦いである丁未ていびの変が起きます。

この変で、蘇我氏が勝利し物部氏は滅亡することになります。

聖徳太子は蘇我氏側として、参加しました。

まだ年若かった為、実戦で活躍することはありませんでしたが、

戦勝祈願の為、木彫りの四天王像を造り、

その後、戦勝のお礼として「四天王寺」を建立したといわれています。

聖徳太子と蘇我馬子の二頭政治

593年、女性初の天皇である推古天皇が即位します。

推古天皇は、甥の聖徳太子を摂政に任命し、政治を任せました。

ここから、皇子の聖徳太子と有力豪族の蘇我馬子の二頭政治が始まります。

聖徳太子は蘇我馬子の協力を仰ぎ、豪族同士の不和を解消し、

天皇中心の国づくりをする為に、十七条の憲法冠位十二階を制定しました。

また、聖徳太子も蘇我馬子も、仏教の推進派だった為、

法隆寺などの大きな寺院を建立し仏教の普及に努めました。

聖徳太子の死後

蘇我馬子は、政治的な立場から聖徳太子に協調しましたが、

実は、聖徳太子の天皇中心の国づくりを良く思っていませんでした。

聖徳太子の死後、蘇我氏の権力を拡大させ権勢を振るうことになります。

ついに、孫の蘇我入鹿そがのいるか

聖徳太子の息子である山背大兄王やましろおおえのおうを討つと、

蘇我氏の勢いはますます強くなり、

天皇を凌ぐようになっていました。

その後中大兄皇子が蘇我入鹿を殺害する、

乙巳の変まで、蘇我氏の権勢は、続くことになります。

 

きょうのまとめ

聖徳太子と蘇我馬子の関係を紹介しました。

いかがでしたでしょうか。

簡単にまとめると

① 聖徳太子と蘇我馬子は親戚同士である

② 二人は仏教推進派として排仏派の物部氏と戦い、勝利した。

③ 聖徳太子と蘇我馬子は協力しあって政治を行った。

④ 聖徳太子が亡くなると、蘇我馬子は権勢を振るった。

聖徳太子は聖人で、馬子は悪人という単純な図式ではなく、

皇族と豪族の微妙なパワーバランスがありました。

二人の関係を見ると、中大兄皇子と中臣鎌足の乙巳の変や

その後の大化の改新の背景について、理解することが出来ますね。

 

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