最澄が開いた天台宗|宗派の概要と歴史について簡単に説明

 

天台宗といえば、平安時代に最澄が開いた宗派です。

が、それ以上の説明ができる人は、なかなかいないのではないでしょうか。

そこで今回は天台宗の概要と歴史について、簡単に説明していきます。

 

天台宗とは?

最澄さいちょう

最澄像(国宝)、平安時代(11世紀)、一乗寺蔵

天台宗を開いたのは最澄?

いえいえ、そうではないのです。

中国の天台宗

天台宗はもともと、ずい(現在の中国)の智顗ちぎという僧が大成した宗派。

天台法華宗とも呼ばれます。

法華経ほけきょう(正式には『妙法蓮華経』という、大乗仏教の重要な経典のこと。)』を根本経典とする、大乗仏教だいじょうぶっきょう(個人の救済を目的とする仏教(=小乗仏教)に対し、衆生の救済を目的とする仏教のこと。)の一派です。

天台宗の伝来

天台宗は奈良時代、唐の僧・鑑真が初めて日本に伝えたといわれています。

しかし、この時は定着しませんでした。

平安時代に入ると、最澄が唐へ留学します。

天台山で、行満ぎょうまん道邃どうずいという僧に教えを受け、

帰国後、最澄は比叡山で開宗しました。

日本の天台宗は中国の天台宗と違うものに

日本で広まった天台宗は、中国の天台宗とはまた違ったものとなっています。

最澄は唐で、中国天台宗のほかにも禅・密教・菩薩戒を学んでいました。

そこで日本の天台宗は、

  1. 円:天台の教義
  2. 密:密教
  3. 禅:達磨系の禅
  4. 戒:円頓菩薩戒

の4つをどれも大切にするという教えになったのです。

これを四宗融合四宗相承ししゅうそうじょうなどと呼びます。

とはいえ最澄の死後、日本の天台宗は密教化を強めていきました。

天台宗にも色々な宗派が存在

さらに、日本の天台宗にも色々な宗派があります。

例えば、

  • 天台宗(山門派):比叡山延暦寺・寛永寺(東京・上野)・輪王寺(栃木県日光市)など
  • 天台寺門宗:園城寺(滋賀県大津市)
  • 天台真盛宗:西教寺(滋賀県大津市)
  • 和宗:四天王寺(大阪府大阪市)
  • 聖観音宗:浅草寺(東京・浅草)

などです。

寛永寺輪王寺、そして本山の比叡山延暦寺を併せて「天台三山」と呼びますよ。

 

きょうのまとめ

今回は、最澄が開いた天台宗の概要と歴史について、簡単に説明しました。

① 現在の中国で誕生した天台宗は、『法華経』を根本経典とする大乗仏教の一派である

② 最澄が唐から持ち帰ったが、その教えは中国の天台宗の教え+αとなった

③ 日本の天台宗にも様々な宗派がある

こちらのサイトでは他にも、最澄にまつわる記事をわかりやすく書いています。

より理解を深めたい方は、ぜひお読みになってくださいね。

 
目次に戻る ▶▶
 

合わせて読みたい
最澄の年表を含む【完全版まとめ】はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「最澄とはどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】」

 

その他の人物はこちら

平安時代に活躍した歴史上の人物

関連記事 >>>> 「【平安時代】に活躍したその他の歴史上の人物はこちらをどうぞ。」

時代別 歴史上の人物

関連記事 >>>> 「【時代別】歴史上の人物はこちらをどうぞ。」

 










合わせて読みたい記事



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

5 × 4 =