紀貫之が書いた『古今和歌集仮名序』とは?内容も簡単に説明

 

紀貫之きのつらゆきによって書かれた古今和歌集仮名序こきんわかしゅうかなじょは、後世の日本文学に大きな影響を与えたと言われています。

そもそも『古今和歌集仮名序』とは何なのでしょうか。

そして、そんなに素晴らしいことが書いてあるのでしょうか。

 

『古今和歌集仮名序』とは?

紀貫之、きのつらゆき

紀貫之
出典:Wikipedia

日本初の勅撰和歌集として有名な『古今和歌集』

『古今和歌集』には、二つの序文(=前書き)が添えられています。

一つは真名序まなじょ、そしてもう一つが今回取り上げる『仮名序かなじょ』です。

 

真名とは漢字、それに対して仮名はひらがなのことを指します。

当時の公式文書は漢字で書かれていたので、正式な文字という意味で漢字を「真名」と言ったのです。

他方でひらがなは非公式な文字だったことから、「仮名」と呼ばれました。

 

ということなので『仮名序』はひらがなで書かれています。

これを書いたのは冒頭で述べましたが、『古今和歌集』の撰者を務めた紀貫之でした。

なお、漢文で記された『真名序』は、紀淑望きのよしもちというまた別の人が書いています。

 

さて、それでは『古今和歌集仮名序』には何が書かれているのでしょうか。

ダイジェスト版で説明していきます。

 

紀貫之は何を書いたの?

まずは、冒頭をお読みください。

やまとうたは人の心を種としてよろづの言の葉とぞなれりける

(引用:百科事典マイペディア「古今和歌集仮名序」)

【現代語訳】和歌は(本来)人の心をもととして、様々な言葉になったものである。

 

書き出しからわかる通り、和歌とは本来どういうものなのか、その本質を述べています。

紀貫之は『仮名序』の中で、初めて本格的に和歌について論じていたのです。

 

他にも『仮名序』には、

  • 和歌の効用
  • 和歌の歴史
  • 和歌には6種類あること
  • 柿本人麻呂と山部赤人について
  • 六歌仙の批評
  • 『古今和歌集』編纂の経緯

などが書かれており、最後は和歌の将来像で締めくくられています。

このような内容が記された『古今和歌集仮名序』は、歌学(=和歌についての学問)の出発点となりました。

 

『古今和歌集仮名序』は短く、比較的やさしい言葉で書かれています。

ネットでも検索すればすぐに原文が出てきますので、一度読んでみてくださいね。

 

きょうのまとめ

今回は紀貫之が記した『古今和歌集仮名序』について、簡単に紹介しました。

① 仮名序は『古今和歌集』の序文の一つである

② 紀貫之は『古今和歌集仮名序』で初めて本格的に和歌について論じた

③ 『古今和歌集仮名序』は歌学の出発点となった

こちらのサイトでは他にも、紀貫之にまつわる記事をわかりやすく書いています。

より理解を深めたい方は、ぜひお読みになってください。

紀貫之に関する【完全版まとめ】記事はこちらをどうぞ。
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