紀貫之によって書かれた『古今和歌集仮名序』は、後世の日本文学に大きな影響を与えたと言われています。
そもそも『古今和歌集仮名序』とは何なのでしょうか。
そして、そんなに素晴らしいことが書いてあるのでしょうか。
『古今和歌集仮名序』とは?
日本初の勅撰和歌集として有名な『古今和歌集』。
『古今和歌集』には、二つの序文(=前書き)が添えられています。
一つは『真名序』、そしてもう一つが今回取り上げる『仮名序』です。
真名とは漢字、それに対して仮名はひらがなのことを指します。
当時の公式文書は漢字で書かれていたので、正式な文字という意味で漢字を「真名」と言ったのです。
他方でひらがなは非公式な文字だったことから、「仮名」と呼ばれました。
ということなので『仮名序』はひらがなで書かれています。
これを書いたのは冒頭で述べましたが、『古今和歌集』の撰者を務めた紀貫之でした。
なお、漢文で記された『真名序』は、紀淑望というまた別の人が書いています。
さて、それでは『古今和歌集仮名序』には何が書かれているのでしょうか。
ダイジェスト版で説明していきます。
紀貫之は何を書いたの?
まずは、冒頭をお読みください。
やまとうたは人の心を種としてよろづの言の葉とぞなれりける
(引用:百科事典マイペディア「古今和歌集仮名序」)
【現代語訳】和歌は(本来)人の心をもととして、様々な言葉になったものである。
書き出しからわかる通り、和歌とは本来どういうものなのか、その本質を述べています。
紀貫之は『仮名序』の中で、初めて本格的に和歌について論じていたのです。
他にも『仮名序』には、
- 和歌の効用
- 和歌の歴史
- 和歌には6種類あること
- 柿本人麻呂と山部赤人について
- 六歌仙の批評
- 『古今和歌集』編纂の経緯
などが書かれており、最後は和歌の将来像で締めくくられています。
このような内容が記された『古今和歌集仮名序』は、歌学(=和歌についての学問)の出発点となりました。
『古今和歌集仮名序』は短く、比較的やさしい言葉で書かれています。
ネットでも検索すればすぐに原文が出てきますので、一度読んでみてくださいね。
きょうのまとめ
今回は紀貫之が記した『古今和歌集仮名序』について、簡単に紹介しました。
① 仮名序は『古今和歌集』の序文の一つである
② 紀貫之は『古今和歌集仮名序』で初めて本格的に和歌について論じた
③ 『古今和歌集仮名序』は歌学の出発点となった
こちらのサイトでは他にも、紀貫之にまつわる記事をわかりやすく書いています。
より理解を深めたい方は、ぜひお読みになってください。
紀貫之に関する【完全版まとめ】記事はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「紀貫之とはどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】」
その他の人物はこちら
平安時代に活躍した歴史上の人物
関連記事 >>>> 「【平安時代】に活躍したその他の歴史上の人物はこちらをどうぞ。」
時代別 歴史上の人物
関連記事 >>>> 「【時代別】歴史上の人物はこちらをどうぞ。」
コメントを残す