太宰治の名作5選!『人間失格』のような暗い作品ばかりじゃない?

 

明治~昭和初期にかけて生きた文豪・太宰治だざいおさむが亡くなってから早70年以上。

今尚根強いファンがいるのはもちろん、小説をあまり読まなくても

「一度は目を通して置こうかな…」

と思う人が多いことを見ると、やはり彼は時代を代表する作家といっていいでしょう。

ただ目を通すといっても、大量に作品が残されているため、何から読んでいいのかわからない人もたくさんいるはずです。

そこで今回はこれから太宰治の作品に触れてみたいという人に向けて、オススメの名作を5つ厳選。

それぞれの見どころを紹介します!

多くの人を魅了し続けてきた、太宰ワールドの入り口として役立てていただければ幸いです。

 

太宰治の年表を含む【完全版まとめ】記事はこちらをどうぞ。
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太宰治の名作5選

太宰治

太宰治
出典:Wikipedia

人間失格

2009年に太宰治の生誕100年を記念して、映画化・アニメ化もされて話題になった、言わずと知れた代表作。

主人公・葉蔵ようぞうのモデルは太宰本人で、彼の起こした自殺未遂薬物中毒を元にしたと思われるエピソードも登場するなど、物語を通して「太宰治もきっとこんな人だったんだろうな…」と想像することができます。

幼いころから常に人を疑って生きてきた葉蔵…それが家族であっても信じることができなかった彼は、いったいどんな人生を辿っていくのか?

主人公の人間的な弱さに、不思議と引き込まれていく名作です。

斜陽

1947年、太宰が自殺する前年に発表された『斜陽』は彼の初のベストセラー作品でした。

ヒットをきっかけに国語辞典の「斜陽」という言葉に「没落」という意味が追加されるほど、社会問題を巻き起こした作品でもありますね。

物語のあらすじは戦後、元貴族の一家が崩壊していく様子を描いたもの。

これには太宰の生家である津島家が地元の大地主であったことも影響しているといいます。

太宰はあるときから実家との縁を切られているので、その没落を描いたのは「自分だけ除け者にされた」という負い目の部分もあるのかもしれません。

また主人公のかず子のモデルは太宰の晩年の愛人のひとり、太田静子です。

彼女は太宰との間に娘を設けながらも結婚はままならず、シングルマザーの道を選んだように、作品のなかのかず子も最後はシングルマザーとして生きていく道を選びます。

その他の要素にしても母親の死や、酒と薬に溺れる弟など、一家族がこれでもかと崩壊していく様子が描かれる…かなりハードな作品ですが、これぞ太宰節といったところ。

小説をよく読む人など、上級者向けの一作といえるでしょう。

走れメロス

国語の教科書にも載っている有名な作品ですね。主人公のメロスは正義感剥き出しの男。

人を信じられず、市民を初め自分の身内さえも処刑してしまう王へ抗議をしようとしたところ、メロス自身が処刑されることになってしまうところから物語は始まります。

そこからせめて妹の結婚式を見届けてからと、友人のセリヌンティウスを身代わりに3日間の猶予をもらったメロス。

その期限を守り、自分が処刑されに戻ってくることで王に人を信じることを教えようと走る…というのがだいたいのあらすじです。

小学校時代に誰もが触れる作品ですが、短編ですぐ読めるので、今になって読み返してみるのもオススメ。

大人になるとまた違った感覚で読むことができます。

特に道すがら何度も襲い掛かる災難を乗り越えていく場面は、諦めないことの大切さを教えてくれる名シーンですね。

女生徒

1939年に発表されたもので、小説家の川端康成も高く評価した作品です。

川端氏は35年に太宰が芥川賞候補になった際、審査員のひとりとして受賞に異議を唱えた人物。

つまり女生徒はその汚名を返上させた作品なのです。

興味深いのはその題材で、なんと太宰のファンである19歳の少女から送られた日記を元にしているとのこと。

そのせいもあってか、終始ひとり言のように年ごろの少女が考えていそうな内容が繰り返される、エッセイ的な作風です。

物語を求めている人には少し読みにくい感じがしますが、本心ではないのに世間体を気にして良い子を演じている自分への嫌悪感、母親の弱さを受け入れられるようになった少女の成長など、ところどころハッとさせられる描写があります。

いつもの太宰と少し違った側面が見られるという点では、ファンとして押さえておきたい一作ですね。

津軽

1944年に発表されたこの作品は、太宰が出版社の依頼で書くことになった紀行文(旅行の行程をたどるように、体験した内容を記した文)で、これまたほかの作品とは一線を画すものです。

何を隠そう主人公太宰自身

彼は青森の津軽にて生まれ育ったものの、東京に出てからというもの、自身の津軽人らしさを見失っていました。

そんな太宰が3週間、津軽半島のあらゆる土地を巡る旅を通して、津軽人のなんたるかを見出していく、そんなあらすじです。

どちらかといえば暗い作品の多い太宰ですが、この作品には昔懐かしい友人との飲み交わし、幼い頃に自分を育ててくれた使用人のタケとの再会など、心温まる描写が多く、ホッと癒されるような内容になっています。

ただなかにはフィクションと取れるような表現も含まれているため、あくまで小説なのでは?と考えている研究者も多いです。

聖地巡礼などといって、作品内で太宰が訪れた土地に出向くファンもいるようですね。

太宰の生きた面影を感じられる点では、やはり特別な作品といえます。

 

きょうのまとめ

太宰治というと『人間失格』『斜陽』のようなどこか陰鬱とした作風がトレードマークではありますが、紹介したように、そのほかにも多様な切り口の作品があります。

そのバリエーションを見てみても、彼が天才であったことはやはり疑いようがないな…と感じさせられますね。

最後に今回のまとめをしておきます。

① これぞ太宰治!を体感したいなら『人間失格』『斜陽』がオススメ

② 変わり種なら『女生徒』もおもしろい。ただ物語を求める人には向かないかも?

③ 明るい作風が好みなら『津軽』が〇。太宰の故郷の足跡も辿れる

なんだか難しくて手が出せなかったという人も、自分のフィーリングに合う作品からぜひ、目を通してみてください。

 

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