小野小町の残した和歌には、恋をうたったものが多くみられます。
実際に、小野小町はどんな恋をしていたのでしょうか。
今回は小町の恋の和歌とともに、彼女の恋愛について見ていきましょう。
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恋をうたった小野小町の和歌
まずは小野小町が恋について詠んだ和歌を、
いくつか(私なりの)現代語訳とともに紹介していきます。
秋の夜も・・・
【現代語訳】秋の夜長なんて名ばかりね 愛しい人と会っていると、あっけなく明けてしまうわ
恋する女性の気持ちをストレートに表現しています。
きっと小町は、素敵な恋をたくさんしてきたのでしょう。
見るめなき・・・
(引用:『小野小町 コレクション日本歌人選003』大塚英子/笠間書院)
【現代語訳】私はもう誰にも逢うつもりがないのに、あなたは飽きることなく足が疲れても通って来るのですね
この歌は悲観的であると同時に、小野小町がとても傲慢な女性にも思えます。
絶世の美女と伝わる小町ですから、彼女に冷たくあしらわれても通い詰める男性がいたのでしょう。
秋風に・・・
(引用:『小野小町 コレクション日本歌人選003』大塚英子/笠間書院)
【現代語訳】秋風に吹かれる稲は本当に悲しいもの あの人に飽きられてむなしくなったことを思えば
おやおや、今度は想っている男性が逢いに来てくれなくなったようです。
小野小町でも、こんなこともあるのですね。
人に逢は・・・
(引用:『小野小町 コレクション日本歌人選003』大塚英子/笠間書院)
【現代語訳】恋人が来てくれない夜は闇夜と同じ 思いの火が燃え盛り、心が焼けるようです
またしても、恋人が来てくれないようです。
小町さん、どうしたのでしょうか。
小野小町の恋愛事情とは
先ほども書きましたが、小野小町は絶世の美女と伝わっています。
そんな彼女は、実際にどんな恋愛をしてきたのでしょう。
和歌を見たところ、悲しい恋もしているようですが……。
在原業平と恋してた?
さて、平安時代のプレイボーイ・在原業平をご存じでしょうか。
彼が生涯で愛した女性は、3733人もいたといいます。
ですが、在原業平はただのプレイボーイだったわけではありません。
六歌仙(※1)にも選ばれるほどの歌の名人でした。
そして同じく六歌仙だった小野小町と恋仲だったのではないか、と伝えられています。
※1 平安時代初期の和歌の名人6人。在原業平・小野小町・文屋康秀・大伴黒主・僧正遍昭・喜撰法師のこと。
文屋康秀に誘われる
同じく六歌仙の文屋康秀も、小野小町と噂になった男性の一人。
康秀は三河掾として赴任する際、小町に田舎見物に行かないかと誘ったことで知られています。
その誘いに対し、小町が答えた歌がこちらです。
(引用:『小野小町 コレクション日本歌人選003』大塚英子/笠間書院)
【現代語訳】人生が嫌になったので、誘ってくだされば行こうと思います
自身を水に漂う浮草にたとえた歌です。
これを素直に受け止めると、小野小町は文屋康秀についていったと思いますよね。
ですが実際には、三河には行かなかったと言われています。
小野小町は生涯独身だった?
繰り返しますが、小野小町は絶世の美女。
とは言われていますが、生涯独身だったのではないかとも言われています。
とにかく素性のわからない小野小町ですが、仁明天皇の更衣(※2)だったという説があります。
※2 位の低い妃のこと。本来は衣替えを行う役目でした。
それゆえ、他の男性たちをすべて断っていたのでしょうか。
想像の域を出ませんが、小野小町にはどこか心の闇を感じてしまいます。
きょうのまとめ
今回は小野小町の恋の歌と、本人の恋愛について簡単に紹介しました。
小野小町は、
② 在原業平や文屋康秀らと恋仲だったという噂がある
③ 小野小町は生涯独身だったと言われている
こちらのサイトには他にも、小野小町についてわかりやすい記事を載せています。
より理解を深めたい方は、ぜひお読みになってください。
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(引用:『小野小町 コレクション日本歌人選003』大塚英子/笠間書院)