蘇我馬子といえば、天皇を凌ぐ権力を持ち政治を専横したとして、
あまり良いイメージがありません。
実際に蘇我馬子とはどんな人物で、どんな政治を行ったのでしょうか。
今回は蘇我馬子について説明します。
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蘇我馬子はどんな人?
- 出身地:飛鳥(現在の奈良県)
- 生年月日:550年頃(詳細不明)
- 死亡年月日:626年6月19日
- 飛鳥時代の有力豪族。4代の天皇に仕え50年以上にわたって大臣を務め、その後に続く、蘇我家の繁栄を築いた。
蘇我馬子 年表
西暦(年齢)
5??年(1歳)蘇我稲目の息子として生まれる。
572年(?歳)大臣になる。
584年(?歳)仏法に帰依する。
587年(?歳)穴穂部皇子を討つ。
587年(?歳)丁未の乱(ていびのらん)にて、物部氏を破る。
587年(?歳)馬子の推薦により崇峻天皇が即位する。
592年(?歳)崇峻天皇を殺害する。
593年(?歳)馬子の推薦により推古天皇が即位する、
626年(?歳)死去。
蘇我馬子の出生
蘇我馬子は蘇我稲目の息子として生まれました。
正確な生年月日は分かっていませんが、おそらく西暦550年前後だといわれています。
蘇我馬子は武術や学問に優れ、若い頃から頭角を現したそうです。
蘇我馬子の政治
天皇でも容赦しない!政敵は討ちまくる!
蘇我馬子といえば、天皇を凌ぐ権力を持ち、政治を専横する非道な政治家のイメージありますが、
実際にかなり過激なことを行いました。
蘇我馬子は政敵の穴穂部皇子や物部守屋を討つと、崇峻天皇を推薦し皇位に就けます。
しかし崇峻天皇が、政治の実権を蘇我馬子に握られていることに
不満を持つようになり関係が悪化すると、崇峻天皇のことも殺害してしまいます。
このように、「政敵とみなしたものは誰であろうと容赦しない。」
というのが蘇我馬子のやり方でした。
聖徳太子との二頭政治
崇峻天皇を殺害後、
蘇我馬子は推古天皇を推薦し、天皇に即位させました。
その後、馬子は推古天皇が摂政に任命した聖徳太子と協力して
「天皇中心の国づくり」を目指して政治を行います。
蘇我馬子の協力がなければ、
・冠位十二階
を制定することは出来なかったと言えるでしょう。
しかし、蘇我馬子は「天皇中心の国づくり」に心から賛同していたわけではありませんでした。
聖徳太子が亡くなると、蘇我馬子は政治の実権を独占するようになります。
そして、蘇我氏の権力は子孫に引き継がれることになりました。
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仏教の普及
蘇我馬子の実績といえば、
「仏教の普及」があげられます。
仏教は、先代の蘇我稲目の時代に大陸からもたらされました。
蘇我氏は
・古来の日本の神を司る物部氏に、仏教の力で対抗したいという思惑
という理由で、仏教を推進する立場を取ります。
ここから、崇仏派の蘇我氏と廃仏派の物部氏の争いがはじまります。
争いは、蘇我馬子と物部守屋に引き継がれ、587年の丁未の乱にて、蘇我馬子が物部守屋を討ち、決着をつけました。
その後は馬子は同じく崇仏派だった聖徳太子と協力して、飛鳥寺を初めとする大きな寺院を建立し、仏教の普及に努めました。
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蘇我馬子のエピソード
ここでは、蘇我馬子のエピソードを2つご紹介いたします。
天皇の葬儀中に悪口大会
壮絶な権力争いを繰り広げた蘇我馬子と物部守屋ですが、
仲が、いかに険悪だったかを示すエピソードが残っています。
敏達天皇の葬儀中に、物部守屋が、小柄な蘇我馬子が長い刀を指している姿を
と嘲笑すると、
今度は、馬子が、弔辞を読む際に緊張で震えが止まらない守屋に、
とやりかえしました。
天皇の葬儀中に、堂々と、権力者同士がこのような発言をするとは、
いかに、2人の関係が緊迫していたかがわかりますね。
実際に2年後の丁未の乱で、蘇我馬子は物部守屋を討つことになります。
嶋大臣(しまのおおおみ)
蘇我馬子は飛鳥川のほとりに邸宅を構えていました。
庭には池があり、池には人工の小島が築かれていました。
そんな邸宅にちなんで、蘇我馬子は「嶋大臣」と呼ばれていました。
当時は、庭は広場として実用目的に使用されていました。
庭に池や小島をつくり、観賞用の「庭園」としたことは非常に珍しいことだったそうです。
きょうのまとめ
最後までお読み頂きありがとうございました。
蘇我馬子とは?
① 550年前後に蘇我稲目の息子として生まれる
② 誰であろうと政敵は、容赦なく殺害した。
③ 「天皇中心の国づくり」を進める聖徳太子に協力した。
④ 排仏派の物部守屋を討ち、仏教の普及に努めた。
⑤ 庭の池に島を築いたことから、「嶋大臣」と呼ばれた。
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