日本人なら、一度は名前を聞いたことがある
中大兄皇子ですが、
大化の改新以外の人生については、意外と知られていないかもしれません。
一体、どんな人物だったのでしょうか。
今回は中大兄皇子の生涯について説明します。
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中大兄皇子はどんな人?
- 出身地: 飛鳥(現在の奈良県高市郡)
- 生年月日: 626年
- 死亡年月日: 672年1月7日(享年46才)
- 後の第38代天智天皇。天皇を中心とした国づくりを目指す。
中大兄皇子 年表
西暦(年齢)
626年(1歳)飛鳥にて誕生
645年(19歳)乙巳の変にて、蘇我入鹿を殺害
646年(20歳)改新の詔発布
663年(37歳)白村江の戦いに参戦し、敗北
667年(41歳)近江大津宮に遷都
668年(42歳)天皇に即位
672年(45歳)崩御
中大兄皇子の生涯
出生から大化の改新
中大兄皇子は、第34代舒明天皇の皇子として誕生します。
中大兄皇子が育った時代は、豪族である蘇我氏が権力を握り、
天皇を凌ぐようになっていました。
645年、19歳の時に中臣鎌足と「乙巳の変」を決行し、
大臣である蘇我入鹿を殺害しました。
翌日、蘇我入鹿の父親である蘇我蝦夷も自害に追い込み、
蘇我氏の勢力を一掃することに成功します。
その後、政治の中心となり
天皇中心の国づくりを目指して、政治改革を行いました。
この政治改革を「大化の改新」と呼びます。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
関連記事 >>>> 「中大兄皇子が行った大化の改新って、一体どんな出来事?」
手段を選ばない!中大兄皇子の大粛清
中大兄皇子は乙巳の変の後、次々に政敵を粛清しました。
・乙巳の変の仲間だった蘇我倉山田石川麻呂を謀反の疑いで自害に
・孝徳天皇の息子である有間皇子を謀反の疑いで処刑
孝徳天皇は、乙巳の変の後に天皇に即位した人で、中大兄皇子の叔父にあたり、中大兄皇子との政治的な見解の違いから冷遇された晩年を送りました。
孝徳天皇の死後、有間皇子は疑いをかけられないように、
精神の病を装っていたにもかかわらず、処刑されたのでした。
いずれの場合も、実際に謀反があったのか不明で中大兄皇子の陰謀だと言われています。
白村江の戦いの敗北
白村江の戦いとは、朝鮮半島で起きた
唐、高句麗の連合軍
vs
百済
の戦いです。
中大兄皇子は、日本との繋がりが強い百済からの要請を受け
援軍を出しますが、百済は大敗します。
この敗北以降、日本は唐の脅威にさらされることになりました。
中大兄皇子は国防に力を入れ、
九州地方に防人と呼ばれる兵士を配置します。
また、防衛に優れた地理の近江(現在の滋賀県)に
都を遷しました。
天皇即位と後継者問題
668年 中大兄皇子は天智天皇として即位します。
皇太弟に弟の大海人皇子を指名します。
しかし、天智天皇(中大兄皇子)は息子である大友皇子に
天皇の座を譲りたいと考えていました。
次第に、天智天皇(中大兄皇子)と大海人皇子の間に緊張がはしるようになります。
命の危機を感じた大海人皇子は、
皇太弟を辞退し、出家して吉野に逃れます。
671年、大海人皇子の辞退をうけ、大友皇子が皇太子になった後に、
天智天皇(中大兄皇子)は崩御します。
関連記事 >>>> 「中大兄皇子の家系図や家族関係についてご紹介します。」
壬申の乱
出家して吉野に逃れた大海人皇子ですが、
天智天皇(中大兄皇子)の崩御を聞くと、兵を挙げ大友皇子を自害に追い込みます。
そして、天武天皇として即位しました。
これを「壬申の乱」といいます。
中大兄皇子にまつわるエピソード
中大兄皇子の意味
中大兄皇子の本名は葛城皇子といいます。
中大兄皇子は称号です。
中は「2番目の」
大兄は「同じ母親の中の長男、皇位継承者」
という意味で、あわせると2番目の皇位継承者という意味になります。
これは「乙巳の変」以前の、彼の皇位継承順位を表しています。
水時計
中大兄皇子は、近江宮に水時計を設置し、
時が来ると鐘を鳴らさせ、民に時間を知らせました。
日本書紀に、6月10日に設置したと書かれています。
それにちなみ、6月10日は「時の日」に制定されました。
きょうのまとめ
最後までお読み頂きありがとうございました。
中大兄皇子についていかがでしたでしょうか。
簡単にまとめます。
① 育った時代は蘇我氏が権力を持っていた
② 蘇我入鹿を殺害(乙巳の変)
③ 天皇中心の国造りを目指した改革実行(大化の改新)
④ 政敵を次々と粛清
⑤ 白村江の戦いに敗北。国防を強化、防人を設置
目的の為には手段を選ばず、時には残虐な行為も行い、改革を進めた人物といえるでしょう。
あらためて、中大兄皇子が日本の歴史に与えた影響の大きさを感じました。
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