みなさんは斎藤道三の娘、濃姫にどのような印象をお持ちでしょうか?
斎藤道三というとマムシという異名を持つような策士でした。
その娘ですから「一癖も二癖もある女性」だったようです。
今回は、この女性について簡単にご紹介していきたいと思います。
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濃姫 4つの謎
濃姫 様々な呼ばれかたと本名について
歴史が好きな方は、耳にしたことがあると思いますが、
一般的に「濃姫」として知られています。
しかし意外にも濃姫というのは、本名ではないようです。
というのは、その当時の女性は出身地などをもとに通称で呼ばれていました。
この濃姫というのは、美濃(現在の岐阜県)から織田信長のもとに嫁いできましたので、
その出身地からとられて濃姫という通称で呼ばれていたようです。
その他にも、斎藤道三のお城である鷺山城にちなんで
「鷺山殿」と呼ばれていたという説もあります。
実際の名前は、「帰蝶」であったという説が有力のようです。
実は、この時代の文献には、あまり女性は登場しません。
そのような文献は、その時代の歴史を語るうえで重要な城主、
または大切な跡取りや手柄を上げた武将などを中心に書き記されたようです。
しかし、意外なことに織田信長の場合、
「妻や娘が嫁いだ日付や名前などの記録がしっかりと残っている」
そうです。
信長は、当時としては時代を先取りしたような考え方を持っていましたので、
もしかすると女性に対して、平衡の取れた考え方を持っていたのかもしれませんね。
安土殿は濃姫?
信長が、本能寺の変で亡くなった後に書かれた「織田信雄分限帖」という文献によると、
ある女性が「安土殿」と呼ばれている記述があります。
すぐにピンとくると思いますが、あの安土城にちなんでそう呼ばれています。
ということは、かなりの高い地位にある女性、それも安土城の名前を付けられるほど。
ですから「信長の正室である可能性が非常に高い」といえます。
そこで浮かんでくるのが濃姫というわけです。
先にも触れましたが、信長は意外にも自分に近しい女性のことを細かく記述しています。
しかし、不思議なことに正室であるこの濃姫に関しての記述が、非常に少ないようです。
つまりこの濃姫に関して、かなり謎が多いといえます。
諸説あるようですが、「早くに亡くなってしまったため」に、極端に記述が少ないのではないかという説があります。
しかし、別の有力な説では、この「濃姫の母はあの明智光秀のいとこであった」といわれています。
ということは謀反を起こした光秀と親族ですから、
記述が極端に少なく謎の部分が多いとしても納得がいくのではないでしょうか?
仮にこの安土殿というのが濃姫だとすれば、80歳近くまで生きたことになります。
この方が濃姫であったとしたら、どのような人生を歩んだのかとてもロマンを感じますね。
信長の妻としての生活は?
前述の通り濃姫の結婚相手は、あの魔王とも呼ばれた織田信長です。
15歳の時に信長のもとに嫁いできました。
破天荒な人生を歩んだ織田信長のもとで、どのような生活を送ったのかとても興味がわきます。
しかし、濃姫には子供がいなかったようで濃姫の記録は極端に少ないようです。
ひとつの説としては、「信長が美濃を治めるうえで、有力な切り札として大切にされた」と考えられています。
斎藤道三が亡くなった後も、美濃出身の有能な武将がいましたから、
それらを統率するにも必要不可欠な存在として大切にされていたのではないでしょうか。
濃姫 その人柄とは?
実は、信長には最低9人の妻がいました。
その中で、正妻である濃姫は子供がいませんでした。
よく江戸時代の大奥の中では、子供がいるいないでかなりの権力争いがありました。
しかし、濃姫の周りでそのような争いがあったという記録はないようです。
それよりも妾の子どもである信忠を養子にして家督を継がせています。
こうしたエピソードを見ると妻たちの中で、正室としての信頼と統率力を持っていたのかもしれません。
一つのエピソードとして、
その妻は「ないというのを信じてもらえないなら自殺する」とほのめかしました。
その際、濃姫も同情し「私も一緒に自殺します」と述べた。
といわれています。
信長は意外なことに、このことに対してそれ以上問い詰めなかったようです。
このエピソードからすると濃姫は、普段からとても情の熱い、筋をしっかり通す女性だったのでしょうね。
おそらく信長の信頼と共に部下たちの信頼も厚かった女性だったのではないでしょうか。
きょうのまとめ
いかがでしたか?
濃姫は、織田信長の正室として波乱万丈の人生を送ったことでしょう。
謀反を起こした明智光秀の親族であったとすれば、余計に大変な思いをしたはずです。
しかし、安土殿としてとても長生きしたとすれば、
その人柄や人情から周りの人の支えが十分にあった証拠といえます。
私たちも人生について多くのことを学ぶことができるのではないでしょうか。
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