麒麟がくる第三十二回「反撃の二百挺(ちょう)」【あらすじ簡単まとめ】

 
 
※ネタバレあり
 
大河ドラマ麒麟きりんがくる』
 
第三十二話で描かれたのは、光秀と藤吉郎による鉄砲の調達、それによる「姉川の戦い」の大勝利でした。

しかし…今回はそれだけでは終わらず、三好家、朝倉・浅井の再三の襲撃により、信長は窮地に立たされます。

その背後には諸大名に味方をし、信長に反旗を翻す第三勢力の姿が…?
 
以下よりあらすじを辿りましょう!

 

麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「麒麟がくる」感想あらすじまとめ

 

麒麟がくる(第三十二話)のあらすじ

1570年4月、織田信長(演:染谷将太)は敦賀での朝倉義景(演:ユースケ・サンタマリア)との戦いにて、浅井長政(演:金井浩人)の裏切りに遭い敗北。

信長の戦況を見据えた撤退により被害は抑えられたものの、両家との戦は変わらず続いており、失った武具の補填ほてんが急務とされていました。

この状況から今回、光秀(演:長谷川博己)と木下藤吉郎(演:佐々木蔵之介)は、堺の豪商・今井宗久(演:陣内孝則)のもとへ鉄砲の調達へと向かいます。

宗久は将軍・足利義昭(演:滝藤賢一)の上洛でも織田家に協力しており、今回もその縁から鉄砲の融通を頼ったのですが…
 
光秀と藤吉郎が訪ねると、宗久から返ってきたのは断りの返事でした。
 
その理由は、織田家より先に二百五十挺の鉄砲を買い付けた大名がいるからだという話。

しかもその大名とは上洛の際、敵方に回った三好家の家臣・筒井順慶つついじゅんけい(演:駿河太郎)だというのです。

鉄砲の補填が急がれている状況下において、まさかの敵方に鉄砲が渡ってしまうという事態…。

しかし宗久が三好側に回ったとするのは気の早い話です。

光秀、藤吉郎は宗久の計らいにより茶会にて順慶と面会することとなり、条件付きで鉄砲二百挺を譲り受けることになります。

こうして早急に態勢を立て直した織田家は、近江・姉川の戦いにおいて朝倉・浅井両家を下し、大勝利を収めるのです。

またこのたびの鉄砲の取り引きで筒井順慶と信長のあいだには、新たな関係が生まれそうな気配も。

寺社の参戦により窮地に立たされる織田家

忘れてはいけないのが、織田家の敵は決して朝倉・浅井だけではないということ。

両家との戦が一段落ついたと思いきや、今度は織田家が疲弊している今がチャンスと見た三好家が、四国より攻め込んできます。

三好家の戦には足利義昭も参陣し、織田家は将軍家の旗を掲げて万全の態勢で挑むことになる…はずでした。

しかし摂津では本願寺の数万の僧兵が三好家に味方をし、織田家は攻めあぐねる事態に。

さらにこれを見た朝倉・浅井家も比叡山延暦寺を頼り、5万の僧兵を味方に付けて織田家に対抗してきます。

畿内の寺社が相次いで信長に反旗を翻し、敵の諸大名に味方をする絶体絶命のピンチ…。

この状況を招いたのは、何を隠そう信長の寺社に対する振る舞いが原因でした。

 

麒麟がくる(第三十二話)の見どころ

さて、ここからはさらに詳しく今回の見どころを辿ってみましょう!

京へやってきた明智一家

義昭の上洛から2年、家族を故郷の美濃に残し、京にて単身、幕臣として奔走していた光秀。

家族たちが光秀とともに暮らしたいと願う様子は兼ねてから描かれていましたが、今回それがついに実現します。

光秀が留守から帰ると、館の庭先に見えたのは花に水をやる次女・の姿。

次いで妻の熙子ひろこ(演:木村文乃)、長女の

「お帰りなさいませ」

と、光秀の帰りを迎えます。

もちろん、光秀が斎藤道三に仕えていたころから忠義を誓っている家臣・藤田伝吾(演:徳重聡)の姿もそこにはありました。

途中、伝吾が歩き疲れた玉を負ぶったという話に

「伝吾には一生頭が上がらんな」

などと冗談を交わしているのが微笑ましかったですね。

この面々との再会に

「わしはここでそなたたちを守ってみせる。都を守り、天下を鎮め、ここを守る」

と、決意を新たにする光秀。

戦、戦で緊張感のある展開が続くなかにあってこの出来事は、帰りを迎えてくれる人がいるありがたみを一際強く感じさせたのではないでしょうか。

それゆえ、光秀にとっては身の引き締まる出来事でもありますね。

筒井順慶の示した条件とは

敦賀での朝倉・浅井との戦で失った武具を補填するため、宗久が鉄砲二百五十挺を融通した筒井順慶と相対することになった光秀と藤吉郎。

筒井は三好家の配下にある大名で、普通なら織田家とは敵対するはずの仲です。

しかし光秀に向けられたのは、むしろ義昭を擁して上洛を成した信長に敬意を払っているという態度でした。

「私は大和の国で父祖伝来の領地を守る身ではありますが、将軍をお守りする大大名となられた織田さまを心の底から敬うております。

その織田さまを支えておられる明智さまにお目にかかることができ、まことにうれしく思うております」

茶会の席という建前はあるのかもしれませんが、筒井は立場上やむを得ず織田家と敵対しているだけで、信長に個人的な恨みはない、という風に思えますよね。

そして光秀は、宗久より仕入れた鉄砲のうち百六十挺を譲ってほしいという旨をここで申し出ます。

この申し出に筒井はとある条件を突きつけるのですが、それがとても意外な内容でした。

なんと

「私を織田信長さまにお引き合わせいただきたい」

というのです。

筒井は大和にて、幕府傘下の松永久秀(演:吉田剛太郎)としのぎを削る仲。

その松永と対等の立場を手に入れるため、信長に近づきたいと考えていたのです。

この条件を受けて光秀は

「では二百挺いただけませぬか」

と鉄砲の数を引き上げます。

もともと、二百挺という話を筒井が渋ったために百六十挺に抑えていたのですが、この交渉には筒井も同意します。

信長はそれほどの価値がある男だと認めているのですね。

筒井には、凛としたその雰囲気からも先見の明を感じさせられます。

駒が足利義昭と筒井の仲を取り持つことに

光秀と筒井が面会した茶会には、京の医師助手・(演:門脇麦)の姿もありました。

どうやら駒は万能薬・芳仁丸ほうじんがんの取り引きをしている関係で筒井とは面識があるようです。

そして前々回ぐらいから義昭との関係が注目されている彼女ですが、ふたりは案の定男女の関係に発展している様子。

鉄砲を譲ってくれと願う光秀を前に、駒も

「信長さまの戦は、公方さまの戦でもあります。私からもお願いいたします」

と筒井に頭を下げます。

すると筒井は光秀に信長との仲を取り持つことを求めたのと同じく、駒にも義昭との仲を取り持ってほしいと言い出すのです。

現状は敵方である筒井順慶ですが、この振る舞いから今後どのように立場を変えていくのか見物ですね。

信長・義昭の不仲

今回の冒頭部分で、義昭の待つ二条城にて、信長が朝倉・浅井との敦賀での戦の報告にやってくるシーンがありました。

その際、義昭は信長に会う前にどんな戦だったのか話を聞いておきたいと、光秀を呼び出します。

すると関係者の誰しもがひどい負け戦だと口にする状況において、光秀はその結果を

「引き分けでございます」

と言い張るのです。

信長は金ヶ崎にて、朝倉勢が総崩れになるのを見て、これ以上の深追いは危険と睨んで撤退したのだと。

それよりも光秀が問題視したのは、幕府がこの戦に一切関与しようとしなかったことでした。 

「我らは敵がだれであれ心をひとつにして戦い、よき世を作りたい。

しかしそこ(金ヶ崎)に公方さまのお姿がない。都で高みの見物をなされている。公方さまの御旗が立てば、幾万の兵の力を得たも同然。

そのことをよくよく、胸にお刻みいただきとうござりまする」

光秀はこう言い、朝倉・浅井との戦に義昭が参陣していれば、両家への牽制となり、被害をさらに減らせたことを訴えるのです。

この言葉に、本来は善人である義昭も心を動かされるところがあったのでしょう。

続く三好家との戦いには参陣し、将軍家の旗を掲げて万全の態勢で信長が戦に臨めるようサポートします。

…しかしこのことが返って、両者の関係を悪化させる結果につながってしまうのです。

幕府の敵を後回しにする信長

戦況は本願寺の僧兵が敵方に協力し、さらに他方からは朝倉・浅井が再度襲撃をかけてくる事態に。

信長はこれを受け、朝倉・浅井との戦に集中するため、義昭に本願寺へ和議の取り付けを願います。

織田家として今一番の敵は朝倉・浅井だというのはもっとも。

一方で三好家は織田家というより幕府に牙を剥く敵です。

義昭としては、三好家をとりあえず和議で抑えておいて、朝倉・浅井のほうに集中するという信長の判断には納得がいきませんよね…。

「織田信長があんなに脆いとは、夢にも思わなんだぞ!」

と、さぞかしご立腹の様子。

こんな感じで義昭は光秀の進言により信長に協力するものの、いかんともしがたい戦況から、さらに両者の溝を深めてしまうことになるのでした…。

信長を退けようとする幕府

冒頭の二条城のシーンでは、浅井の裏切りに遭い、信長が京へ戻るまでは4日しか期間がなかったにも関わらず、幕府政所筆頭・摂津晴門(演:片岡鶴太郎)が

「私も報告を受けるまで3日も眠れず…」

と、口を滑らせるくだりがありました。

摂津のこの言い分を見逃さなかった光秀は

「その話は、誰から?さほどに早うに知っていたとすると、朝倉や浅井に通じていた者やもしれませぬぞ。

まさか摂津殿は敵方に通じた者をかばわれるわけではありますまいな」

と、問い詰めます。

これに

「申しておくが、それがしは朝倉を敵とは思うておりませぬ。幕府を支えてくれる大名じゃと…」

と、反論する摂津。

その場は義昭のお叱りにより治められましたが、どうやら幕府内では、信長を退け、そのほかの諸大名に協力を仰ぐ方向で話が動いているようです。

朝倉への内通のほか、織田家が三好家に攻めあぐねた際は

「越後の上杉、甲斐の武田の一刻も早い上洛を…」

という話も。

姉川の戦いに参戦した徳川家康(演:風間俊介)はその気配をいち早く察知し、上洛を狙って織田家をおびやかす武田を食い止めるためと、三河への帰路を急いでいましたね。

上洛を成功させた信長は幕府にとっての恩人…という構図は、このようにして徐々に陰りを見せ始めます。

信長に反感を抱く畿内の寺社

四国から攻めてきた三好家には摂津の本願寺が味方をし、朝倉・浅井には比叡山延暦寺が味方をする。

畿内の寺社が相次いで反旗を翻すこの状況に、信長は苛立ちを露わにします。

「延暦寺の僧兵は一人一人が仏を背負うて戦うゆえ、開山以来負けたことがない」

そう口にする延暦寺の僧兵に

「神仏を尊ぶ心はわしも同様。叡山へ踏み込む折は仏を背負うて参る!」

と返すと、本当に仏像を背中にくくりつけてみせる信長。

敵の考えを知りたいがゆえか、そのまま次の局面への考えを巡らせているのでした。

なんかいろいろ間違っている気もしますが、これも信長らしいといえばらしいのか…。

今回のピンチは信長の寺社に対する振る舞いが原因?

「仏は重うございませんか」

と光秀が問うと

「重い!なにゆえ叡山は朝倉や浅井をかくまう…」

と、返す信長。

すると光秀はその理由をこう語ります。

「信長さまは叡山から多くを奪い、朝倉・浅井は多くを与えるからだと…」

そう言われてみると、二条城建築に際し、信長は2ヶ月で城を完成させるという無理難題を成すため、畿内の寺社から内装品を集めて回っていました。

義昭は寺社より

「ふすまが全部持っていかれて、もはや寺の面影もありません!」

などと、その返納を迫られていましたよね。

二条城の建築現場にて、砕いて石垣にされる仏像をはたいてみせた信長の姿がちらつきます…。
 
さらに延暦寺では朝倉義景が、

「私に織田信長を討つ力をお貸しくだされば、畿内のお好みの地を領地として差し上げ、

叡山のすべての屋根を黄金色にふき替えてご覧に入れまする」

と約束するシーンも。

こうなると寺社がどちらに味方をするかはもはや一目瞭然。

なにより、信長の普段からの振る舞いが窮地を招いたというのが皮肉ですね…。

 

麒麟がくる(第二話)のまとめ

今回は光秀、藤吉郎の活躍により、万全の状態で挑んだ姉川の戦いを見事ものにしてみせた信長。

しかし勝利の先にあったのは、三好家の再三の襲撃・反旗を翻す寺社という難題の連続でした。

この窮地に義昭との溝はさらに深まり、幕府はその他諸大名を頼り出すという先の思いやられる展開に…。

まさに向かうところ敵ばかりのこの状況に、信長はどう立ち向かっていくのでしょう?

最後に今回のまとめです。
 

 ① 筒井順慶が鉄砲二百挺の見返りに求めたのは、織田信長・足利義昭との関係。 今後の立ち回りに期待!

三好家との戦に義昭が参陣するも、再度攻めてきた朝倉・浅井に追い込まれた信長は絶体絶命のピンチに。ひとまず三好家と和議を結び、 朝倉・浅井に集中する選択に義昭は激怒。さらに幕府は上杉、武田などに上洛を促しているようで…?

三好家には本願寺、朝倉・浅井には比叡山延暦寺が味方。信長は寺社から内装品を奪って城を建てるなど扱いがひどいが、ほかの大名は寺社を守り、領地などを与えようとしているため?  

さて、次週から比叡山延暦寺vs織田信長の戦いが幕を開けるようです。

大魔王・信長の名を世に轟かせた”比叡山焼き討ち”が展開される回も近い!?

 

合わせて読みたい
麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「麒麟がくる」感想あらすじまとめ

 










合わせて読みたい記事



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

9 − 5 =