麒麟がくる第二十八回「新しき幕府」【あらすじ簡単まとめ】

 

※ネタバレあり

大河ドラマ麒麟きりんがくる』

第二十八話で描かれたのは、新たな幕府の成立に際し、浮き彫りになった旧来の幕臣の腐敗。

幕臣となった光秀は、さまざまな問題に直面することとなります。

一方、二条城の築城という、新たな希望が垣間見える一面も…。

以下よりあらすじを辿っていきましょう!

 

麒麟がくる(第二十八話)のあらすじ

1568年9月、幕府奉公衆と織田家の擁する足利義昭(演:滝藤賢一)が上洛を果たします。

京を抑えていた三好勢は織田軍の勢いに押され、早々に各地へ退却。

続いて三好家の擁していた14代将軍・足利義栄あしかがよしひでが病没したことで、義昭は晴れて15代将軍に列せられることになります。

いよいよここから幕府を建て直し、美しい都を取り戻そうと一同は動き始めるのですが、それに際して問題となったのは、幕府を構成する人材の評定でした。

・かつて三好家に仕えていた松永久秀(演:吉田剛太郎)をどうするのか

・幕府の政所まんどころのまとめ役・摂津晴門せっつはるかど(演:片岡鶴太郎)を信用してもよいものか

松永はたしかに三好の家臣ではあったものの、このたびの戦では義昭に加担し、大和に逃げ延びてきた三好勢を迎え撃った功績があります。

摂津晴門は前将軍・義輝のころから役人を率いており、任せておけば体制を立て直すには手っ取り早い。

しかし晴門の体制では、義輝を守ることができなかったという事実があり、おまけに横領をしているという黒い噂も…。

こうした問題から幕府再興の中核となる奉公衆と織田家の意見は大きく割れることとなります。

そんな折、勃発したのは義昭が居城にしていた本国寺への三好勢の襲撃

京にはいたるところに関所が設けられており、一度逃げ延びた三好勢が簡単に戻ってこれるはずはなく、幕府に内通者がいることはほぼ確実となります。

義昭の上洛を済ませ、美濃へ引き上げていた織田信長(演:染谷将太)は、三好の奇襲を自分たちに知らせてこなかった摂津を一切信用しない方針を示し、義昭をより強固に守るため、新たに二条城の築城を計画。

一方で摂津は、越前・朝倉義景(演:ユースケ・サンタマリア)と三好勢を秘密裏に引き合わせ、またしても京への襲撃を企てる動きを見せます…。

 

麒麟がくる(第二十八話)の見どころ

ここからは今回の見どころを詳しく辿っていきましょう!

新しき幕府の動向

前述の通り、幕府の再興を巡ってまず問題となったのは、旧来の幕臣たちの評定です。

まずは松永久秀に関して、三淵藤英(演:谷原章介)ら奉公衆は、松永の嫡男が三好勢に加担していることを挙げ、幕府に迎え入れるわけにはいかないと言い張ります。

対する織田家は、大和に逃げ延びてきた三好勢を討った松永の功績は、十分に信用に足るというもの。

この問題に結論を出したのは、将軍・足利義昭です。

「織田殿はほかの大名の多くが名乗りを挙げようとせぬなか、自ら出陣、わしを助けてくだされた。このことは生涯忘れぬ。その織田殿が松永を我らのなかに迎えてはどうかと申されておる。受け入れてはどうか」

奉公衆の意向は、すべて将軍に準ずるもので、義昭がそういう以上、反対していた三淵らもこれを受け入れざるを得ない状況となります。

松永は義輝が討たれた際も、息子たちの暴走に怒りを露わにしていましたし、視聴者目線としても今後、心強い味方となる感じがしますね。

それよりも問題なのは、義輝の代から幕府の政所をまとめていた摂津晴門の処遇です。

光秀(演:長谷川博己)や奉公衆の細川藤孝(演:眞島秀和)は、義輝の代に幕府を建て直せなかったのは、体制に問題があったからと、取り急ぎ摂津を重職に続投させた人選に懐疑的である様子を示していました。

幕府内の腐敗

光秀や藤孝が摂津の続投に不安を覚えていた矢先、三好勢の本国寺への襲撃により、幕府に内通者がいることが明らかになります。

そしてこの騒ぎに乗じて調査に走った光秀により、幕府の役人が寺や領土を横領しているという訴えが多数あることが浮き彫りに。

役人の一新が急務であることを光秀、藤孝は実感することとなります。

裏で相当な悪事を働いている摂津も、これまた清々しいほどの悪人ぶりです。

三好の襲撃を織田家に伝えなかったことに対し、信長は

「幕府にとって織田信長とはそのような代物か!」

と、激を飛ばしていますが、これに対しても摂津は

「政所の者は皆うろたえのあまり、後先がどうであったか覚えがなく…」

と苦しい言い訳ではぐらかし、

「おのれ織田信長め。成り上がりの分際で、満座でわしに恥をかかせおった!今に見ておれ…」

と逆恨みする始末。

時代劇などではおなじみの典型的な悪代官キャラですね。

今後はこの摂津を始めとする幕府内の腐敗との戦いが見どころとなっていきそうです。

二条城の築城は美しい都の足掛かりに?

三好勢の奇襲への対応から、旧来の幕臣たちは信用できないと考えた信長は、将軍をより強固に守るべく、二条城の築城を計画します。

「ふたつきで城を建てろ」

という信長に対し、とてもじゃないが無理だという摂津。

しかしそこはさすが信長さま、将軍の権力と自身の影響力を合わせ、計14の国から潤沢な資材や人員を確保、ふたつきでの築城を一気に現実的なものとして見せます。

「この都はおだやかな場所でなくてはならん。我らにとってここは夢の都であった」

と、兄・義輝から伝え聞いたその想いを語る義昭。

そして

「わたくしも父からよく聞かされました。都・室町は美しきところだと。その美しき都に戻さねばなりませぬ」

と語る光秀。

二条城はそんなふたりの望んだ美しい都の、大きな足掛かりになる場所となることを予感させます。

深まる信長と光秀の食い違い

…と、希望への第一歩に思えた二条城の築城ですが、ここでも徐々に深まっていく信長と光秀が食い違う一幕がありました。

築城の現場で光秀と相対した信長は、

「帰蝶が十兵衛に会いたいと懐かしがっていた。おのが妻ともしばらく会うておるまい、これを造ったら一度美濃に帰ってこぬか」

と、相変わらず光秀を気に入っている様子。

そんなふたりのあいだに陰りを感じさせたのは、「潰して石垣の材料にでも」と運ばれてきた石仏を巡っての信長の振る舞いでした。

「子どものころ、仏間で遊んでいて仏をひっくり返したことがある。母上に大層叱られ、仏様の罰が当たると脅された。興味があり、何日もその罰を待ったが、何も起こらなかった。フフフ…」

と、石仏の頭を粗末にはたいてみせる信長の行動に、光秀は表情を曇らせるのです。

仏像というのは、人々が穏やかに暮らせるようにと願いを込めて作られた、いわば象徴のようなもの。

平和を何より望む光秀としては、いかに資材が必要な状況であっても、粗末に扱っていいものではない、そんな想いがあったのでしょう。

幕府の再興は権力のためか、世の太平のためか。

目標は同じでもやはり、信長と光秀には相容れない部分があるようです。

駒と義昭の再会

三好勢の本国寺襲撃の折、怪我人が大量に出たはずだと、治療に駆け付けた医師・望月東庵(演:堺正章)とその助手・(演;門脇麦)。

駒は以前大和にて、僧侶として施しをする義昭の人となりに感銘を受けたことがありました。

今回は本国寺にて、将軍になっても自ら雑用を買って出る義昭と遭遇

「なんのこれしき、昔は毎日やったものじゃ!」

などといい、寺を走り回る彼のかつてと変わらない人柄に、嬉しそうな表情を覗かせていました。

「騒ぎが落ち着いた折には使いを出す、遊びに来るといい」

などと、義昭も駒との再会を喜んでいる様子でした。

駒の姉代わりである伊呂波太夫いろはだゆう(演:尾野真千子)は、駒と義昭の恋仲をそそのかしていましたが、さすがにそんなとんでも展開は…。

いや…一介の医師助手から、奇跡の万能薬の作り手として京で引っ張りだこになっている駒のこと、この先もまだまだ奇跡を起こしてくれるのかも?

一方、太夫は弟分である関白・近衛前久このえさきひさ(演:本郷奏多)が朝廷で立場が危うくなっていることを話し、駒に義昭との仲介を頼めないかとも考えていました。

前久が朝廷を追いやられているのは、義昭と対立した義栄を将軍に推したこと、つまり三好勢に肩入れしたことが原因。

前久と義昭のあいだに良い関係が築ければ、朝敵と見なされるその疑いを晴らせるということですね。

 

麒麟がくる(第二十八話)のまとめ

幕府再興の大きな障害となる、旧来の幕臣たちの腐敗。

そして美しい都を取り戻すための足掛かりとなる二条城の築城…このように今回は課題と希望の両方が浮かび上がってきた回となっていました。

ここからどのように幕府の再興が成されていくのか、光秀や信長の手腕に期待がかかりますね!

最後に今回のまとめです。

① 新たな幕府の問題は、摂津晴門率いる役人の腐敗。三好勢ともつながり、本国寺への奇襲を手助けした?

② 幕府の役人には任せておけないと、自ら二条城の築城に乗り出した織田信長。ただ、考え方の違いから光秀とのあいだに徐々に亀裂が…

③ 足利義昭と再会を果たした駒。恋仲への発展もある?

さて、次回は摂津晴門の悪事がさらに明るみに出てくるようです。

なんと近衛前久も摂津に狙われているといいますが…、光秀はこの問題にどう対峙していくのでしょう。

 
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