スピノザの名言~合理主義に基づく分析的な言葉たち~

 

オランダ出身の哲学者、

バールーフ・デ・スピノザ

デカルトらと並び合理主義哲学者として知られる彼は、合理主義に基づいた言葉を数多く遺しています。

今回は、そんな彼の思想の一部を名言と共に見ていきましょう。

 

スピノザの名言~人間論~

スピノザ

スピノザ
出典:Wikipedia

ここでは、スピノザが「人間論」について語っている名言をご紹介していきます。

誰もが主人公

スピノザ
各人は天より与えられて、各自自身の思想の主人公たる権利を有す。

世の中には不公平なことも多々あります。

しかし誰もが主観的な思想を持てる、といった点では皆平等なのです。

主人か奴隷か

スピノザ
自らの激情を抑えきれない人間は、もはや主人ではなく奴隷であろう。

誰もが自身の思想の主人公であっても、感情に飲み込まれてはいけない、とスピノザは警告しています。

「後悔」の罠

スピノザ
ある行為を後悔する者は、二重に不幸あるいは無能である。

最初に邪悪な欲望によって、次いで悲しみによって征服される者だからである。

この名言では「後悔」の危険性を説いています。

過去に囚われている間にも、現実は続いていきます。

過ぎてしまったことを「こうしておけばよかった」と悔やむ時間があるのなら、今と向き合いましょう。

やれることはいくらでもあるはずです。

死から生を

スピノザ
自由な人が考えるのは、ほかならぬ死についてである。

そして彼の賢明さは、そこから死ではなく、生について熟考を始めることだ。

生きとし生ける者には必ず終わりが訪れます。

スピノザ曰く、自由な人ほどそれをよく把握しています。

そして彼らはそこから逃げるのではなく、受け止めたうえで生を価値あるものにしようとするのです。

人と人

スピノザ
人は互いの助けがあれば、ずっと簡単に必要なものを準備できる。

そして力を合わせれば、あらゆるところで襲ってくる危険をもっと簡単に避けられる。

人間はひとりでは生きられない。

そんなことを思わせる名言です。

以下の名言も遺しています。

スピノザ
人間とはまこと、社会的な動物である。

スピノザが人間を客観的に分析していることがよく分かる名言ですね。

 

スピノザの名言~人生論~

ここでは、スピノザの「人生論」が垣間見える名言をご紹介します。

「運命」の在りか

スピノザ
運命とは受け入れるべきものではない。

それは自ら選び創り出すものだ。

「運命」と思われるものは、合理主義的な見方をすれば決して偶然なものではありません。

その人の生き方そのものが表れる、あるいは捉え方次第でいくらでも変えられるものなのです。

良い道

スピノザ
悪徳を非難するよりは徳を教える方が良い。

この名言を全ての人が頭の隅に入れておけば、炎上事件も少しは減るのでしょうか。

「思考」の落とし穴

スピノザ
人があれもこれも成しうると考える限り、何も成しうる決心がつかない。

この名言では、考えすぎることの危険性を教えてくれています。

人間の想像力は素晴らしいものですが、結局は行動しなければ何も始まらないのです。

「できない」の裏に潜むもの

スピノザ
自分にできないと考えている間は、本当はそれをやりたくないと心に決めているのだ。

だからそれは実行されはしない。

本当にできないかどうかは実際にやってみなければ分かりません。

試す前にストップをかけてしまうということは、どこかで怖気づいている証拠かもしれません。

心当たりはありませんか。

不安の種は何か

スピノザ
危険は、当然なすべき懐疑をなさないで漠然たる不安の中に生きることである。

我々は無用な不安の中に生きるべきではない。

しっかりした中核的思想を抱いて、価値ある懐疑をしなければならない。

それによってのみ問題を解決し、進歩していくことができる。

これはいかにも合理主義の哲学者らしい名言ですね。

何かに不安を抱くのなら、その原因を掘り下げてはっきりさせる必要がある、とスピノザは言います。

訳の分からない不安が蔓延はびこる前に、その芽を見つけ摘み取ってしまいましょう。

 

スピノザの名言~その他~

ここではスピノザの名言から、少し視点を変えた「悲しみ」「喜び」のそれぞれ一例をまとめてご紹介します。

<悲しみ>

スピノザ
自分を卑下することは、自分を他人より劣ると信じる間違った考え方から生まれる悲しみである。

<喜び>

スピノザ
高慢は、自分を他人より優れていると思うことから生じる喜びである。

各々で異なる個性を持っている人間同士、本来は優劣など付けられるはずがありません。

しかしそれに気づかず、あるいは忘れて視野が狭くなると、このように小さな世界で人は一喜一憂してしまう生き物なのです。

 

きょうのまとめ

今回は、スピノザが遺した名言をご紹介してきました。

いかがでしたでしょうか。

何か心に留めておきたいものはありましたか。

最後に、今回ご紹介した内容を簡単にまとめると

① 合理主義哲学者のスピノザは、合理主義的な名言を多く遺している。

② 名言の中には、人間について分析したものが多くある。

③ 現代人にも役立つ普遍的な名言が多い。

スピノザは他にも様々な名言を遺しています。

ご興味を持たれた方はぜひ、お時間があるときにでも調べてみて下さい。

あなたの人生を豊かにする言葉に出会えるかもしれません。

 
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