麒麟がくる第二十三回「義輝、夏の終わりに」【あらすじ簡単まとめ】

 

※ネタバレあり

大河ドラマ麒麟きりんがくる』

第二十三話で描かれたのは、将軍に覇権を取り戻すべく奔走する光秀と、その想いとは裏腹に、将軍を次々に見限っていく大名や奉公衆の姿。

周囲の意向に感づいた義輝はいったい何を思うのか。

また彼を慕ってやまなかった光秀には、失意の念が重くのしかかります。

以下より今回のあらすじを辿っていきましょう!

 

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麒麟がくる(第二十三話)のあらすじ

1564年9月、将軍に代わり京の覇権を握っていた大名・三好長慶みよしながよし(演:山路和弘)が病没。

この機に復権を図ろうと考えた将軍・足利義輝(演:向井理)は、尾張の大名・織田信長(演:染谷将太)に協力を求めるべく、光秀にその説得を託します。

一路、尾張へと向かった光秀でしたが、信長は美濃との戦に忙しくしており取り合わず、上洛も交渉は決裂。

代わりに光秀の接待をしたのが家臣の木下藤吉郎(演:佐々木蔵之介)でした。

ここで光秀は藤吉郎から、三好家の一族が将軍を討とうと動いていること、裏で糸を引いているのは三好家家臣・松永久秀(演:吉田剛太郎)であるという噂を耳にします。

これを聞いた光秀は京へ戻ると、すぐに久秀のもとへ向かいました。

そして、そこで目の当たりにしたのは、諸大名はおろか奉公衆でさえ義輝を見限り、次の将軍を立てるために動いているという事実。

義輝自身も、もはや自分の時代は終わったとばかりに落胆した姿を見せますが…。

 

麒麟がくる(第二十三話)の見どころ

以下より今回の見どころを辿っていきましょう!

木下藤吉郎の成り上がり

今回、木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が久しぶりの登場でした。

織田家にて百人組の頭まで成り上がり、流れ者だったころとは違い、出で立ちもずいぶんと立派になっていました。

やはり只者でないことはたしかなようで、信長をして

「まだ百人組の頭だが、おもしろいやつじゃ。使えるぞ」

と言わしめるほど。

和歌を教えてもらったと、帰蝶(演:川口春奈)から気に入られている様子も見せました。

織田家の時代が来るといち早くかぎつけた嗅覚も健在で、京の義輝暗殺の噂も藤吉郎のもとにはすでに届いていました。

光秀とは初対面でしたが、今回の鍵となる情報を届けた重要な役どころを担った藤吉郎。

今後、ふたりがどのように絡んでいくのかも、楽しみにさせられますね。

次期将軍・義昭も思うところは義輝と同じ?

今回も大和に赴いた医師助手・駒(演:門脇麦)と、次期将軍・足利義昭(演:滝藤賢一)のやり取りがありましたね。

やはり駒は貧しい人たちに施しをする義昭の姿に、自身の境遇を重ねていたようです。

「戦でケガをしても、病になっても、貧しくて医者のところへ来られない人が大勢おります。私たちが助けられるのは、目の前の人たちだけ。お坊様はそういうことをどうお思いになるのかお聞きしたくて…」

そんな質問をした駒に義昭は

「私も同じことを思う。私が施せるのはわずかな者たちだけ。私は無力だ。やはり麒麟がくる世にならねば、皆が同様に豊かになることはない」

と返します。

そして麒麟の話は将軍を務めた父から聞いたと、兄の義輝と同じ話を聞かされながら育ったことを明らかにしました。

同時に義昭は、その父も兄も結局戦を止めることはできなかったと、義輝の身を案じるような表情も覗かせます。

一介の僧侶である自分は限られた人への施ししかできない。

同じように兄の義輝も、たとえ将軍であっても大名ひとり動かすことができない。

思うところはどちらも同じく、しょせんは人ひとりの力など無力だということ。

やり切れない話ですが、兄弟の不思議な縁を感じさせられるシーンでした。

松永久秀の目利き

藤吉郎から義輝暗殺の噂を聞き、京へ戻った光秀はすぐさま計画の首謀者である松永久秀のもとへ向かいます。

すると久秀は、堺の商人が持ち込んだ壺の目利きをしている最中にあり、光秀にこんな話を切り出しました。

「こう見えても、近頃わしは焼き物の目利きとして名が通っておる。わしが名器といえば名器になるのじゃ」

商人が持ち込んだ壺は全部で3つ。

しかし同じものが3つもあっては値打ちが下がってしまいます。

そのため、特に出来の良いものを久秀に選んでもらい、その壺を、ものを知らない田舎の大名に高値で売りつけようと商人は考えていたのです。

つまり壺には本来価値がなく、”久秀が3つのなかから選んだ”という事実から価値が生まれるということ。

この壺にかけ合わせ、将軍の価値も周りの人間が決めるものだと久秀は語ります。

上洛を命じても諸大名が誰ひとりとして応じない義輝には、もはや将軍としての価値はないと。

この話を経て久秀は、もとから殺すつもりはないものの、義輝に京から出ていってもらうために裏で糸を引いていたことを光秀に明かします。

そして…この場に姿を現したもうひとりの人物が、将軍家奉公・細川藤孝(演:眞島秀和)でした。

ここで藤孝は、もはや義輝に将軍としての器はなく、次期将軍を立てるべく動いていることを光秀に伝えるのです。

見限られた将軍

三好家や松永久秀、将軍家奉公衆の動向を知り、義輝が京を追い出されてしまう事実も受け入れざるを得なくなってしまった光秀。

彼は続いて、信長への上洛の願い出が聞き入れられなかったことを、義輝のもとへ伝えに向かいます。

すると義輝はすでにそのことも承知していたかのごとく、いたって穏やかに、こんな話をし始めました。

「京がこんなに寂しいところとは知らなかった。今朝起きて、風の音に驚いた。古の歌の通りじゃ。『秋きぬと、目にはさやかに見えねども風の音にぞ…』」

夏が終わり、どこからともなく秋がやってくるその寂しさに自身の境遇を重ね、自分の周りからもいつの間にか人がいなくなってしまったことを語る義輝。

そして光秀の労をねぎらうと、最後にこう言い放ち、彼をもと居た越前へ送り出します。

「ようわしに仕えてくれた。欲を言えば、もそっと早うに出会いたかった。…遅かった」

この言葉を受けた光秀は失意のなか越前へと戻ることになりました。

大名・朝倉義景(演:ユースケ・サンタマリア)からは

「国の外に振り回されるな。野心をもたず、この国にじっとしておれ。自分の家が一番良いのだ」

との言葉をかけられますが、これもその通りなのかもしれないと受け入れる一面が見られました。

野心をもったとしても、自分ではどうにもできないこともある。

そんな自身の無力さを思い知らされ、打ちのめされた光秀の心境を今回のラストシーンからは感じさせられました。

麒麟がくる(第二十三話)のまとめ

将軍を救うため、意を決して動いた光秀でしたが、織田信長の上洛は叶わず…。

それどころか、京では三好家や奉公衆の誰もが義輝を将軍の座から退かせようと動いていました。

思惑とはまったく裏腹に進んでしまう現状に、光秀はいかにも打ちのめされた風に見えましたが…。

最後に今回のまとめです。

木下藤吉郎が織田家にて百人組の頭に。将軍暗殺の計画もいち早く聞きつけていた。

将軍の価値は周りの人間が決めると語る松永久秀。彼は義輝を京から追い払う計画を立て、将軍奉公も次期将軍を立てるために動いていた。

秋の訪れとともに、いつの間にか周りから人がいなくなってしまったことに気付いた将軍・足利義輝。

さて、次週はいよいよ足利義輝が三好長慶の長男・義継の襲撃に遭います。

よもや将軍交代かという一大事に、光秀はどう動くのか…!?

 
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