麒麟がくる第二回「道三の罠」の感想|いきなり、斎藤道三の独壇場。

 

第二回「道三の罠」である。

今回も既成概念に囚われずに青年・明智光秀の生き方を追体験だ。

いろんな角度からドラマを堪能しながら、見たまま感じたままをお伝えしたい。

さあ、麒麟がやってくる気配は・・・。

まだ2話目だってば。

 

【麒麟がくる】のその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
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第二回の主役は斎藤道三

初回から濃いめの味付けだった斎藤道三はやっぱり強烈だ。

今回は断然、本木雅弘の道三中心でドラマが動いた。

「道三の罠」は2つあったね

美濃のマムシと恐れられた道三のやり方が一挙に炸裂した。

「罠」は、2つだ。

・天文16年(1547年)の「井ノ口の戦い」での戦略

・守護・土岐頼純ときよりずみの謀殺

である。

まず、井ノ口の戦いでは、明智光秀も戦った斎藤道三の軍が大勝利を果たした。

道三は、織田信秀軍をうまく井ノ口の市街へと誘い込み、途中で戦いを切り上げ籠城とみせかけて、油断した信秀軍を一挙に叩いたのである。

織田方の忍びもあえて泳がせ、逆利用。

身内の家臣にさえ籠城作戦の本当の狙いを口外せず、チャンスを待って牙をいたのだ。

さすがは謀略家の道三。

罠にかかった信秀は「城に帰って寝る」ことになってしまった。

そして、ドラマ終盤の道三による守護・土岐頼純の毒殺である。

道三には、娘・帰蝶きちょうの夫・頼純による自分への裏切りもお見通しだった。

平然と毒入りの茶を与え、目の前で苦しみ死んで行く頼純を眺めながら歌を歌う道三のマムシ具合は、かなりのインパクトだった。

本木道三の演技力

斎藤道三のワルの魅力は、脚本家による設定と同時に、本木雅弘の演技の秀逸さのおかげだろう。

役作りに力を入れていると明言していたモックンこと本木雅弘は、今回も声を作り、目を剥いたり、回したり、また、マムシと呼ばれて舌を出すなど、ワルの記号をこれでもかと投下した。

主人公の明智光秀の主君だというのに、ヒール感ハンパない

本木道三が登場するたびにドラマは緊張し、我々は何かヤバイことが起きるのを待つ、パブロフの犬状態なんである。

さらに、毒殺される土岐頼純を演じた矢野聖人やのまさとの芝居も悪くなかった。

彼の演技のおかげで、頼純という人物が十分ヤな奴になったのである。

白目を剥いて死んで行く彼に全く同情しないまま、道三の容赦なさにビビった筆者だった。

 

典型的な合戦・井ノ口の戦いに満足!

第一回の野盗の襲撃場面のどこかさわやかな戦いと違い、今回の戦いの泥臭さは、典型的な大河ドラマの合戦シーンと言えるんじゃないだろうか。

臨場感が好き

籠城時には、弓や投石もあったが、井ノ口市街での合戦は、槍や刀を使った人と人の肉薄戦だった。

人の目線で動きを追い、人が走る速さでカメラが走る。

時には水面ギリギリ、もしくは水中をイメージするカメラワークによる臨場感がいい意味で泥臭かったのだ。

やっぱり戦国時代の戦いは、こうでなくちゃ。

陣太鼓と家紋

合戦で非常に印象的だったのが、陣太鼓だ。

斎藤軍の兵たちが、バチを持ってひたすら叩く。

まるで戦いのBGMだ。

本来、陣太鼓は大将の指令を軍全体に伝達するという目的から、1人で担当するものである。

だが、今回は芸能考証を行う友吉鶴心ともよしかくしんが、演出からのリクエストを受け、11人の太鼓奏者による「波動」を意識した演奏指導したという。

何度もたたみかけるような太鼓の音は、この井ノ口の戦いを印象づけるのに一役買った。

もう一つ目を引いたのは、軍旗だ。

織田信秀軍の軍旗は、鮮やかな黄色に黒の織田木瓜もっこう(黒地に黄色紋の軍旗も一部登場)。

対する斎藤道三側のそれは、赤をアクセントにした黒地に白抜きの立波たつなみだ。

水しぶきをあげる波頭をイメージした紋は、道三オリジナルの紋と言われる。

織田軍対斎藤軍、「黄色と黒」対「赤と黒」が表現する危険度はマックスだ。

黒赤の軍旗は道三らしくてカッコ良い。

そして立波紋は、軍旗以外にも陣幕や城門などに登場した上、道三の居室の壁にも波しぶきが描かれている。

道三のトレードマークは、サブリミナル的に我々に刷り込まれているかも。

 

戦に勝って素直に喜べない光秀

さて、主人公の明智光秀も活躍して勝利した井ノ口の戦いだが、一番シャッキリしないのが光秀本人であった。

振り回される光秀と彼に忠実な家臣

名医探しと鉄砲入手の旅はクリアした光秀だったが、井ノ口の戦いで侍大将の首を2つ取らなければ、その旅費の半額分の金を返済せよと道三に命じられてしまった。

「損得勘定」する道三のイヤラシイ性格のせいで、気の毒な光秀は戦の間中必死で「侍大将!」を連呼し、相手を探しながら戦うハメになった。

文句言いながらも首2つを上げたのは何よりだ。

ところで、そんな光秀に従う明智家の家臣・藤田伝吾に注目してる人、いる? 

徳重聡とくしげさとしが演じる伝吾は、きりりと引き締まった表情で、第一回目から光秀の手足となって活躍中だ。

槍を持って戦う姿がサマになる彼は、史実ではのちに光秀の重臣となっていく人物なので、筆者としては注目しておきたい。

格好いいしね。

光秀以外は喜んだ勝ち戦

斎藤軍の勝利を兵士や領民たちが祝う中、1人だけハッピーでないのは光秀だ。

敵将の首を取ることに「これが武士の本懐か?」と疑問を持つ。

京からの医師・望月東庵もちづきとうあんや助手のこまさえ、養父と戦災孤児というわりに、拍子抜けするくらい素直に勝利を喜んでいるみたいだったのに。

どうやら今回も戦うことへの光秀の葛藤が表現されている。

だが光秀は、戦わなければ殺されるだけの身の上でもある。

今は、命令のままに戦うしかないことを彼は知っている。

身分的にも心情的にも自分の意志で戦いを起こすのは「まだ」ということか。

 

麒麟がくる第二回レビューのまとめ

『麒麟がくる』第二話「道三の罠」はほぼ斎藤道三の独壇場だった。

光秀よりも道三が前に出たわけだが、こういう脇役の見せ場を作ってこそ、のちに主役の光秀の活躍が輝くはずだ。

第二回のレビューまとめは、

①本木雅弘による策士で謀略家の斎藤道三のマムシぶり演技が圧巻

②戦国大河らしい泥臭さ、目と耳に残る戦の描写が印象的

③戦の意味に疑問を感じている光秀の葛藤は続く

だった。

ちなみに今回光秀はひと言も「麒麟」について口にしなかったね。

次回も楽しみ。

 

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歴史ライター、商業コピーライター 愛媛生まれ大阪育ち。バンコク、ロンドンを経て現在マドリッド在住。日本史オタク。趣味は、日本史の中でまだよく知られていない素敵な人物を発掘すること。路上生活者や移民の観察、空想。よっぱらい師匠の言葉「漫画は文化」を深く信じている。 明石 白(@akashihaku)Twitter https://twitter.com/akashihaku 明石 白(akashihaku)Facebook https://www.facebook.com/akashihaku