伊藤博文を暗殺した犯人は誰?大韓帝国との関係や教科書に載っていない陰謀説も

 

日本の初代内閣総理大臣を務めた

伊藤博文いとうひろぶみ

大久保利通亡き後は政府の最高指導者として働き、明治憲法制定の中心的人物ともなりました。

そんな伊藤は1909年、ハルビン駅(現在の中華人民共和国の都市)で暗殺されます。

なぜ、伊藤博文は暗殺されなければいけなかったのでしょうか。

そこで今回は、伊藤博文が暗殺された理由と犯人について、簡単にご紹介していきます。

 

大日本帝国と朝鮮半島

朝鮮半島への進出を狙っていた当時の日本。

1905年には第二次日韓協約が結ばれ、日本は韓国を保護国化します。

保護国になるということは、外国と条約を締結することができなくなります。

日本側からすると、外国からの韓国への干渉をなくすことができました。

この頃の韓国は大韓帝国(1897~1910)のことを指し、今の韓国(大韓民国)とは違います。

大韓帝国は、今の朝鮮半島全体を領土としていました。

さて、第二次日韓協約に基づき、漢城(現在のソウル)に統監府という機関が置かれることになりました。

統監府は外交権を保有し、韓国の内政に関与する権限も持っていました。

そのトップである初代統監に就任したのが、伊藤博文でした。

 

犯人は韓国の独立運動家だった?

1909年10月、伊藤博文は日露関係の会談のため満州※に渡っていました。

この時、すでに伊藤は統監を辞めています。

列車内でのロシアの蔵相と会談を終え、ホームに降りた伊藤。

そこへ3発の銃弾が撃ち込まれました。

犯人は安重根あんじゅうこん(アンジュングン)という、韓国の独立運動家であるというのが通説です。

満州とは中国の東北一体(現在の遼寧・吉林・黒竜江省辺り)のことを指します。

安重根とはどんな人物?

安重根は黄海道海州(現在の北朝鮮海州市)に生まれ、日本の植民地支配に抵抗する活動を行っていました。

日本側から圧力を受け、ロシアに亡命したこともあったそうです。

彼にとって統監府の初代統監を務めた伊藤博文は、許しがたい存在であったことでしょう。

ハルビン駅のホームで伊藤博文を銃で撃った安重根は、その場でロシア兵に取り押さえられます。

そして翌年3月、伊藤の死亡時刻に合わせ、銃殺刑に処せられました。

日本から見るとテロリストですが、日本の植民地支配への反発から、韓国と北朝鮮では英雄視されているといいます。

ロシアの陰謀説

伊藤博文を暗殺したのは安重根、これは教科書にも載っています。

ですがおまけとして、ロシアの陰謀説をご紹介したいと思います。

どうやら安重根の証言と目撃者の証言が一致しなかったり、ロシア側には被害は一切なかったことなど、

不思議なことがいくつかあるそうなのです。

そこで安重根は犯人に仕立て上げられたという可能性も、なきにしもあらずです。

では、本当にロシアが黒幕であった場合、なぜ伊藤博文は狙われたのでしょうか。

それはロシアが、日露戦争に負けたのは伊藤博文が原因と考えていたのではないか、と言われることがあるようです。

伊藤は親露派の立場を取っておきながら、日英同盟(1902年)を結んだ。

そしてロシア側の体制が整っていないのを良いことに、戦争へ突入させた。

つまり、伊藤が裏切りこそが日露戦争の敗北へと繋がったと考えていたのではないか、ということです。

この説は憶測の域を出ませんが、政治家というのは誰にどのように恨まれるかわからない職業なのですね・・・・・・。

 

韓国併合へ

1910年8月、韓国併合条約が結ばれます。

この条約によって、日本は韓国を植民地としました。

この条約締結のきっかけとなったのは、韓国首相・李完用りかんようの襲撃事件と伊藤の暗殺事件だったといいます。

軍事や行政を統轄する朝鮮総督府が設置され、同化政策※なども行われるようになりました。

この支配は1945年、日本が太平洋戦争で負けるまで続くことになります。

同化政策とは植民地支配を行っている民族に対して、本国の生活様式や思想などを植えつけようとすることです。

当時の韓国の学校では日本語や日本史を教えていたといいます。

 

きょうのまとめ

今回は伊藤博文暗殺事件を軸として、かつての日本と朝鮮半島の関係などについてご紹介しました。

① 伊藤博文は初代統監に就任した

② 伊藤博文暗殺事件の実行犯は安重根というのが通説

③ 伊藤博文暗殺事件などがきっかけとなり、韓国併合が行われた

今でもギクシャクすることがある日本と朝鮮半島の国ですが、過去にはこういった歴史があったのです。

こちらのサイトでは、他にも伊藤博文に関する記事をわかりやすく書いています。

ご興味をお持ちの方は、ぜひご覧になってくださいね。

 

伊藤博文の年表を含む【完全版まとめ】記事はこちらをどうぞ。
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