麒麟がくる第三十八回「丹波攻略命令」【あらすじ簡単まとめ】

 
 
※ネタバレあり
 
大河ドラマ麒麟きりんがくる』
 
第三十八話で描かれたのは、家臣への処遇を巡る信長と光秀の衝突。

そして、新境地・丹波の攻略へ向けて動き出した光秀の一幕でした。

光秀は信長のどういった動きに反発したのか?

また、丹波攻略を巡って光秀が頼った人物とは?
 
以下よりあらすじを辿りましょう!

 

合わせて読みたい
麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「麒麟がくる」感想あらすじまとめ

 

麒麟がくる(第三十八話)のあらすじ

1574年秋、織田軍は河内を戦場に、三好の一党や織田家に反発する一向一揆を駆逐。

光秀(演:長谷川博己)は佐久間信盛(演:金子ノブアキ)、細川藤孝(演:眞島秀和)とともに挙兵し、河内を拠点としていた三好家を退ける武功を挙げました。

そんな渦中において、今回は信長(演:染谷将太)と光秀がちょっとした衝突を起こすこととなります。

信長と光秀の衝突

信長と光秀が衝突を起こしたのは、信長の家臣への処遇を巡ってでした。

信長は今回

・将軍足利義昭(演:滝藤賢一)と通じ、信長打倒を企てていた三淵藤英(演:谷原章介)の処刑

・美濃の国衆・稲葉一鉄(演:村田雄浩)のもとから、光秀のもとへ逃げてきた斎藤利三(演:須賀貴匡)を稲葉に返す

という二点を光秀に命じます。

有能な三淵は今後織田家の心強い味方になったかもしれず、斎藤利三には、稲葉を見限ったまっとうな理由がある。

このことから、光秀は信長に強く反発するのです。

信長も一時は頭に血が上り、光秀を突っぱねようとしますが、何より今回、彼は光秀に委ねたい大きな計画を企てていました。

そのため斎藤利三の件は光秀の意見に耳を貸し、交換条件とでもいうかのように、光秀にとある大任を言い渡すのです。

信長の「丹波攻略命令」

果たして信長が企てた一大計画とは、京より西隣に位置する丹波を攻略することでした。

河内を落とした今、畿内において織田家の敵は、摂津の一向宗総本山・本願寺、そして義昭に与する者の多い丹波のみ。

丹波を落とすことができれば畿内の覇権はほぼ手に入れたに等しく、信長は光秀にこれを「何年かかっても成し遂げよ」と命令するのです。

この命を受け光秀が頼ったのは、京を追われ、丹波へと逃げおおせていた元関白・近衛前久このえさきひさ(演:本郷奏多)でした。

前久の協力を得て、丹波の国衆と相対する機会を得た光秀は戦をせず、丹波を織田家サイドに引き入れる手立てを模索します。

しかし奮闘もむなしく、信長には従わなかった丹波の国衆。

こうして1575年夏、光秀はやむを得ず、丹波への侵攻に歩を進めることとなります。
 

麒麟がくる(第三十八話)の見どころ

ここからは今回の見どころを詳しく見ていきましょう!

三淵藤英の死

今回、光秀と信長が衝突した原因のひとつに、三淵藤英の処刑を信長が命じたことがありました。

この理由は、信長の管理下にある河内・若江城より、紀州・由良に逃げ延びた足利義昭と三淵が文を交わし、密かに通じていたためです。

義昭は信長打倒を未だに唱えているわけですから、それに協力しようとした三淵を処刑するのは当然の流れに思えます。

ただこれに反感を覚えた光秀には、三淵は今死ぬには惜しい人物だという想いがあったんですよね。

処刑を言い渡された際の三淵とのやり取りが、その心中を物語ります。

光秀:「私が堺へ行き、鉄砲を買うために入った店で初めてお会いして、見事な立ち居振る舞いを拝見いたし、おお、これが将軍の奉公衆かと目が洗われる思いでございました。そのお方に死ねとは申せませぬ」

三淵:「生ある限り、信長殿につくことはない。負け惜しみかもしれぬが、捨てられる花にも一度は咲いてみせたという誇りがあるように見える。気のせいかな?」

そう、光秀は三淵は免罪するよう、信長に直訴すると申し出ました。

しかしこれを断った三淵は、自身は飽くまで義昭に忠誠を尽くすと誓った身であると語ります。

死をもってしても、その意志は揺るがないということですね。

「三淵さまは理非をわきまえられた立派なお方でございました。1年後2年後、我らの想いをお伝えし、幕府で培われた力をお借りして共に世を治めていただけたやもしれませぬ。そのお方を何故斬ってしまわれたのか!」

信長の下した命令に対し、こう反発した光秀のその心境は、三淵と腹を割って話し、その内面を垣間見ていたからこそでした。

どんなに不利な立場に立たされようと将軍に従い続けた三淵には、理屈ではない男気を感じさせられますね。

稲葉一鉄を見限った斎藤利三

今回、美濃の国衆・稲葉一鉄良通よしみち)のもとを離れ、光秀の家臣にと申し出てきた斎藤利三

信長は彼を稲葉のもとへ返せと光秀に命じるのですが、光秀はこれにも反発します。

稲葉から離れた理由を知れば、返したところで利三がろくな目に遭わないとわかったからです。

利三は馬の譲渡を巡って稲葉と口論になり、光秀のもとへ飛び出してきたとのこと。

「一貫やるからよこせと仰せになり、百貫でもお譲りいたしませんと申し上げると、この顔目掛けて草履を投げつけられました」

と、彼は言いますが、家臣であるはずなのに、なぜ馬の譲渡をそこまで頑なに拒んだのかも気になりますよね。

するとどうやらこの一件だけでなく、利三は兼ねてから稲葉の動向に疑念を抱いていたようなのです。

稲葉といえば、斎藤高政(演:伊藤英明)を口車に乗せ、斎藤道三との仲たがいに導いた首謀者。

なんとなく鼻持ちならない人物であることは、視聴者としても同意するところです。

案の定、利三が稲葉を見限った真の理由は

土岐頼芸 → 斎藤道三 → 斎藤高政 → 斎藤龍興 → 織田信長

と、稲葉がいつも立場の有利な者に主従関係を乗り換えてきたことにあるといいます。

「侍たる者は己の主君に誇りを持たねば、戦で命をなげうつことはできませぬ」

…と。

そしてなぜ、光秀のもとへやってきたかというと、その理由は「比叡山焼き討ち」での動向にありました。

比叡山焼き討ちでは、信長が女子どもいとわない皆殺しを命じたことに対し、光秀は独断で戦意のない者を逃がしていましたよね。

信長にそこまで毅然とした態度で反発できるのは光秀だけだと、利三はその器量に感銘を受けたようです。
 

「明智さまがご主君なら、いかなる戦にも身をなげうつことができる…」

と、決意を露わにする利三。

そりゃあ、光秀も守ろうとしますよね。

信長の権力を味方につけようとする関白・二条晴義

前回、従五位の位階を授かり、朝廷への出入りを許される身となった信長。

正親町天皇おおぎまちてんのう(演:坂東玉三郎)の嫡男・誠仁親王さねひとしんのう(演:加藤清史郎)からも慕われ、朝廷の要人のあいだでもその権威は強まる一方の様子です。

と、ここで登場したのは、天皇から親王への譲位の話でした。

天皇は親王へ皇位を継承し、自身は上皇として盤石な体制で国を治めていきたいと考えているとのこと。

この件に関してなぜか関白・二条晴義(演:小藪千豊)が、事の次第を急いていたのです。

その理由は、急速に権力を着けてきている信長を自身の味方に引き入れたいがゆえ。

譲位の儀式には膨大な費用が必要ですが、朝廷は財政難ゆえ、信長にその工面を頼らざるを得ません。

そして天皇に心酔している信長はそんな要望も難なく受け入れます。

信長が儀式の費用をもつことになれば、二条は儀式を通して信長と密に連携を取ることになりますよね。

この点を利用し、二条は信長との関係性を確立しようと考えていたのです。

以前は足利家との癒着でその地位を保っていましたが、今や将軍は没落し、信長との関係構築が急がれたということですね。

二条の悪事を危惧した正親町天皇

二条の思惑は、正親町天皇にはすでにお見通しでした。

大納言・三条西実澄さんじょうにしさねずみ(演:石橋凌)からその動向について報告を受けた天皇は

「関白に近づきすぎると、信長も足利家と同じ道を辿ることになりかねぬ」

と一言。

足利家が辿った道というと…

幕府がその権力を利用して横領を繰り返していたことを指しているのでしょう。

やはり、二条も朝廷の権力を使い、悪事の数々に手を貸していたということですね。

そしてこのままでは信長も、二条に利用されてしまう…。

と、ここで天皇が出したのが光秀の名でした。

「万葉好みのかの珍しき鳥は、いかがいたしておる?実澄、かの者と話したいと思う」

織田家家臣で信長を一番にコントロールできるのは光秀であると、朝廷内の噂からすでに天皇の耳に届いていたようです。

信長と共に戦い、二条を挫きたい近衛前久

朝廷での一件とは無関係に思える、光秀の丹波攻略。

しかし丹波を拠点としている元関白・近衛前久とのやり取りから、意外なつながりが露わになってきました。

前久が丹波にやってきたのは、二条や幕府から京を追われた際、本願寺一向宗を頼ったためだといいます。

その流れから、幕府・織田連合軍vs一向宗の戦においては、一向宗サイドについていたという話。

この経緯から、光秀は前久に信長と一向宗が揉めれば、どちらにつくつもりかと尋ねます。

すると前久から返ってきたのはこんな答えでした。

「そもそも、私は信長のごとき武将が好きなのじゃ。何の因果か信長が二条と手を結んだゆえ、かかる仕儀と相成った。

しかし、すでに幕府は消え、二条も落ち目と聞く。この際、信長につかずして誰につく。私にできることなら、なんでも手伝う所存ぞ」

要するに、前久としては信長とともに戦い、二条を挫きたいという想いなのですね。

ということは、朝廷を巡る権力問題は、信長が二条を選ぶか、前久を選ぶか…という話になってきそう。

信長が二条に騙され、義昭のように悪事に利用されてしまわないためには、前久とつながっている光秀の手腕が問われそうですね。

京を治める信長を悪い方向へ行かせないために、光秀と話しておきたいと言った天皇の鋭さにも驚かされます。

菊丸の正体に気付いた光秀

今回は家康の忍びである菊丸(演:岡村隆史)の活躍も目立つものがありましたね。

近衛前久を訪ね、丹波・園部を訪れようとした光秀の案内人となったのが菊丸。

光秀に対しては、単に商売をしている関係で丹波の地理に詳しい風を装っているのですが…今回は光秀がその正体に薄々感づいているような描写がありました。

医師助手の駒(演:門脇麦)に対し、丹波からの帰り道で薬を置いてくる寺の名前をたしかめたいといい、菊丸がメモを取っていた場面のこと。

光秀はメモを取る菊丸を横目に、このとき、とあることに気付くのです。

以前、足利義昭に従い、上洛を目指した武田信玄が道半ばで引き返した折、光秀はその理由が信玄が亡くなったためだという文を何者かから受け取っていました。

差出人は不明だったのですが、その文と菊丸の筆跡が、なんと同じだったのです。

ただ、味方であったとしても忍びが正体を知られることはご法度。

それを配慮したかは定かではありませんが、光秀が菊丸とのやり取りでそのことに触れることはありませんでした。

しかし、丹波までの案内を終えて別れる際、丹波に協力してくれそうな国衆がいないかを、光秀が菊丸に尋ねたのは、彼の正体を知ったがゆえではないでしょうか。

海外文化に興味津々な信長

織田信長といえば、海外からやってくる宣教師の布教活動に寛容だったことが知られていますよね。

そんな宣教師たちと信長が共鳴した理由も、今回は描かれていました。

信長に呼びだされた際、岐阜城の廊下で宣教師とすれ違った光秀。

案の定、光秀を待っていた信長はついさっきまで宣教師と話をしていた様子で、彼らが持ってきた世界地図を指さし、嬉しそうにこう話すのです。

「あの者たちはここから参ったのじゃ。ルソンやゴアより向こうの地の果てから。己の信じる神の教えを広めるためにじゃ。

そなたと大きな世を作ろうと話したが、あの者たちの志も負けずに大きい。話すと面白い」

(※ルソン;フィリピン諸島にある島 ゴア:インド西海岸の州)

なるほど、海を越えて新境地を開拓しようという壮大な志に、信長は共感する部分があったわけですね。

これは史実の信長もひょっとすると、同じ思いだったかもしれません。

また金平糖はこの時代にポルトガルから伝わったお菓子だというのも、ちょっとしたトリビア。

和菓子だと思っていた人も多いのでは?

今回は

「ポルトガルの味がするぞ!」

と、信長が光秀に勧めていましたね。

あんたポルトガル行ったことないやろ…というツッコミは置いといて…。

信長からもらったマントを光秀が身に着けるシーンでは、娘たちや左馬之助(演:間宮祥太郎)が必死に笑いを堪えるシュールな描写も登場しました。

そして、周りがどれだけ笑っていても

「大層お似合いですよ!都で見た南蛮人のようでございます!ねえ?」

と光秀を立てる熙子ひろこ(演:木村文乃)。

…いい奥さん過ぎる。

 

麒麟がくる(第三十八話)のまとめ

今回、家臣の処遇を巡って信長と衝突した光秀。

ただ、衝突しても信長にとってやはり、光秀ほど頼りにできる家臣はいないらしく、結局は譲歩する。

こういった関係性から今のところはなんとかバランスが取れているように見えますが、やっぱり危なっかしい…。

決別へと向かって行くふたりの予兆は、回を追うごとに強まっている気がします。

また、今後は朝廷内の権力関係がどう動いていくのかも気になるところですね。

最後に今回のまとめです。 
 

 
三淵藤英の処刑、斎藤利三の処遇を巡って信長と光秀が衝突。信長は光秀に丹波攻略の案を委ねたかったため、交換条件のような形で利三を見逃した。

丹波攻略を巡って光秀に協力することとなった近衛前久。一方、信長は二条晴義から癒着を迫られており、どちらを取るかが今後の治世の命運を分けそう。

光秀は前久を頼り、丹波の国衆と話をすることで打開策を見出そうとしたが、国衆は信長には従わず。丹波攻略戦へと突入する。  
 

さて、次回は本願寺一向宗との決戦です。

信長が鉄砲で撃たれたり、光秀が倒れている描写がありましたが…これはいったいどういう展開?

とにかく、かなり苦戦を強いられるようですよ!

 
目次に戻る ▶▶
 

麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「麒麟がくる」感想あらすじまとめ

 










合わせて読みたい記事



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

sixteen − six =