19世紀ドイツの音楽家にして「楽劇王」の異名を持つ、
リヒャルト・ワーグナー。
ロマン派の歌劇作品を多く制作し、音楽界の巨匠の一人に位置付けられています。
彼の作品は現代でも多くの人々に愛される一方で、興味はあるけれどまだちゃんと聴いたことはない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ワーグナーの数々の有名な作品の中から、彼の主な代表曲をご紹介していきます。
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ワーグナーの代表曲『ニーベルングの指環』より
まず最初にご紹介するのは、4部作からなる楽劇、『ニーベルングの指環』です。
ワーグナーはこの代表曲を「序夜と三日間のための舞台祝典劇」と題しました。
上演時間はなんと、合わせて約15時間。
それぞれ独立した物語を4日に渡って演奏する作品です。
以下でそれぞれの特徴を見ていきましょう。
『ラインの黄金』
1854年に制作されたこの作品は「序夜」に当たる曲で、4日間の最初に演奏されます。
タイトル通り、ライン川の川底にある「ラインの黄金」で作られた指環がカギとなる物語です。
4部作の中で最も短い2時間30分の作品です。
『ワルキューレの騎行』
第1夜の楽劇、『ワルキューレ』の第三幕で、前奏曲に当たるこの曲は、1856年に制作されました。
北欧神話に登場する、「戦死者を選ぶ」という意味を持つ美しい半神のワルキューレたちが、戦死した兵士を山に持ち帰る場面です。
『ジークフリート』
第2夜に当たるこの作品は、『ワルキューレ』から10年以上後の1871年に制作されました。
双子の兄妹の間に誕生した恐れ知らずの英雄、ジークフリートの冒険物語を描いています。
『神々の黄昏』
最終幕に当たるこの作品は1874年に制作されました。
全ての呪いの元凶となっていた指環がライン川の川底に戻り、その呪いが解けエンディングを迎えます。
ワーグナーの代表曲 『タンホイザー』より
次にご紹介するワーグナーの代表曲は、全3幕で構成される歌劇『タンホイザー』。
正式には、『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』と言います。
舞台は13世紀初頭。
官能と快楽の世界に溺れた中世の騎士、タンホイザーの生涯を描いた作品です。
中でも特に有名な曲を見ていきましょう。
『序曲』
壮大な自然を感じさせる、金管楽器を中心として迫力に満ちた、劇的なメロディーが特徴です。
ワーグナー作品の特徴がよく表れている曲と言えます。
『巡礼の合唱』
この曲では、領主に追放されてヴァルトブルク城を去るタンホイザーの姿が描かれます。
『歌の殿堂をたたえよう』
大行進曲であるこの曲は、歌合戦のために続々と舞台に上がる演者の背景で流れ、最後は出演者全員による合唱が始まります。
ワーグナーの代表曲 その他
ここからは、ワーグナーのその他の代表曲を4作、まとめて簡潔にご紹介していきます。
『婚礼の合唱』
舞台は10世紀前半のベルギー・アントワープ。
ワーグナーの作品の中でも人気の高い歌劇、『ローエングリン』の劇中歌で、ロマンティック・オペラです。
タイトルから想像できるように、結婚式でもよく使用されるため、耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
『さまよえるオランダ人』
ワーグナーが作曲した10作のオペラ作品のうちで最初の作品である本作。
初期作ということもあり内容も展開も分かり易く、彼の実体験を基に制作されていることが知られています。
「船に乗る呪われたオランダ人の船長が、永遠にさまよい続ける」といった物語です。
ワーグナーのオペラ作品の入門としておすすめです。
『トリスタンとイゾルデ』
全3幕からなる楽劇である本作の主人公は、タイトルの2人。
王に嫁ぐため船に乗るアイルランドの姫イゾルデと、その船の舵取りであるトリスタンの悲恋を描いた物語です。
元々はヨーロッパで語り継がれた恋愛物語を基に、ワーグナーが愛の究極のかたちを賛美しています。
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
先にご紹介した『タンホイザー』とは反対に、喜劇作品として制作された本作。
求婚のための歌合戦が繰り広げられたり、芸術の素晴らしさを表現するような明るい雰囲気に満ちています。
ちなみに「マイスタージンガー」とは、「親方歌手」と訳すことができます。
きょうのまとめ
今回はドイツを代表する楽劇王、リヒャルト・ワーグナーの主な代表曲をご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
何か気になる作品はありましたか。
最後に、今回の内容を簡単にまとめると
① 19世紀に活躍したドイツの音楽家、ワーグナーは、有名なオペラ作品を多く遺している。
② ワーグナー作品の中には、一日では上演しきれないほど長大なものもある。
③ ワーグナー作品は、喜劇、悲劇共に壮大なスケールのものが多い。
ドイツロマン派の頂点を極めたワーグナー。
今回ご紹介したもの以外にも、彼にはまだたくさんの有名な代表曲があります。
興味を持たれた方は是非一度、彼の作品に浸ってみて下さい。
あなたの感性を刺激するのは、一体どの曲でしょうか。
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