※ネタバレあり
大河ドラマ『麒麟がくる』
第十七話で描かれたのは、斎藤道三とその嫡男・高政による長良川の戦い。
この戦いで道三は討たれ、次に滅ぼされるのは、高政に逆賊と見られた明智の一族です。
この状況において、光秀の叔父・明智光安が下した決断とは…?
以下よりあらすじを辿っていきましょう。
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麒麟がくる(第十七話)のあらすじ
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(第17回より)#麒麟がくる #麒麟File#斎藤道三 #本木雅弘#斎藤高政 #伊藤英明 pic.twitter.com/AtL0O39SNV— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) May 12, 2020
1556年4月、斎藤道三(演:本木雅弘)と嫡男・高政(演:伊藤英明)による美濃を二分する戦がついに口火を切ります。
長良川を挟んで対峙した両名…兵力は道三が二千、高政が一万二千という圧倒的差。
織田信長(演:染谷将太)や明智光秀(演:長谷川博己)も道三の援軍に駆け付けようとしますが、もはや負けは確実という戦況でした。
そんな折、道三が取った行動は、単身高政の陣へと乗り込んでの一騎打ち。
激しいぶつかり合いの末、道三は四方を取り囲んだ高政の兵によって討ち死にすることになります。
そして駆け付けた光秀を始め、明智家は逆賊として高政の次なる標的に…。
これを受け、高政の攻撃に備えるべく明智城へ向かった光秀。
彼を待っていたのは、叔父・光安(演:西村まさ彦)からの家督相続と「明智の荘を捨て、逃げ延びよ」という言葉でした。
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麒麟がくる(第十七話)の見どころ
続いて今回の見どころを詳しく振り返っていきましょう。
道三VS高政の一騎打ち…勝ったのは道三?
「高政にぶつかるように倒れ込み、道三は最期を迎えました。その姿は、もしかすると最初で最後の、父と子の抱擁に見えたかもしれません。みなさんには、どう映ったでしょうか?道三は散りましたが、これからは光秀、高政、信長の心の中で生き続けるはずです」(本木雅弘)#麒麟がくる pic.twitter.com/Wjhn4BMyAe
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序盤、高政自らが率いる本陣の侵攻になす術なく見えた道三でしたが、単身馬に乗ると高政の陣に乗り込み、一騎打ちを申し込みます。
高政もこれを受け入れ
「手出し無用!」
と自ら前へ。
こうして一騎打ちが始まると、道三は自らの心中を吐露しながら、我が息子へと槍を振るいます。
「己を偽り、人を欺く愚か者には下らぬ!そなたの父の名を申せ!」
当然、自身の出世のため、国衆たちに「土岐源氏の血を引いている」と言いまわっている高政がこれに正直に答えるようなことはありません。
「我が父は土岐頼芸様!土岐源氏の頭領ぞ!」
と叫び、道三の問答に答えます。
しかし…その後ろめたさに動揺を隠せない高政。
彼はふたりの一騎打ちを取り囲んでいた家臣たちに、道三を討つよう命じます。
こうして、四方から突き入れられた道三はもはやこれまでか…という状態に。
ただしそこはマムシの道三、ただで死ぬようなことはありません。
道三は相対した高政にしがみつくと一言、こう言い残します。
「我が子高政…愚か者。勝ったのは道三じゃ」
そう、高政は自身の出世を考えた際に、親殺しの汚名は都合が悪いと、道三を殺さず、生け捕りにしようと考えていました。
それを道三は高政の動揺を誘い、殺すように仕向けたのです。
土岐源氏の名を語ってきた高政の策略はこれで水の泡。
道三は息子の出世の道を閉ざしたことで、この戦が自分の勝ちだと言ってのけたわけですね。
愚か者の高政に家督を譲ったけじめをきっちり取って死んでいく…見事な散り際でした。
そして道三の亡きがらを前に、涙を浮かばせる高政。
彼が親殺しをしたくなかった本当の理由は、実の父道三を敬う気持ちが心の隅にあったからではないでしょうか。
光安から光秀への家督相続
「光安には、ドラマのなかでほっと息がつけるパートを担ってもらいました。光秀への最後の言葉は、叔父ではなく父として語ってほしいと話しました。西村まさ彦さんは、明智の誇りと気高さを見事に表現。光秀の今後を支えるメッセージになったと思います」(演出・大原拓)#麒麟がくる pic.twitter.com/SMVl2lGReb
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光秀が道三の最期に駆け付けると、高政は彼が道三に味方したことをとがめ、こう問います。
「今一度ワシの元に参れ。ワシの行う政を助けよ。さすればこたびの過ちは忘れよう」
道三をはじめとする家族を敵に回した高政にとって、気心の知れた学友である光秀は、心のよりどころのようなところがありました。
最後には自分の味方をしてくれる…高政にはそんな望みもあったのではないでしょうか。
しかし光秀が再び高政に味方するようなことはありません。
「ワシは土岐頼芸様にお会いして、一度も立派なお方と思ったことはない。しかし道三様は立派な主君であった。己への誇りがおありだった。ワシは…そなたにはくみせぬ」
こう、光秀がきっぱり断ったことで明智家は逆賊とされ、高政の次なる標的は明智城に向けられます。
この攻撃に備えるため、明智城へ向かった光秀を待っていたのは、叔父・光安からの家督相続でした。
光安は兄・光綱から譲り受けた明智家の旗印を光秀に手渡し、こう言います。
「城を失うのは辛い。亡き兄上に申し開きができぬ。しかし…明智家が滅びることはなんとしても避けねばならぬ。そなたは逃げ延び、明智家の主として、再び城を持つ身になってもらいたい。そなたなら、それがやれる」
当の光安は城に残り、城の最後を見届けてから後を追うと言いますが…
高政が三千の兵を連れているのに対し、明智は三百…この場に残って、逃げ延びることなどできるのでしょうか。
後を追う、という言葉は「討ち死にした道三の」という意味に聞こえて仕方がありません。
ともあれ、こうして光秀は光安の長男・左馬之助(演:間宮祥太郎)を連れ、美濃を離れることになります。
「明智の荘に残る」と固い意志を見せた牧を説得したのは…
光秀が美濃を離れるとなると、藤田伝吾(演:徳重聡)を始めとする明智家家臣たちは、武士ではなくなり、元居た百姓の暮らしに戻ることになります。
この家臣との別れのシーンがまた辛い…。
「みな、達者でおれよ。また会おう!また会おうぞ!」
と、涙ながらに言う光秀。
いずれ明智家を再建し、支えてくれた家臣たちをまた迎え入れたい…そんな想いがあるのでしょう。
ただその最中、明智家が美濃を去ることに異論を唱えたのは、光秀の母・牧(演:石川さゆり)でした。
「私はここに残ります。ここで死ぬは本望!」
…と。
牧は夫・光綱が亡くなった折、
「自分も消えてしまいたいぐらいだったけれど、明智の荘を守っていくのが残された者の務め」
と、口にしたことがありましたよね。
その牧からすれば、明智の荘を捨てて逃げることなど、やはり許されることではないのです。
しかし、牧だけを残して光秀も逃げるわけにはいかず、このままでは一族は共倒れになってしまいます。
そんな牧を説得してみせたのが、伝吾です。
「大方様…大事な田や畑、山や川は、この先10年、20年、みなで守っていこうと思うております。それをまた見ていただくために…今日は旅に出てくださりませ」
自身が美濃を去っても、牧が守りたかった明智の荘の景色は、変わらず受け継がれていく。
その想いが、光綱の形見ともいえる明智の荘と共に散ろうという牧の心を動かします。
麒麟がくる(第十七話)のまとめ
齋藤道三は死に、美濃は完全にその子・高政のものに。
そして明智の一族も故郷を追いやられ、美濃の国は一気に様変わりすることになりました。
最後に今回のまとめです。
① 道三は高政に親殺しの汚名を着せ、出世の道を閉ざすことで、家督を譲ったけじめをつけた。
② 光秀に家督を譲り、逃げ延びて明智家を再建せよと命じた光安。「ワシもすぐ後を追う」というのは、討ち死にした道三の…?
③ 明智の荘と運命を共にしようとする牧を説得したのは、彼女の愛したその景色をみなで守っていくという、伝吾の想い。
赴いた先は、越前・朝倉氏の元のようですが…。
朝倉義景、この人もまた只者ならぬ空気を漂わせていますね。
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