柴田勝家の家紋「二つ雁金紋」その意味とは?

 

柴田勝家しばたかついえ家紋

「二つ雁金紋かりがねもん

見た目は、他の家紋と比べても可愛く、ユーモラスさを感じます。

柴田勝家はなぜ、この家紋を用いたのでしょうか。

 

柴田勝家の家紋とその意味

柴田勝家

柴田勝家像
出典:Wikipedia

柴田勝家の家紋「二つ雁金紋」にはどのような意味があるのでしょうか。

また、柴田勝家にはその他にも家紋があったようです。

雁金とは

雁金とはガンの別名です。

ガンは、カモ目カモ科の水鳥で、カモより大きく白鳥より小さい鳥です。

雄と雌の色は同色で、最近急激な減少もあり、日本では保護鳥の対象となっています。

ガンは常に群れで飛ぶことから、結束や絆を象徴する鳥とされています。

また、「ガン」と「がん」をかけて、願いが叶うという意味もあります。

中国故事の雁(かり)

中国・漢の武帝の時代です。

漢の使節として匈奴きょうど(現モンゴル地方)に向かった蘇武そぶが囚われてしまいます。

その時、雁に手紙を結び、故郷に無事を届け続け、ついに帰国できた

という故事があります。

この故事から雁は「良い知らせ」を運ぶと言われ、縁起の良い鳥とされています。

柴田勝家の二つ雁金紋の謎

柴田勝家の家紋は二つ雁金紋です。

通常、二つ雁金は二羽とも口を閉じている。

しかし、柴田勝家の家紋は上の雁のみが口を開けているという違いがあります。

なぜ、このような形になっているかは定かではありませんが、一説では仏教語に「阿吽あうん」という言葉があり、それぞれ以下のような意味だと言われています。

・口が開いている方

阿形あぎょう「真実や求道心」

・閉じている方

吽形うんぎょう智慧ちえ涅槃ねはん

涅槃とは:一切の煩悩ぼんのうから解脱げだつした、不生不滅の高い境地。転じて、釈迦や聖者の死。入滅。

この阿吽は狛犬や沖縄のシーサー、仁王など、一対で存在する宗教的な像に用いられています。

柴田勝家だけではない?雁紋を用いた武将

雁紋を用いた武将は柴田勝家以前の人物にも用いられています。

平安時代、源平盛衰記には平忠度たいらのただのりが雁の紋のくらを用いたとされます。

また、源氏側の土佐坊昌俊とさのぼうしょうしゅんが雁の旗を用いたとされています。

信濃でも雁紋を用いた武家が多く、

・海野一族

・井上氏

・赤井氏

・信濃源氏

などが用いました。

近代では第29代内閣総理大臣、岡山出身の犬養毅いぬかいつよしも「三つ雁金紋」の一族でした。

 

柴田勝家、もう一つの家紋?

当時、武家ではほとんどの家が複数の家紋を持っていました。

柴田勝家も替紋として五瓜ごか唐花紋にとうかもんを用いています。

五瓜に唐花紋は鳥の巣をデザインしたもので、子孫繁栄の想いが込められています。

実は織田信長も複数の替紋の一つに、この五瓜に唐花紋を用いています。

織田家の重臣であった柴田勝家が、五瓜に唐花紋を用いていたことは偶然ではないかもしれません。

 

きょうのまとめ

柴田勝家の用いた家紋とその意味について見てきましたが、いかがでしたでしょうか

柴田勝家の家紋の意味とは、

① 雁金はガンのことで「願」をかけて、願いが叶うという意味がある。

② 雁金は群れで飛ぶことから結束や絆を象徴する鳥。

③ 中国の故事でも雁金は「良い知らせ」を運ぶと言われ縁起の良い鳥。

④ 柴田勝家の二つ雁金紋は上の一羽のみ、くちばしが開いている珍しい家紋

⑤ 雁金紋の武家は昔からあり、信濃の武家などが積極的に用いていた。

⑥ 柴田勝家の替紋「五瓜に唐花紋」は当主織田信長と同じ家紋を用いていた

と言えるのではないでしょうか。

柴田勝家については、他にも色々な記事があります。

よろしかったらご覧になってみて下さい。

 

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