仏教の始祖・釈迦の名言を紹介!苦しみに打ち克つための思想に迫る

 

紀元前6~5世紀にかけて、自らがいたった悟りの境地をもって、インド各地を渡り歩き、その教えを世に広めていった

釈迦…よく知られた別名ではブッダとも呼ばれます。

釈迦の教えは日本人にも馴染みの深い仏教。

彼の名言を辿れば、何千年もの間、多くの人の支えとなってきた思想に触れることができるでしょう。

今回は釈迦の代表的な名言をもとに、その人物像の一端に迫っていきます。

 

苦しみの正体を捉えた名言

釈迦

釈迦
出典:Wikipedia

沈黙していても非難され、多くを語っても

沈黙していても非難され、多くを語っても、少しだけ語っても非難される。つまりこの世に非難されない者などいないのだ

釈迦はもとはといえば王族の生まれで、その生活はとても裕福なものでした。

しかしそんな生活のなかで彼は「老・病・死」という、人間が避けられない苦しみを目の当たりにし、いくら恵まれた生活を送っていても、苦しみは避けられないことを実感したのです。

この名言にはそのとき釈迦が感じた「苦しみはその人の地位や行いに関係なくやってくる」ということが表現されています。

壮大な岩が風に揺るがないように

壮大な岩が風に揺るがないように、賢者は非難にも称賛にも動じない

どのように生きても、苦しみがやってくることに変わりはないというのは、あまりにも救いがないように感じます。

それなら真に幸福な生き様とはいかなるものなのか…その答えを示したのがこの名言。

賢者、つまり悟りを開いた者にとっては、非難も称賛も、己の幸福に関係がないというのです。

これはつまり、苦しみも快楽も、どのように感じるかは、その人の捉え方次第だという意味。

試練だと捉えれば、苦しみは自分を成長させてくれるチャンスになります。

称賛におごることなく、ありがたいと真摯に受け止めることができたら、次に称賛を得られなかったとしても、落胆することはありません。

苦しみを苦しみだと解釈しているのは自分自身で、本当は単なる出来事のひとつにすぎないというのが、釈迦が辿り着いた悟りの境地なのです。

 

失敗することの意味を表した名言

最大の名誉は決して倒れないことではない

最大の名誉は決して倒れないことではない。何度倒れても起き上がることである

釈迦は最終的に悟りを開き、苦しみにも動じない心へと辿り着くのですが、この名言はそれまでに自分が苦しんできた過程にも意味があることを表しています。

釈迦は苦しみを克服する方法を求めて出家した後、さまざまな修行を試みますが、当初は失敗の連続でした。

苦行の末に生死の狭間をさ迷ったものの、結局何も体得できず、仲間から嘲笑われるなど…普通なら嫌になって投げ出してしまいそうな境遇に置かれます。

しかしそれでも屈せず、苦しみを克服する方法を考え続けたから、釈迦は苦行とは別の瞑想修行へ辿り着いたのです。

生死を問われるような苦行からは何も得られなかったかに見えて、それもまた新たな修行の方法に気付くには不可欠だったのでしょう。

 

勇気を与えてくれる名言

なるようにしかならないのだから、悩んでも仕方がない

なるようにしかならないのだから、悩んでも仕方がない。今を切に生きよ

瞑想修行とは「今この瞬間」に意識を集中させることです。

今に集中する…と口にすることは簡単ですが、人間は油断するとすぐに今以外に意識が行ってしまいます。

たとえば行動を起こす前から「失敗したらどうしよう…」と悩んでしまうことは一見自然なことにも思えるでしょう。

しかし釈迦からすれば、それは悩んでも仕方がないこと。

頭のなかでいくら考えを巡らせても、行動に移さなければ事態は変わりません。

悩んでいる間にも行動を起こすべきだと、彼は説いているのです。

…といっても、それがなかなかどうして難しいから、釈迦が偉人として称えられているともいえますね。

以前は怠けていた者でも、これから怠けることがないのなら

以前は怠けていた者でも、これから怠けることがないのなら、この世を照らす人物にもなり得る

「失敗したらどうしよう…」と未来を憂いることもそうですが、過去も同様に考えても仕方がないことです。

「自分はなんてダメなんだ…」と思ってしまう機会は誰にだってありますが、だからといってこれから先すべてがダメということはなく、ダメなのは過去でしかありません。

要するに自分が怠け者だと思うなら、これから直していけばなんの問題もないじゃないか…と、釈迦は説いているのです。

それにしても「この世を照らす人物にもなり得る」とは…失敗して落ち込んでいるときなどに、奮い立たせてくれる名言ですね。

 

きょうのまとめ

釈迦が何年も厳しい修行をして辿り着いた悟りの境地。

その名言を辿ってみると、意外にもシンプルな教えだということに気付きませんか?

これは人間の悩みは意外に単純なものだということと同時に、誰しも気付きを得られるようにと、釈迦の配慮が名言に込められているからだとも取れます。

悩みを抱える多くの人と同じように、釈迦自身も多くの悩みと向き合ってきました。

そういう人たちの気持ちがわかるからこそ、彼は万人に手を差し伸べるのでしょう。

最後に今回の内容を簡単にまとめておきます。

① 苦しみは万人にやってくる。しかしそれを苦しみと感じるかは捉え方次第

② 間違った方法を試すことも、正解に近付くためには不可欠な要素

③ 過去を悔やんでも、未来を憂いても仕方がない。大切なのは今何をするか

紹介した名言のどれをとっても、逆境に打ち克つことに主眼が置かれているとわかります。

何か現状に悩んでいるという人は、釈迦の教えに触れてみると、気付きがあるかもしれませんね。

釈迦の年表を含む【完全版まとめ】記事はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「釈迦とはどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】」

 

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