リチャード1世はどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】

 

12世紀末、獅子心王、“ライオンハート”を持つ王として世界を恐れさせ、勇気づけた男がおります。

戦場にかけたその力とプライド。

中世に咲いた“騎士道の花”、その名はイギリス国王

リチャード1世です。

 

リチャード1世とはどんな人

プロフィール

イングランド王
出典:Wikipedia

  • 出身地:イギリス、オックスフォード
  • 生年月日:1157年9月8日
  • 死亡年月日:1199年4月6日(享年41)
  • イギリス国王。ライオンハートとたたえられる勇猛さで十字軍などに活躍

 

リチャード1世の年表

年表

1157年(0才)リチャード1世生まれる

1173年(16才)父ヘンリー2世と戦い敗れる

1189年(32才)父ヘンリー2世亡くなる。リチャード1世イギリス王即位。

1190年(32才)第3次十字軍に旅立つ

1192年(34才)サラディンと休戦協定を結ぶ。ドイツ捕囚。

1194年(36才)ドイツ捕囚から解放

1199年(41才)リチャード1世亡くなる

 

骨肉の同族争い

リチャード1世の若いころの問題はなんといっても同じ親族の男たちとの争いです。

ライバルは多すぎます。

兄貴の若ヘンリー。

弟のジェフリー。ジョン。

そして親父のヘンリー2世です。

「あいつが敵で、こいつが味方」

もう何が何やらわからない兄弟父子対決。

戦争やりまくりで最後に勝ち残ったのがリチャード1世です。

 

騎士道の花

リチャード1世はイギリス国王に即位すると、念願だった第3次十字軍に早速参加します。

まずアラブに入る前に、シチリアで妹が閉じ込められていたので武力で解放。

ついで、キプロスで婚約者が拉致られたので武力で解放して結婚。

さすが“騎士道の花”です。

 

リチャード1世の孤立

リチャード1世はほかの国々には遅れてやっと十字軍前線に到着。

しかし、十字軍に参加する諸侯たちは気持ちがバラバラです。

しかも、リチャード1世のちょっと強引な性格についていけせん。

みんな「おれ帰るわ」と一人ぬけ、二人ぬけ、気付けば残っているのはリチャード1世その人だけです。

 

十字軍をめぐる意外な敵と味方

手ぐすね引いて待っているのはアラブ軍

しかもそれを率いるのはアラブ側のレジェンド、サラディン大王です。

リチャード1世はサラディン相手に激闘を重ねます。

しかし、はるばる敵地に遠征しに来ているリチャード1世の方が、戦争が長引けば長引くほど不利

大きな理由として2つ挙げられます。

①付いてくる人々の士気が下がってゆきます。アラブ側は自分たちなじみの領土を守るのですから、まだ士気をキープしやすいですね。

②イギリス本国では弟のジョンがフランスなどとつるんで王位を奪い取る活動をしていることが耳に入るようになります。

サラディンはその辺、見すましたもので、和平の話を持ちかけます。

リチャード1世はこれに応じ、本国イギリスへの帰還、を目指します。

ところが……。

 

 

リチャード1世、人質になる

リチャード1世らの乗る船が難破

リチャード1世は仕方なく陸路で帰ろうとします。

が、ここで大変なことが起こります。

十字軍でリチャード1世に愛想をつかして帰国した諸侯のうちの一人にオーストリア公レオポルト5世がおります。

あの時、レオポルト5世はリチャード1世に大恥をかかされたことがあり、リチャード1世のことをとてもにくんでおります。

レオポルト5世は自分の領地を通過しようとするリチャード1世を捕まえます。

そして、その身柄を神聖ローマ皇帝ハインリヒ6世のもとへと引き渡し。

ハインリヒ6世はものすごく高額な身代金をイギリス本国に要求しました。

これに対し、イギリス本国は身代金を一生懸命になってなんとかかき集め、リチャード1世を解放しました。

そして、やっと本国に帰り着いたリチャード1世は、留守中いろいろ陰謀を働いていた弟ジョンをきっちりやっつけます。

 

リチャード1世の死とその後

リチャード1世はここからライバル、フランスとの戦いに本格的に身をささげます。

フランス王フィリップ2世は戦争ではリチャード1世におよびませんが、政治力や知力ではずっと上です。

この真逆の性格である二人の激闘は続き、1199年リチャード1世は敵の流れ矢にあたり、その傷がもとで死亡。

前線で突然、というのがリチャード1世の生き方を物語っておりますね。

なお、リチャード1世の「力」と「ほこり」の“心臓”は今も保存され、2013年には科学分析がなされた報道が世界中で話題になりました。

 

 

きょうのまとめ

① リチャード1世は壮絶な同族争いからイギリス王位を勝ち取った

② リチャード1世のピンチにとても力になってくれたのは宿敵のはずのサラディンで、敵になったのは身内であるはずのヨーロッパ諸侯たち?

③ リチャード1世の心臓は粉末となりつつも現存している

なんだかハリウッド映画の主人公みたいです。

ただ、この大スターの維持費はものすごくかかりますよ。

家庭(本国)もほっぽらかしですしね。

フィリップ2世「あの“悪魔”と私、どちらを選ぶ?フフフ……」

 
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