直江兼続の子孫は現在も存在しているのか?

 

主君・上杉景勝の手となり足となり、生涯をかけて上杉家に尽くした義将

直江兼続なおえかねつぐ

上杉家に忠誠を誓い、徳川家に真正面から立ち向かった兼続は波乱に満ちた60年の生涯に幕を下ろしました。

大河ドラマにも主人公として取り上げられるほど、現在でも多大な知名度と人気を誇る兼続ですが、

今現在、そんな兼続の子孫は存在しているのでしょうか。

今回は直江兼続の子孫や、兼続の一族について詳しく解説していきます。

どうぞ最後までお読みください。

 

兼続の子孫は現在も存在するのか?

直江兼続

出典:Wikipedia

兼続は直江家の出身ではなかった

直江兼続は元々直江家の一族ではなく、樋口家の一族でした。

樋口家は平安時代の終わりに、源義仲に従って活躍した樋口兼光を祖とする一族です。

その後、戦国時代になり、樋口兼豊かねとよの代には樋口家は上杉家に仕えていました。

この兼豊には3人の息子がおり、兼続は兼豊の「長男」として生まれました。

このような出自から本来なら兼続は「樋口家の跡取り」となるはずでした。

兼続、直江家を継ぐ

天正9年(1581年)、直江家の当主である直江信綱が、

上杉家に仕えていた河田長親かわたながちかの遺領を巡る争いに巻き込まれて暗殺されてしまいます。

信綱には跡継ぎとなる息子がいなかったため、直江家は断絶の危機にさらされてしまいます。

そこで上杉家の当主、上杉景勝は直江家の新たな当主に側近として活躍していた樋口兼続を指名します。

ここから兼続は「樋口兼続」から「直江兼続」と名を変えて、直江家当主として上杉家を支えていくことになるのです。

兼続の子孫は現在も存在するのか?

結論から言ってしまいますと、

兼続の次代で、早くにして直江家は断絶してしまったため直系の子孫は現在はいません

兼続の嫡男である景明は生まれつき病弱で両目に持病を抱えていたと伝わっており、慶長20年(1615年)に父に先立って、若くして亡くなってしまいます。

若かった景明には子はいませんでした。

兼続は側室をとらず、正室のお船も養子をとることはしなかったため、直江家はお船の死をもって断絶となりました。

直江家と本多家の関係 子孫の行方

本多家への接近

関ヶ原の戦いで西軍に与していた上杉家は戦後、上杉景勝と兼続が徳川家康に謝罪したことで家名の存続は許されます。

しかし出羽国(山形県)の米沢へ移封いほうとなり、石高も120万石から30万石へと大幅に減封されてしまいました。

移封:知行地、所領を別の場所に移すこと。

兼続は上杉家と徳川家の関係を親密にしようと、徳川家の重臣である本多正信に接近します。

そして正信の次男・政重を婿養子に迎え、長女の於松おまつと婚姻関係を結ばせました。

この本多家との交流が元となり、徳川家が上杉家に課した軍役を正信の手助けで免除してもらうなどして、兼続は上杉家への貢献へと繋げています。

於松の死

しかし、於松は政重との婚姻の翌年にわずか20歳の若さで亡くなってしまいます。

その後、本多政重との養子縁組を取り消したくなかった兼続は、

慶長14年(1609年)に、実弟の大国実頼おおくにさねよりの娘である阿虎おとらを直江家の養女として迎えます。

この阿虎を政重と婚姻させることで本多家との関係を存続させました。

しかし2年後の慶長16年(1611年)、政重は元々自らが仕えていた前田家が治めている加賀国(石川県)の元へ帰ってしまいます。

政重が加賀へ帰る際には、上杉家と直江家に仕えていた大勢の家臣達が政重に付き従い、前田家の家臣となっています。

これは幕府から大幅な減封を受けた上杉家が「人員削減のために行ったこと」で、

「部下達が新たな仕官先に困らないための配慮」であると言われています。

兼続が本多家と交流を持ったことで、上杉家は部下達にこのような措置を取ることができたのです。

 

きょうのまとめ

いかがでしたでしょうか。

兼続の直系の子孫は断絶してしまったものの、兼続の養女である阿虎の子孫は代々加賀藩に仕えて存続しています。

自らの娘の婚姻すらも上杉家のためになるように取り計らった兼続。

主家への忠誠心は見事であるとしか言いようがありませんね。

直江兼続については、他にも色々な記事を書いています。

興味がある方は是非ご覧になってください。

 
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