マリア・テレジアといえば、
当時としては珍しい恋愛結婚をし、5男11女の計16人の子どもに恵まれた「天下無双の女帝」と呼ばれた人物です。
絵画「マリア=テレジアと家族たち」の、夫や子どもたちに囲まれて微笑む仲睦まじい肖像画が印象的です。
16人の内6人は亡くなるものの、上流階級にしては珍しく、10人の我が子を自分の手で育てました。
また、女帝として「オーストリアの国母」と呼ばれるほどの活躍をしており、現在も多くの人に敬愛されています。
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マリア・テレジアの時代背景
マリア・テレジアは、男の兄弟が無く長女でした。
当時女子の相続は許されていなかったため、実際には帝位には就いていません。
しかし父親が突然死した後、政治の実権を握りハプスブルク家の事実上の女帝となります。
もう一つ有名なのは、皆さんもご存知「マリー・アントワネット」の母親ということです。
オーストリア継承戦争では、シレジア(ポーランドの西部)を失うなど苦難の連続でした。
領土継承時のわだかまりからイギリスとの長年の縁を切り、フランスとの同盟を強力なものとします。
これはマリー・アントワネットがフランスへ、僅か14歳と5ヶ月で嫁いだという政略結婚があったからこそ実現したことでした。
子どもたちとの手紙
多忙による子どもとの接し方を悔いるテレジア
女帝と呼ばれるだけあり、彼女は多忙で子どもたちの面倒を見る時間は、
1日の内30分ほどだったとか。
この少ない時間での教育しかできなかったことについては、後々まで後悔したようです。
筆まめなテレジア
マリー・アントワネットとの手紙のやり取りがあったことは有名ですね。
テレジアは10女のカロリーナなど、他の子どもたちともこまめに手紙をやり取りしていたようです。
中でも印象的な手紙は、パルマ公爵のもとへ嫁がされた、四女のアマーリエとのやり取り。
好きな人と結婚できなかったばかりか、病弱で知力の乏しい公爵が気に入らず、依怙地になりやりたい放題だった娘に叱責の手紙を書いています。
テレジアは、まだ無邪気さが残る我が娘たちのほとんどを、イタリアやフランスのブルボン家に嫁がせました。
政略結婚という形で、我が娘たちを利用する行動は、異常としか見えなかったようです。
マリー・アントワネットとの手紙
手紙のやり取りは秘密だった
テレジアとの手紙は、アントワネットが嫁いでからテレジアが亡くなる直前までの、11年間続きました。
多忙でできちんと教育できなかったことを悔やむテレジアができるたった一つのことが、手紙だったのです。
時には叱咤し警告を与え、助言と指示を与えました。
まだまだ元気すぎるアントワネットを諭し、王妃として気品ある行動をとらせるように手紙で諭すのはとても大変だったようです。
この手紙のやり取りは定期的に行われています。
秘密事項が書かれたものは読んだらすぐに破り捨てるよう指示されていました。
最初はアントワネットも母からの手紙は嬉しかったようで、届いたらすぐに返事を書いていたようです。
しかしながら宮廷の陰謀の渦に次第に巻き込まれていくアントワネットは、
母からの忠告の手紙も聞きたいことのみを読み、次第に楽しいことだけに興じる日々を送るようになります。
浪費を諭すテレジアは、フランス革命を予期していた?
1774年5月30日の手紙に、まるで革命後にマリー・アントワネットを陥れた告発理由を予期していたような忠告をしています。
その言葉をご紹介します。
1766年頃からはじまったアントワネットの宝石などの浪費や、1777年頃には悪友とのトランプなどの賭け事などの無駄遣いを、テレジアによって手紙で注意されています。
母の愛情からか、耳にたこができるほど何度も諭しています。
残念なことに、アントワネットにはその真意は伝わらず、浪費癖は治りませんでした。
最後の手紙
1780年11月3日に、アントワネットにテレジアからの最後の手紙が届きました。
11月2日は、アントワネットの誕生日で、その翌日に書いたものでした。
間もなくして、テレジアは永眠しました。
筆まめだったテレジアは親友たちはもちろん、諸国の王族や貴族、我が家臣たちへも、数多くの手紙も書いていたようです。
きょうのまとめ
マリア・テレジアの手紙についてご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
簡単にまとめると
① マリア・テレジアは男の兄弟がいなかったため、事実上の女帝となる
② マリア・テレジアはマリーアントワネットの母
③ マリア・テレジアは多忙により自身で教育が十分に出来なかった後悔から、子どもたちと頻繁に手紙のやりとりを行い、時に叱責し諫めた
④ マリア・テレジアはマリー・アントワネットとの手紙では王妃として気品ある行動をとるように諭した
その他の記事についても「マリア・テレジア」について他にも記事を書いています。
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ところが、同時に途方も無い無駄遣いも行われています。
その無駄遣いを省くことができれば、国民から感謝と祝福の言葉が寄せられるでしょう。