麒麟がくる第四十回「松永久秀の平蜘蛛(ひらぐも)」【あらすじ簡単まとめ】

 

※ネタバレあり

大河ドラマ麒麟きりんがくる』

第四十話で描かれたのは、兼ねてから織田家に従ってきた松永久秀の謀反です。

この期に及んで、松永から光秀に贈られたものとは…。

その名品が、光秀にまた新たな決意を促すこととなります。

以下よりあらすじを辿りましょう!

 

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麒麟がくる(第四十話)のあらすじ

1577年、信長(演:染谷将太)と本願寺の戦において、織田家に与し、天王寺砦に居を置いていた松永久秀(演:吉田剛太郎)が突如逃亡します。

大和国守護・原田直正の戦死に際し、次の守護は松永かと思われていました。

しかし信長が松永と敵対する筒井順慶(演:駿河太郎)を次期守護に任じたため、松永は謀反に走ったのです。

天下一の名器・平蜘蛛

信長から離反した松永は、敵方の上杉謙信に従い、大和・信貴山しぎさん城にて挙兵。

信長はこれに対し、明智光秀(演:長谷川博己)、佐久間信盛(演:金子ノブアキ)らを参陣させ

「松永の所有する茶道具をすべて無傷で譲れば許してもよい。応じなければはりつけにして殺せ」

と言い伝えます。

なかでも信長が兼ねてから欲しがり、松永が絶対に譲らなかったのが、天下一の名器と呼ばれる平蜘蛛ひらぐもの茶釜」でした。

松永はこれが信長の手に渡ることを嫌い、「自身が敗れた折は光秀の元に」と、密かに誓約を交わしていました。

松永久秀の最期

織田軍に追い詰められた松永は、所有する数々の名品に火を放ち、

「わしの首も共に焼き払え」

と、家臣に命じて切腹

無残な姿に変わった名品を前に、涙する信長の思惑は…?

そして平蜘蛛を受け取った光秀は、「名器を手にした者の覚悟」を松永から促されることとなります。

その覚悟を胸に向かう先は、信長の今後を案じる正親町おおぎまち天皇(演:坂東玉三郎)への拝謁でした。

 

麒麟がくる(第四十話)の見どころ

ここからは今回の見どころを詳しく辿っていきます。

煕子亡きあとの明智家

美濃から越前、京にいたるまで、光秀に長く連れ添った妻・熙子ひろこ(演:木村文乃)が前回、ついに亡くなってしまいました。

これを受けて光秀やその娘・たま(演:芦田愛菜)の様子にも、ちょっとした変化が生まれてきているようです。

光秀とその娘・たまの距離感

光秀は熙子の死後、彼女の爪を大事に持ち歩き、時折、その入れ物を振って聞こえる音に思いを馳せていました。

そして大きく変わったことは、以前は無口だった光秀がたまに対し、しきりにこういった話をするようになったということです。

これまで幕府での職務や、織田家の戦続きで留守がちだった光秀。

熙子亡きあと、父である自分がその穴を埋めるべく、娘に歩み寄っているのか。

それとも単に寂しさからでしょうか?

薬の調合を学び始めるたま

たまはというと、近頃は医師助手の駒(演:門脇麦)に弟子入りし、薬の調合を学び始めたようです。

飲み込みが相当に早いといい、光秀からも

「たまを医者にして長生きするとするか」

などと冗談が飛び出していましたね。

たまも熙子の死を受けて、自分でしっかり身を立てていけるようにならねばならないと感じていたのかもしれません。

…と、そんな矢先、信長の勧めで細川藤孝(演:眞島秀和)の嫡男・忠興(演:望月望)との縁談が飛び込んでくるのですが。

松永久秀の願い

本願寺との戦場を後にした松永久秀は、京にて旅芸人・伊呂波太夫いろはだゆう(演:尾野真千子)の屋敷に身を隠します。

そして信長への挙兵を前に、親交のあった者と最後の密会をしていました。

その場へ呼び出された光秀は、松永の心中を聞き及ぶこととなります。

事の重大さを訴えかける光秀

まず、光秀は松永が戦場を去ったことに対し、それがどれほど重い罪に問われることかを、前例を挙げて訴えます。

加賀での上杉謙信との戦にて、総大将の柴田勝家(演:安藤政信)と、配下として参陣した羽柴秀吉(演:佐々木蔵之介)が、意見の食い違いから衝突。

秀吉はその勢いで戦場を投げ出し、自領である近江に帰ってしまったといいます。

このとき、信長は秀吉に切腹させろと激怒し、家臣たちがなだめる形でなんとか事なきを得たのだとか。

松永もこれと同じことをしており、光秀は

「どういうことかわかっているのか」

と、問い詰めるわけですね。

これに対する松永の返答は

「わしは秀吉の気持ちがよくわかる」

というものでした。

謀反の理由は…

柴田勝家は、松永からしてみれば無能で、代々重用されてきた家柄だけで地位を得ている人物だといいます。

信長は身分よりも能力で家臣の処遇を決めると評判でしたが、決してそんなことはなく、結局は家柄。

大和の守護にしても松永が適任に違いないのに、筒井が大和に古くから続く家柄のため、今回の采配にいたったのだというのです。

今までの主君とは違うと期待していたけど、結局お前もそうか…と、松永は信長に幻滅してしまったわけですね。

さらに本願寺側から、織田軍を下した際、「大和一国を松永に任せる」という呼びかけがあったという話も…。

名器・平蜘蛛を光秀に

信長を敵に回すことを決心した松永も、これまで長く頼りにしてきた光秀と敵対することは本意ではないと語ります。

思えば今作の松永と光秀は、第一話で光秀が初めて京を訪れたときからの付き合いです。

このときも光秀が探していた鉄砲を用意したのは松永で、以降も”いざというときに頼れる人”という感じの位置付けになっていましたよね。

その仲が裂かれてしまうことを懸念した松永は、天下一の名器と謳われる「平蜘蛛の茶釜」を、光秀に譲ることにしたのです。

「これはわしじゃ!そなたに討たれたとしても、そなたの手のなかで生き続ける。それで良いと思うたのじゃ!」

と言って。

平蜘蛛は信貴山城での戦が決するまで伊呂波太夫が預かり、その勝敗をもって、松永か光秀のいずれかに渡るという約束でした。

信長の涙

信貴山城の戦いを経て、見るも無残な姿となった名品の数々を前に、唸り声を挙げて泣く信長。

単純に見ればこれは、名品を惜しんでのことのように見えますが、どうやら信長が泣いている理由はそれだけではないようです。

上り詰めた者の宿命

この場面に際し、安土城にやってきた光秀は信長の正妻であり、幼なじみの帰蝶(演:川口春奈)と相まみえました。

その帰蝶をして、信長が泣いている真意はわからないというのです。

そして帰蝶はこんなことを語ります。

「駿河国に、富士という日の本一の高い山がある。高い山には神仏が宿り、登った者は祟りを受けるそうじゃ。

殿は朝廷より右大将の官職を賜り、足利将軍と同じ身分になられた。登れ登れとけしかけた私も、殿と一緒に祟りを受けるやもしれぬ。」

信長は高い身分に上り詰め、重責を背負いすぎたがゆえの苦悩を感じているということでしょうか。

このあと光秀の前に姿を見せた信長の口からも、その苦心の素と思われる話がいくつも出てきました。

・松永にはいずれ畿内のしかるべき国を与えるつもりだった

・帰蝶が安土を離れ、美濃に帰ると言い出した(高い城作りと戦に明け暮れる信長に疲れたため)

・帝に献上した蘭奢侍らんじゃたいが毛利に譲られた

などなど。

考えてみれば思い通りにならないことばかりです。

光秀の裏切り…?

苦心する信長に、さらに追い打ちをかけたのが光秀でした。

松永は平蜘蛛が信長の手に渡ることを嫌い、光秀に譲ることを密かに約束していましたが、実はこのやり取りを信長は知っていたのです。

信長は松永が謀反を企てている噂を聞きつけてから、羽柴秀吉に忍びを遣わせ、その動向を探っていたのでした。

しかし光秀は、松永と会ったことを認めはしたものの、平蜘蛛の話は出ていないというのです。

「十兵衛が、初めてわしに嘘をついたぞ。このわしに、嘘をつきおった…」

と、信長はかなりお怒りの様子。

これはまた、ふたりの関係性が大きく離れていくきっかけとなりそうですね…。

平蜘蛛を手にした光秀は

光秀は信長とのやり取りのあと、近江・坂本城を訪れた伊呂波太夫から、平蜘蛛を受け取ることとなります。

松永久秀が残した「罠」とは

平蜘蛛を前にした光秀が口にしたのはこんな言葉でした。

「信長さまに平蜘蛛の行方を問われ、言いかけたが言えなかった。言えばこれが信長さまの手に落ち、わしは楽になれた。

そうか、これは松永久秀の罠じゃ!」

そう言い、してやられたとばかりに笑い始めるのですが、これは光秀の情に訴え、信長に平蜘蛛が渡らないようにするための罠ということでしょうか?

それとも、信長から光秀の心を離れさせるための罠なのか?

だとしたら松永が平蜘蛛を譲ったことは、信長に主導権を握らせず、光秀が事を動かしていけというメッセージにも思えますね。

平蜘蛛が促した光秀の決意

平蜘蛛を譲ると同時に松永は、伊呂波太夫にこんな遺言を授けていました。

「これほどの名物を持つものは、持つだけの覚悟がいる。いかなる折も誇りを失わぬ、志高き者。心美しき者。

わしは、その覚悟をどこかに置き忘れてしもうた。十兵衛にそれを申し伝えてくれ。」

…なるほど。

松永はやはり、平蜘蛛を通して光秀こそが主導権を握っていくべきだと、その覚悟を促したのですね。

この出来事を経て光秀は、信長の今後を案じている正親町天皇への拝謁を決心するのです。

 

麒麟がくる(第四十話)のまとめ

自身の誇りを守るため、兼ねてから従ってきた信長に反旗を翻した松永久秀。

その意志は光秀に受け継がれ、今後の織田家の動向を大きく左右することとなりそうです。

ともあれ、これだけのキーパーソンがいなくなったことは、物語がいよいよクライマックスに突入していくことを予感させますね。

最後に今回のまとめです。

松永久秀は、信長が身分を問わず家臣を引き立てていると見せかけ、結局は家柄で処遇を決めていることに幻滅した。

焼き払われた名品を前に涙を流す信長。しかしその真意は、しかるべき身分に上り詰めた重責からのもの。光秀の裏切りなど、思い通りにいかないことが多く苦心している。

信長の欲した名器・平蜘蛛を光秀に譲った松永の意図は、光秀が主導権を握って事を動かしていくよう、促すこと。これによって覚悟を決めた光秀は天皇への拝謁へと歩を進める。

次回、再び正親町天皇に拝謁することとなった光秀。

ふたりのやり取りには、以下のような文言も登場していました。

「男は花を独り占めしようとし、木からふるい落として神の怒りに触れた そして、不老不死のままあの月へ閉じ込められた」

これは信長を表しているのか…?
 
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