※ネタバレあり
大河ドラマ『麒麟がくる』
第四話で描かれたのは、織田家へのスパイを命じられた医師・東庵と、光秀の尾張への潜入劇でした。
敵地にて待ち構えていたのは、次代の名君たちの片鱗…?
彼らと光秀がどう関わるのか…ドラマならではの描き方にワクワクさせられる回でした!
まずは簡単なあらすじからです。
麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
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麒麟がくる(第四話)あらすじと見どころ
今川家と織田家による「三河・小豆坂の戦い」は両者痛み分けに終わったものの、織田家当主の織田信秀(演:高橋克典)がこの戦で負傷。
以来不調だという噂が美濃にも伝わってきます。
そんな折、光秀(演:長谷川博己)が京から連れてきた名医・望月東庵(演:堺正章)が斎藤利政(演:本木雅弘)の正室・小見の方(演:片岡京子)の治療を終え、美濃を発つことに。
利政は織田家とつながりのある東庵が尾張へ向かうことも察知しており、敵将・信秀の容態を伝えるよう、東庵にスパイを命じます。
背けば助手・駒(演:門脇麦)の命はないという条件付き…。
そして光秀も尾張へ出向き、東庵の報告を美濃へ持ち帰る役目を担うことになります。
尾張で光秀を待っていたのは「信秀の先は長くない」という報告…そしていくつかの奇異な体験でした。
以下より今回の見どころを紹介していきましょう!
名医・東庵の器
「東庵と道三のやりとりは、お互い腹の探り合いで演じていておもしろかった。医者の正義と武将の野望がぶつかり合うという、大河ドラマらしいシーンだったと思います。あと、本木くんのことは若いころから知っていますが、役者としての成長ぶりと迫力に圧倒されました」(堺正章)#麒麟がくる pic.twitter.com/P6Xj4ECAoV
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) February 9, 2020
当初の目的であった小見の方の治療を終え、これから京に発とうという東庵。
しかしここでも斎藤利政に抜かりはなく、彼が京へは帰らず尾張へ向かうことを見抜きます。
利政は信秀の容態を伝えるよう、東庵にスパイを命じるのですが…これに対して彼の返事は
「医者は脈をとった者の病については、秘して表に出さぬのが習いです」
というもの。
自分は一医者であって、斎藤家の味方でも織田家の味方でもない…ということですよね。
目の前の患者を助けることを何より先決とする東庵らしい返答ですが…これによって利政は
「ならば御身の首をはねるまで。美濃の国をつぶさに見た御身が尾張へ行って喋れば、我らに立つ瀬はない」
と、光秀に東庵の処刑を命じるのでした。
これを聞いてすぐに考えを改めた東庵は、信秀の容態を利政に伝えることを約束します。
しかし代わりに借金の肩代わりをしてくれと言い出すぐらいで、彼に死を恐れている様子はまったくありません。
考えを改めたのは、人を斬ることを好まない光秀に飛び火することを嫌っての、せめてもの譲歩だったのでしょう。
織田家でも
「美濃を出る際、何か言われたか」
と問う信秀に対し、利政の命令を包み隠さず伝えています。
スパイはしても、嘘をつくわけにはいかないということでしょうか。
そのうえで「毒矢を受けた信秀の先は長くない」という情報を光秀にもち帰らせるという、両家への筋の通し方は見事。
今後も重要人物として活躍する東庵の器をしっかり示していましたね。
幼き家康との遭遇
幼少期の徳川家康…竹千代(演:岩田琉聖)との遭遇も、今回の見せ場のひとつでした。
三河の農民・菊丸(演:岡村隆史)と兄弟の設定で、信秀の住む古渡城へ潜入した光秀。
ふたりが東庵からの報告を待つ折、竹千代は光秀と菊丸が他所から来た商売人であることを知って駆け寄ってきます。
彼はあどけないその口調でこんなことを光秀に言いました。
「我を三河の刈谷へ連れて行ってくれぬか?…我はこれから熱田へと移されるが、熱田へは行きとうない」
そう、竹千代がこのころ織田家の人質となっているのは史実と同じ。
彼は自らの運命に必死で逆い、光秀らの力を借りて脱走を試みようとしたのです。
「母上を刈谷へ追い払い、敵の今川義元の家来に成り下がった父上は大嫌いじゃ」
と、幼いながらに確固たる意志をもち、早くも名君の片鱗を覗かせていましたね。
しかしそう言って子どもが簡単に逃げ出せるほど、織田家の監視は甘くありません。
光秀は
「今は辛くとも、日が変わり月が変われば、人の心も変わります。いずれ母上にも会える日が来ます。無理をせず、待つことです」
と竹千代を諭し、城内へ戻るよう促すのでした。
じっと耐え忍んだ経験が、彼を大きく成長させることは多くの人が知るところ…ここに光秀の励ましを絡ませるのはニクイ演出ですね。
光秀を救った投石集団は?
無事、東庵から情報を得て帰路に着こうとした光秀と菊丸でしたが、そこはさすがの織田信秀。
ふたりがスパイであることを早々に見抜き、家臣たちに光秀と菊丸を捕らえるよう命じます。
光秀は俊足が自慢の菊丸を先に逃がし、自らは武器を取って戦いますが、数に押されて絶体絶命…。
そのときなんと、崖の上から投石を行う集団が現れ、織田家一行を攻撃したのです。
これに光秀は救われ、命からがら逃げだすことに成功しますが…敵陣の尾張でなぜこのような援護があったのでしょう…?
そういえば、このあと織田家を継ぐことになる信長は、史実で信秀とあまり仲が良くなかったという話がありますよね…。
まさか今回の投石集団は信長の差し金…?
麒麟がくる(第四話)のまとめ
今回は斎藤家と織田家の板挟みに合いながら、どちらにもひいきをしない東庵の器や、次代の名君の陰が見え隠れする伏線盛りだくさんの回になっていました。
投石集団に信長が関係しているのでは…というのは筆者の願望も含まれていますが…続きがどんどん楽しみになりますね!
最後に今回のまとめです。
① 光秀への飛び火を嫌って、織田家へのスパイを引き受けた東庵。しかし織田信秀にも嘘はつかず、斎藤・織田両家への筋をしっかり通した
② 織田家の人質になっていた竹千代は、自身の運命にあらがうことや、今川家に頭の上がらない父への嫌悪感で確固たる意志を示した
③ 織田家家臣に捕らわれそうになった光秀を助けたのは信長?
さて、今回のラストシーンでは常在寺住職・日運が稲葉山城を訪れ「幕府が本能寺を通じて、種子島で鉄砲を量産させている」という噂を伝えます。
これによって鉄砲に興味をもった斎藤利政は、いよいよ本格的な導入へ向かっていくのか…?
次週もまた見逃せません!
麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
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