前回の熱い武将たちのドラマに続き、合戦が止まらない。
新たな武将・筒井順慶も登場し、明智光秀(十兵衛)を巡る状況は複雑化してきた。
さあ、今日も『麒麟がくる』第三十二回の感想を見たまま感じたままお伝えしよう。
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戦国ドラマの肝はやっぱ合戦だからこそ
今回も合戦シーンは少ない。
ナレーションで合戦シーンをカバーするのは、コロナ下において仕方のないことだと理解している。
でも、「姉川の戦い」とかなぁ、有名な戦があっさり消化されちゃうのは残念だ。
単純に織田信長VS朝倉義景ではなく、三好三人衆や比叡山延暦寺がからむ複雑な背景、信長の苦しみなど、もっと見せて欲しい。
視聴者も
「信長は戦ってみましたが、なんかダメでした」
くらいしかわかんないよね。
『麒麟がくる』美濃編で斎藤道三が織田信秀と戦った時の籠城を装った反撃戦のように、戦い自体に個性が欲しかったんだけど、無理なのかな。
今回もまだ主人公だった明智光秀
明智光秀(十兵衛)は今エピソードも主人公らしく出番が多いのでひと安心だ。
充実の光秀
「“ここがわが家で、ここで家族を守ってみせる”と十兵衛様が言ってくれた。それは、熙子の願いがかなった瞬間だったと思います。演じているとき、十兵衛様の背中越しの光がまるで後光かのように見えて、麒麟を連れてくるのはきっとこの人だと思えました」(木村文乃)#麒麟がくる pic.twitter.com/Ql8iVOWIz3
— 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」毎週日曜放送 (@nhk_kirin) November 15, 2020
摂津晴門の言葉の矛盾を突き詰めて、幕府の中に朝倉方に内通した者がいたことを指摘した光秀はさすがである。
木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)とのコンビも上手くやってるし、2人の力関係でも、まだまだ彼が藤吉郎の上を行ってるのは嬉しい限りだ。
さらに、光秀はついに家族を京に迎えることができた。
感動の再会シーンだ。
ま、筆者個人としては、そっちに加えて藤田伝吾と筆者とのスクリーン越しの対面も大切だった。
伝吾ってホント出来た家臣だ。
信長と光秀
今のところ、信長と光秀の関係は良好。
だが、光秀が調達した鉄砲のおかげで信長が戦(姉川の戦い)に勝った、というのはどうだろう。
信長はちょっと光秀を持ち上げすぎではないか?
それに、光秀がどれほど信長軍で働いてるのかよくわからない。
姉川の戦いには参戦していないようだし、その後の戦いで信長は忙しそうだったが、光秀が何をしてたのかが謎だった。
ところで、よい子が赤ん坊をあやすように信長が仏像を背負って円座(座布団に似た敷物)を蹴散らしていた信長は、まるでだだっ子。
光秀笑ってたじゃん。
信長の口惜しさはわかるんだけど、そろそろカリスマ性も出してほしいところだ。
くせ者たち
筆者の気になるくせ者を3人ピックアップしてみた。
「結局全部教えた」今井宗久
ふふふ。
いくら明智光秀の要求だとはいえ、先に鉄砲の購入を決めた人物についてのビジネス上の守秘義務は当然のマナーだ。
茶人である前に堺の商人である今井宗久が、他の顧客情報を漏らすわけにはいかなかった。
さすが根性の坐ったビジネスマンだと思ったが、あれれ?
茶会に光秀と藤吉郎を招待するわ、光秀に出席者名簿を送って購入者のヒントを与えるわ、しかも茶会の前に(ライバル購入者の)筒井順慶と話すチャンスまで与えた。
いい人なのか。
ビジネスポリシーはどこへ行った?
「オーラ満開」筒井順慶
「光秀さんとの会談では、落ち着いているように見えた順慶も、頭の中は高速回転していたはず(笑)。どう取り引きすれば自分に有利に働くか?損をしないか?一瞬の判断を間違えば、筒井家にとって大きなダメージになるかもしれない。おそろしい世の中ですね」(駿河太郎)#麒麟がくる pic.twitter.com/5lPLQcpr3f
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僧形っていうのがカッコイイじゃないですか。
新登場の筒井順慶を駿河太郎が演じ、ワルいんだかワルくないんだかわかんないまま、そのオーラは光秀や藤吉郎を上回っていた。
なるほど、これが笑福亭鶴瓶の息子なのか・・・。
西郷どんと間違えないよう気を付けます。
一つ気になるのは、なぜ順慶が信長の代理の光秀に鉄砲を譲るのか、ということだ。
順慶が大和で戦っている相手の松永久秀は、信長の傘下にいる武将。
信長に鉄砲を譲るとは、自らの敵・松永久秀を助けることにはならないか?
あり得ない。
「無邪気さは演技」木下藤吉郎
「藤吉郎は情報収集能力にたけている。だけでなく、その情報を誰にどのタイミングでどこまで出すかも見計らっています。噂(うわさ)ですが…と前置きはしますが、藤吉郎の『噂ですが』は、もはや噂ではなく、真実となっています」(佐々木蔵之介)#麒麟がくる pic.twitter.com/rRGTv9stV4
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藤吉郎の陽気さ無邪気さはもうフリしているということで決定だ。
イザとなれば茶人・今井宗久を脅してみたり、昔仲良しだった駒ちゃんにさえ疑いの目を向けてみたりと、実に抜け目ない。
うわ、これが光秀のライバルになるのか。
光秀気を付けて。
嫌な予感がとまらない。
今週の駒ちゃんと将軍
さあ、お楽しみはこれからだ。
最近この2人の暴走ぶりを求める自分がいる。
コマ・ザ・フィクサー
この時代にして幕府役人に「駒さま」と呼ばれるほどのお方に成り上がった駒ちゃん。
今井宗久の茶会に登場した彼女に光秀&藤吉郎もびっくりだ。
茶会では筒井順慶に光秀のために鉄砲を譲って欲しいとまでお願いしてくれた・・・。
あれ?
確か彼女は戦がキライだったはず。
ポリシー変えた?
戦国武将が購入しようとする鉄砲を別の武将に融通せよ、とは。
駒ちゃん・・・。
武器商人?
フィクサー?
自分自身の行動を「身の丈に合わないこと・・・」などと殊勝に言ってはいたが、遅いっ。
それ、もうかなり前からみんな思っているから。
永遠の昆虫少年・将軍義昭
滝藤賢一の演技が好きだ。
人の良い自信のない将軍・足利義昭の情けない感じを、うわずった声、怯えた目つきで表現するのが上手い。
ま、お尻まで見たかったわけではないですが。
その将軍は、まだ駒ちゃんとはラブラブなんだが、実は彼には駒ちゃん以上に好きなモノがある。
筆者が発見した。
それは虫だ。
ドラマの第25回ではアリに注目し、第30回で駒ちゃんとホタル狩りした後は、蚊帳の中でホタルと戯れるおうちデート。
今回はムカデ(これも虫みたいなもんだ)を見れば戦の吉兆とし、駒ちゃんにはトンボのお土産をプレゼントした。
それらを見る時のきらきらした眼差しを見ればわかる。
虫、好きなんだね。
麒麟がくる第三十二回「反撃の二百挺」
コロナ感染に対する最大限の配慮をしながらのドラマ作りは、制作者としても大変な負担があることだろう。
合戦シーンが少ないのは残念だが、悪いのはNHKでも朝倉でも織田でもない、コロナである。
今回の感想の簡単なまとめ
① 光秀は主人公らしく出番が多く、織田信長も戦に忙しげだったが、結局ドラマ中の戦で光秀がどう関わったかよくわからなかった
② すごいオーラを放つ筒井順慶のわりに、光秀に鉄砲を譲るのはいい人すぎてあり得ない
③ 発見。将軍・足利義昭が本当に好きなのは虫
戦国時代の有名イベント(=合戦)がテンポ良く登場し始めた第三十二回。
ドラマがこの調子でどんどん進み、本能寺の変で駒ちゃんが活躍するのを見たいような見たくないような気がします。
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