※ネタバレあり
大河ドラマ『麒麟がくる』
第二十一話で描かれたのは、今川vs織田の「桶狭間の戦い」。
長きに渡って争ってきた両家の戦いに、ついに決着が着きます。
展開された信長の戦術は、義元の弱点を巧みに突いた堅実なもの?
以下よりあらすじを辿っていきましょう!
麒麟がくるのその他の回のあらすじ、感想はこちらをどうぞ。
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麒麟がくる(第二十一話)のあらすじ
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6月7日(日)
第21回「決戦!桶狭間」
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前回、織田信長(演:染谷将太)は松平元康(演:風間俊介)の母・於大(演:松本若菜)の文を取り付け、元康に今川義元(演:片岡愛之助)からの離反を迫りました。
しかし信長のあては外れ、元康は
「裏切れば斬り捨てられるのは三河と織田、負けるとわかった戦に家臣を巻き込むことはできぬ」
といい、そのまま今川家に従う構えを見せます。
今川勢は尾張・大高城に入った元康の軍勢を丸根砦、他方、鷲津砦に朝比奈泰朝の軍勢を仕向け、陥落。
その後、大高城に自身を含めた全軍を集め、一気に清洲城へ攻め込む手はずになっていました。
この動きを知った信長は、沓掛城に着いた義元本陣が大高城へ向かう道中、桶狭間にて義元を討たねばならないと考えます。
清洲城を後にし、善照寺へと3千の兵を集めた信長。
対する義元は手はず通り、丸根砦と鷲津砦を陥落させますが、攻略に向かわせた兵が戻らず、6千ばかりの兵で動くことを余儀なくされます。
信長の動きを察知した鵜飼長照は、大高城へ戻った元康を討伐に向かわせようとしますが、なんとここで元康がこれを拒否するのです。
さらに3百の兵をおとりに義元本陣から1千の兵を削った信長は、これを好機と見て、義元本陣を襲撃。
かくして戦は織田信長の勝利に終わり、駆け付けた光秀は信長に賛辞を述べます。
麒麟がくる(第二十一話)の見どころ
「みなさんが知っている、あの織田信長に一歩近づく。それが、桶狭間の戦いだと思います。圧倒的に不利な状況にありながら、どこに勝機を見いだすのか?また、松平元康がどのような決断を下すのかも気になるところです」(染谷将太)#麒麟がくる
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続いて今回の見どころを振り返っていきましょう!
信長の英断
大軍を率いる今川勢の動きに対し、3千しか兵をもたない信長は
「外へ出ても勝ち目はない」
と、清洲城内に籠城の指示を出します。
しかしこれは実のところ、城内に今川に通じる者がいることを考えての目くらまし。
本当は今川が丸根砦、鷲津砦など方々に兵を散らしているこの機を、信長は好機だと睨んでいました。
「人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻のごとくなり」
と、敦盛を謳った信長。
続けて側室とのあいだに儲けた子・奇妙丸を帰蝶(演:川口春奈)に託します。
帰蝶とのあいだには子がいないゆえ、やむを得なかったと。
この後、信長は今川勢と一戦交えるべく、善照寺へと向かいますが、ここで跡取りを帰蝶に託すということは、自分はもう戻らないかもしれないという覚悟の表れでした。
「今川義元は戦に赴くとき、自国の守りを手薄にしないため、いくらかの兵を残していく」
という父・信秀の言葉を信じた信長の睨み通り、尾張に到着した今川勢は、予定より少ない1万3千ほどの軍勢。
さらに砦攻略のため、分散したこともあって本陣は6千。
気がかりとなったのは、本陣を攻めたときに信長の背後を突ける位置にいる、元康の存在ですが…。
動かない元康
手はず通り丸根砦を攻略した元康は大高城へ帰参。
砦攻略のため、一睡もせずに戦った三河衆は疲労困憊の状態でした。
そこへ帰るなり飛び込んできたのは、今川家有力家臣・鵜飼長照による
「義元さまが三河守におなりになって、名実ともに三河の主になられた」
という言葉。
もはや三河を元康に返す気さえない、義元の目論見が明らかになります。
そして信長が善照寺に兵を集めたことを知った長照は、これを討たんと元康を駆り出そうとします。
とても戦える状態ではない元康は、この指示を拒否。
信長が義元本陣に攻め込まんとするそのときも、長照が再度出陣を促しに来ますが、元康は三河の衆と一致団結し、断固として動かない構えを見せます。
表立って裏切れば自分が討たれてしまうため、義元の窮地に援軍を送らないことで、信長に加担しようとしたのか。
自身を手駒としか思っていない今川家に愛想を尽かしたのか。
いずれにせよ、元康のこの動きで”背後を突かれるかもしれない”という信長の懸念は晴れることになります。
この先に何を望む?
信長が3百のおとりを差し向け、兵力をさらに分散させた義元の本陣は、残り5千ほどの軍勢に。
元康は援軍を送らず、鷲津砦を落とした朝比奈泰朝の軍は敵軍の金品を強奪する「乱取り」に夢中で、いつまで経っても戻らない始末。
「よし…それならやれる!」
と決断した信長は善照寺を後にし、桶狭間に差し掛かった義元本陣に向かい、一気に出陣します。
逸話にもなっている通り、出陣と同時に大雨が降り、数で劣る信長の隠れみのになる描写もありましたね。
結果、奇襲を成功させた信長は、家臣の毛利新介(演:今井翼)の手によって、今川義元を討ち取り、これにて戦が終結します。
戦を終え、帰路につく織田軍の元へと駆け付けた光秀は、信長にこう問いました。
「今川を倒し、次は何をなされます」
すると信長は
「美濃の国を取る。美濃は帰蝶の里じゃ、美濃を取って喜ばせてやる」
と答えます。
もう戻らないかもしれないと、心配をかけたお詫びとでもいうのでしょうか。
この前に信長が言った
「ワシは幼きころより、何をやっても褒めてもらえなかった。帰蝶は何をやっても褒める。…あれは母親じゃ」
という言葉も含めて、夫婦の絆を感じさせる微笑ましい一幕でしたね。
光秀は続けて
「そのあとは」
と問いますが、信長はこれに答えず、静かな笑みを浮かべただけ。
以前、斎藤道三は散り際、光秀に
「信長と共に大きな国を作れ」
と言い残しました。
今回の信長と光秀のやり取りは、その言葉の通り、ふたりが志を同じくしていると取っていいのでしょうか。
麒麟がくる(第二十一話)のまとめ
大軍を率いる今川勢の手薄になったところを攻め落とす。
史実の桶狭間の戦いといえば、いかにもドラマチックな逆転劇ですが、今作のそれは義元の弱点を突いた、信長の堅実な戦略が光る描かれ方になっていました。
光秀は参戦こそしませんでしたが、信長とのやり取りには、次の時代に向けての希望のようなものが見え隠れしていましたね。
最後に今回のまとめです。
① 信長は義元が予定より少ない軍勢で来ることを睨み、さらに砦攻略のために兵を分散させたところを狙って、出陣を決めた。
② 表立って裏切れば、討たれるのは織田と三河だと考えた元康は、義元のピンチに援軍を送らないことで信長に加担した。
③ 義元に勝利した信長。光秀の問いに見せた笑みは「大きな国作り」を見据えてのもの?
次代の将軍となる足利義昭の姿も露わに。
今後、光秀はどう動いていくのでしょうか…。
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