井上馨の子孫と家系図|政治家揃いの一族!有名な歴史学者も

 

幕末にイギリスへ密航した経験を活かし、政府の要人となって明治の礎を築いた

井上馨いのうえかおる

特に大蔵省時代には渋沢栄一を部下として重用しており、

大河ドラマ『青天を衝け』での描かれ方にも期待がかかります。

「日本資本主義の父」とも呼ばれる栄一が絶賛するほどの政治手腕をもっていた馨。

その秘密は、彼の子孫や家系図を辿ることでも見えてきます。

そう、この井上馨という人物、とにかく政界への根回しがすごいんです。
 

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井上馨の子孫・家系図

井上馨iいのうえかおる

井上馨
出典:Wikipedia

以下が井上馨の家系図。

井上馨の家系図

まず最初の妻とは、幕末にイギリス留学した際に別れており、なんという名前だったのかもわかっていません。

当時、馨は長州藩士・志道しじ家の養子となっていましたが、留学を期に志道家とも離縁。

娘の芳子は志道家に残ることとなりました。

そして…パッと見た感じでは、後妻の武子とのあいだには子息がたくさんいるようにも思えますが、実のところほとんどが養子

商人の娘などを養女に迎え、その全員が政治家と結婚しています。

これは馨が子宝に恵まれなかった反面、一族の政界への影響力を強めようとしたことからでした。

養嗣子・勝之助


明治期が訪れて間もない1869年、兄の光遠が亡くなったことから、馨が井上家の家督を相続することとなります。

その際、光遠の次男・勝之助を養嗣子として迎え入れることになりました。

勝之助はその後イギリスで法律を学び、大蔵省、外務省に勤務と、馨のあとを追いかけるようなキャリアを送っています。

ちなみに勝之助の妻・末子は、馨の姉・常子の娘。

そして、勝之助と末子には子どもが生まれなかったため、千代子という養女を迎えているのですが…

実は千代子は、馨と愛人とのあいだに生まれた庶子です。

腹違いの妹が娘になるという、なんともややこしい状況…。

そういえば、親友の伊藤博文と同じで、馨は女性関係が非常に派手だったという逸話もありますね。

千代子は桂太郎の三男・三郎を婿養子に迎え、井上家の家督はこの三郎によって引き継がれていくこととなりました。

政治家揃いの一族


馨の娘たちの嫁ぎ先はとにかく政治家揃い

なかでも特に濃い姻戚関係を結んだのが、同じ長州藩出身の桂太郎でした。

桂が井上家へ婿養子を出していることは前述の通り。

加えて、馨の養女である可那子を三番目の妻に迎えているのです。

桂太郎といえば、西園寺公望さいおんじきんもちと交互に首相を担い「桂園けいえん時代」と呼ばれる一時代を築いた人物。

幕末から続いた関税自主権の問題を解決し、不平等条約を改正した功績を残しています。

馨がここまで懇意にした理由もわかりますね。

また、養女・龍子が嫁いだ山田顕義あきよしは、岩倉使節団の欧米視察に随行した経験を活かし、司法大臣として法整備に携わった人。

このほかにも、馨の外務大臣時代の秘書・藤田四郎

逓信ていしん、農商大臣を歴任した後藤象二郎の秘書・都築馨六つづきけいろくと、見事なほどに政界人が軒を連ねます。

 

歴史学者・井上光貞


馨の子孫として特に有名な人物が、歴史学者井上光貞みつさだ

律令制が成立した以前の古代史を専門とし、東大で教鞭を執ったほか、大学の教科書なども刊行している人です。

光貞の日本史研究は世界史的な観点を踏まえて行われたことに功績がありました。

国内の史料だけで考えられてきた日本史の転換点を担ったわけですね。

これは父三郎がヨーロッパ留学を経験しているほか、一族にも海外の知見をもつ人が多く、西洋趣味に傾倒したことからとされています。

イギリス留学の経験を活かし、国の基盤を整えていった馨の血筋は脈々と引き継がれているのです。

なんといっても、井上馨・桂太郎のふたりが祖父という出自にはインパクトがあります。

ちなみに光貞の妻・明子は伯爵家の出身で、母方の祖父が皇族という由緒正しい生まれの持ち主です。

ふたりのあいだに生まれた長男・光順さんは、日本テレビ取締役・柳原承光の三女・真美子さんと結婚。

子息の光隆さん、光博さんの代へと家系が続いています。

 

きょうのまとめ

井上馨の子孫・家系図を辿ってみると、そこには政界での影響力を強めようとした馨の動向が、露骨なまでに表れていました。

今回はあくまで井上家に終始しましたが、娘の嫁ぎ先である桂太郎や山田顕義の子孫まで辿っていけば、まだまだすごい経歴の人物が出てくるかもしれません。

最後に今回のまとめ。

① 井上馨は実子が少なかったが、養女を多く迎え、政界人と姻戚関係を結ぶことで影響力を強めていった。

② 特に濃い関係を築いたのが桂太郎。桂の三男を婿養子にしたほか、養女の可那子が桂に嫁いでいる。

③ 孫の井上光貞は、古代日本史に功績のある歴史学者。海外の知見をもつ家庭に育ち、日本史研究に世界史的な観点を反映させていった。

井上馨の影響力は政界だけでなく、当時の実業家のほとんどが、彼を目の前にするとタジタジだったという逸話があります。

やはりどんなことでも、とにかく根回しが行き届いた人だったのでしょうね。

 
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