応仁の乱の一方の雄となった、室町政界の剛腕フィクサー(裏からいろいろと暗躍している人)
山名宗全。
赤入道
と呼ばれるほどの大胆で横暴なやり口で没落にあった山名氏を今一度黄金時代へと導き上げたものの
自分たちのしでかし積み上げてきたことの大きさに収拾がつかなくなり、
天下は大混乱。
パンドラの箱(開けるとあらゆる災厄が中から出てくるというギリシャ神話に語られる箱)を開けてしまった男はどのようにつくりあがっていったのでしょう。
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山名宗全はどんな人?
- 出身地:不明
- 生年月日:1404年7月6日
- 死亡年月日:1473年4月15日(享年68才)
- 応仁の乱における西軍総大将
山名宗全の年表
1404年(0才)山名宗全生まれる
1433年(29才)宗全、山名の家督を継ぐ
1441年(36才)嘉吉の乱おこる
1467年(62才)応仁の乱おこる
1473年(68才)山名宗全亡くなる
権力に翻弄(ほんろう)された青少年時代
山名家は清和源氏の名門。
祖父・時義の代には一門で全国の11か国の守護職となり、「六分一殿」とたたえあげられました。
が、陰謀大好きの足利三代将軍・義満によって山名の内輪もめをたきつけられては付け入られ、たちまち一門“もろとも”が没落。
宗全はその惣領家の三男に生まれたのです。
父・時煕は義満の謀略によって没落させられた当事者。
将軍は六代義教になって山名の家督に介入し、時煕の意にそぐわぬ次男・持煕を次期当主にと指名します。
なんとか、宗全は父の意をくんで当主の座に収まりますが、これを不満とした兄持煕は挙兵。
宗全は鎮圧します。
「嘉吉の乱」におどりでる
間もなくして天下をさわがす大変なことが起こります。
領国が隣り合う播磨の赤松満祐が足利義教を自分の屋敷に招き、突然暗殺してしまいます(嘉吉の乱)
宗全はこの場に居合わせましたが、うまくにげおおせ、領国に帰るとただちに兵をまとめ、討伐軍総大将に任命されます。
赤松領に攻め込み、その功をもって備前・播磨・美作の守護に任じられ、山名のかつての栄光を取り戻します。
宗全は赤入道と呼ばれるように赤ら顔。
それでいて赤松討伐の際には道中の酒屋や土倉(金融業などを行っていた)をおそっております。
領内でも荘園や寺社領への横領がたびたび発生していた様子。
播磨でも領国復帰を目指す赤松氏に対して力ずくの行動にうったえております。
ただ、その分かわいがっている人間には病気をいたわったり、その死をいたんだり、とても人情味のあふれたところがあったようですね。
こんな宗全はやがて幕府の有力大名細川氏や大内氏と姻戚関係を結び、当時幕府で力を持っていた畠山持国を追い落としにかかり、見事成就します。
しかし、時の将軍義政には気に食わない点が出てきたようですね。
宗全退治を命じられ、諸大名が京都に参集しましたが、細川勝元のとりなしでことは丸く収まったようです。
宗全は家督と守護職を息子にゆずります。
しかし、赤入道がまさかこれで引っ込むと思います?
“赤入道”のおどりあかした果て
案の定です。
畠山やら斯波の家督争いにはどこからと、もれなく手を突っ込みます。
応仁の乱はそのとどのつまりです。
彼らの争いが、将軍や諸国の大名を巻き添えにし、かつての盟友、細川勝元の思いも踏みにじって敵に回し、京の都に全国各地の兵力をむやみにかき集めて、おさまりのつきようもなく合戦に明け暮れている。
実際そうやって成り上がってきたんですから。
ほかにどうしろというんです?
不幸なことに将軍も細川勝元も朝廷も諸大名もだれも収められるものはおりません。
とうとう宗全は中風にかかり、筆を持つこともままならなくなります。
往年の覇気はおとろえ、
ついには割腹自殺を試みますが、失敗。
その翌年、天下を騒然とさせた大入道はここに没します。
乱世の幕開け。
以後百年以上この国は北から南津々浦々で戦乱に明け暮れます。
指導者の器。
とそれを見定める方は大丈夫でしょうか。
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きょうのまとめ
① 青少年期、将軍家などによる権力の理不尽な介入を、その身で体験していた
② 親分肌で、多少強引なくらいにいろんなことに介入し、自分の都合の良いように収めようとした
③ 「応仁の乱」。本人や一族も大変な目にあったが、それ以上に巻き込まれた関係のないあまりに多くの人々や、その後百年以上も続いた戦乱の世の中……
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