数学者ピタゴラスの現代にも強く影響を残す名言・逸話を辿る!

 

紀元前6世紀に活躍した古代ギリシャの

数学者・ピタゴラス

中学校の数学で習うピタゴラスの定理や、テレビ番組のピタゴラスイッチなどからその名前に馴染み深い印象を持っている人も多いでしょう。

2500年以上前の人物なのに、現代でもここまで名前が浸透している例はあまり見ません。

それほどにピタゴラスが、現代の数学界に与えた影響は大きいということでしょう。

彼は優れた数学者であっただけでなく、常人離れした逸話をいくつも持っています。

今回はピタゴラスが残した名言と共に、その逸話を辿っていきましょう!

 

ピタゴラスの名言

万物は数でできている

万物は数でできている

ピタゴラスの名言では特に有名なこの言葉。

彼はこの世に存在しているすべての物は、数でできていると考えました。

理屈としては、存在するすべてのものは数学で証明できるから…とのこと。

物体の面積や体積は数学で割り出すことができますし、惑星の円運動も数学で証明できるとピタゴラスはいいました。

たしかに捉えようによっては、この世に存在するあらゆるものは数によって成り立っていると考えられますね。

物事の根源が何であるかは、さまざまな哲学者が向き合ってきた命題です。

科学的に考えれば原子や分子といったレベルの話に行き着くか、あるいはプラトンのイデア論のように、イメージの世界へと行き着くか…。

ピタゴラスの場合は数に行き着いたのです。

彼には20年間、数学の知識を学ぶために世界各地を旅したという逸話があります。

古代ギリシャのカルディア人からは天文学を、エジプトでは空間や図形にまつわる幾何学を、フェニキアでは算術と比率を。

このようにして数学のあらゆる知識と密に関わっていれば、それがすべての根源だという思想に至ったことも不思議ではありませんね。

 

少し意外かもしれませんが、ピタゴラスは数学研究をする上で音楽の分野にも手をつけていました。

有名な逸話は、鍛冶屋の金槌の音が共鳴するのを聞いて、和音の法則性を見出したという話。

今でも音楽理論の本などを読んでいると、和音の関係性は数で表されています。

音楽理論で数を使うのも、ピタゴラスの残した影響だといって良いでしょう。

また、ギターなどの弦楽器は弦を抑える位置で音程が変わります。

この音程の変化には弦の長さと振動の回数が関係していて、その関係性を発見したのもピタゴラスなんですよ。

こう考えだすと、ほんとにあらゆる物事に数学が関係していることを思い知らされます。

 

子供たちを教育することで

子供たちを教育することで、人間を罰する必要はなくなっていく

ピタゴラスが教育に関して話した名言です。

子供たちがどんな大人に育っていくかは、受けた教育に左右されるというのは一理ありますね。

そういった信念に従ってでしょうか、ピタゴラスはあらゆる数学の知識を身に付けた後に、イタリア南端のクロトンという町で「ピタゴラス教団」という秘密結社を創設しました。

ここで自身の思想に共感した人たちを集め、数百人の信者に対して教えを説いたとされています。

名言から察すると、ピタゴラスは教養のある人物を育てることで、社会貢献しようとしていたのでしょう。

しかし彼にはちょっとやり過ぎな面があり、入団に際しては全財産を教団に収めなければならない、内部の情報を口外した者は海に沈められるなどの決まりがありました。

そもそも入団審査自体に通らない人も多数いたようです。

厳しい審査で振るいにかけた上で、すべてを捧げるぐらいの覚悟がないと、社会貢献に値する優秀な人物は育たないと考えていたのでしょうか…。

意味のない言葉より

意味のない言葉より、沈黙のほうがよい

この名言は、言葉がたしかな経験、知識を持ってこそ初めて意味を持つという意味に取れます。

いくら説得力のある内容を話していたとしても、人からの受け売りであればどこか浮ついて聞こえてしまうものです。

その言葉を本当に理解している人、自身の経験から語る人の言葉にはやはり重みがあります。

ピタゴラス教団に入団した者は、入団から5年ほど経つまで、自分の意見をいうことが許されませんでした。

知識や経験の浅い者は、自分の意見を話すよりも、先輩の話に耳を傾けるほうが有益だとピタゴラスは考えていたのでしょう。

それにしても5年とは…最初は洗い物や皮むきなどの下準備に徹底する板前さんの修業のようですね…。

 

きょうのまとめ

ピタゴラスの名言は数学に関するもの、教育に関するものが多く、その行動からも彼が数学の大切さを見出し、人々にそれを伝えていこうとしていたことがわかります。

ただこれらの名言や逸話は、すべて彼の弟子たちが、教団壊滅後に残したものです。

ピタゴラス教団は外部に情報をもらすことを禁じていましたから、ピタゴラス自身から発せられた情報は一切残っていません。

ただそれだけ多くの弟子たちに教えが受け継がれたという意味では、数学の大切さを伝えたかったピタゴラスの願いは成就したといって良いでしょう。

最後に今回の内容をまとめておきます。

① ピタゴラスは音楽や星の軌道、存在するあらゆるものが数で証明できると考えた

② 20年に渡って世界各地で数学を学び、あらゆる知識を身に付けていた

③ ピタゴラス教団には非常に厳しい決まりがあり、破れば海に沈められることもあった

知れば知るほど、ピタゴラスが常人離れした考えの持ち主だったことがわかります。

やはり時代を動かすのは、人とは違う考えを持った人ということでしょうか。

 

ピタゴラスの年表を含む【完全版まとめ】記事はこちらをどうぞ。
関連記事 >>>> 「ピタゴラスとはどんな人物?簡単に説明【完全版まとめ】」

 










合わせて読みたい記事



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

fourteen − 10 =