偉業を讃えて作られた「ナイチンゲール誓詞」の意味を要約

 

ナイチンゲールは、

当時「辛くて汚い仕事」とされていた看護師の仕事を、見直し改善した人物です。

簡単にいうと、現在の看護師という仕事の基礎を作ったということ。

看護師になられた方の中には、彼女の功績を知って目指された方もいらっしゃるでしょう。

また、看護師をされている人なら、看護学校の卒業式や戴帽式などで、

「ナイチンゲール誓詞せいしを声を揃えて暗唱し感動した経験があるのでは?

今回は、ナイチンゲールの偉業を讃えて作られた、「ナイチンゲール誓詞(Nightingale Pledge)」の意味と要約をご紹介いたします。

 

ナイチンゲール誓詞の成り立ち

ナイチンゲール誓詞の成り立ちについてみていきましょう。

看護学校校長が作ったナイチンゲール誓詞

ナイチンゲール誓詞は、ナイチンゲール自身が作ったものではありません。

1839年にアメリカ合衆国ミシガン州デトロイト市にある、ハーパー病院のファーランド看護学校の校長だった、

リストラ・グレッター婦人を委員長とした委員会によって作られました。

医師の宣誓文を基に作られた

手本とされたのは、科学によるギリシャの医学を書にしたヒポクラテスの誓いの一節です。

ヒポクラテスは、紀元前5世紀にエーゲ海のコス島で生まれたギリシャの医師と伝えられる人物です。

ヒポクラテスの誓いとは、ヒポクラテスが作り弟子たちが100年かけて編集したと伝わる、医師の職業倫理における宣誓文のこと。

このヒポクラテスの誓いの中で看護に必要なところを抜粋し、ナイチンゲール誓詞を作ったのです。

看護学生の心に刻まれたナイチンゲール誓詞

リストラ・グレッター校長は、医療に携わる看護学校の生徒たちが卒業する時に、

このナイチンゲール誓詞を読み聞かせ、看護師に必要な考え方や心構えを教えました。

その後、神様の前で看護師としての決意を誓わせたといわれています。

 

ナイチンゲール誓詞の内容

ナイチンゲール誓詞の内容は、ナイチンゲールの看護に対する精神を基とし、医学に携わる看護師としての必要な考え方、心構えを示したものです。

ナイチンゲール誓詞の原文

ナイチンゲール誓詞の原文をご紹介します。

I solemnly pledge myself before God and in the presence of this assembly to pass my life in purity and to practise my profession faithfully.

I shall abstain from whatever is deleterious and mischievous, and shall not take or knowingly administer any harmful drug.

I shall do all in my power to maintain and elevate the standard of my profession and will hold in confidence all personal matters committed to my keeping and all family affairs coming to my knowledge in the practice of my calling.

I shall be loyal to my work and devoted towards the welfare of those committed to my care.

(wikipedia Original “Florence Nightingale Pledge
引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Nightingale_Pledge

ナイチンゲール誓詞の訳

我はここに集いし者達の前に、これを厳かに神へ誓わん。

我が生涯を清く過ごし、我の任務つとめを忠実に尽くさんことを。

我はすべて毒あるもの、害あるものを絶つ。

悪しき薬は用いず、また知りつつこれを人へすすめざるべし。

我は我が力の限り、わが任務の標準しるしを、高くせんことを努むべし。

我が任務にあたりて、取り扱う私事のすべて、我が知り得たる一家の内事のすべて、我は一切洩らさざるべし。

我は真摯に医師を助け、我が手に託されたる人々の幸のためにこの身を捧げん。

 

戴冠式などで使われるナイチンゲール誓詞の現在

ナイチンゲールの誓詞はナイチンゲールが亡くなった後で作られており、本人が作ったものではありません。

医療技術の発展と時代の流れによりナイチンゲール誓詞は、適切でない部分や足りない部分があると指摘する方もいらっしゃいます。

特に「我は真摯に医師を助け、我が手に託されたる人々の幸のためにこの身を捧げん。」の最後の一文には批判が多いようです。

“看護は自己犠牲の上に成り立つ”とか、“看護師は医師の補助業務”と聞こえるなど、現代社会にそぐわないとの声が上がっています。

とはいえ、ナイチンゲールは天国でナイチンゲールの誓詞が作られたことを喜び、今も看護の世界を見守っているのではないでしょうか。

 

きょうのまとめ

「ナイチンゲール誓詞」の意味と要約をご紹介しました。

いかがでしたでしょうか。

簡単にまとめると

① ナイチンゲールの誓詞は、ナイチンゲールの偉業を讃えて作られたもの

② 医師の職業倫理ヒポクラテスの誓いを手本に、看護に関わる者の任務や心構えを示したもの

③ 現在も看護師の戴帽式や卒業式で、暗唱し看護の精神の誓いを立てている

④ 現在の看護にそぐわないという批判もある

こちらのサイトでは他にも、ナイチンゲールについてわかりやすい記事を書いています。

より理解を深めたい方は、ぜひお読みになってくださいね!

 

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