飛鳥時代、中大兄皇子を助けて、天皇中心の国づくりをした
中臣鎌足。
以後、歴史上で栄華を極めた藤原氏の祖と呼ばれるようになりますが、
中臣鎌足とはどんな人物だったのでしょうか。
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中臣鎌足ってどんな人
- 出身地:大和国高市郡藤原(現在の奈良県橿原市)※諸説あります。
- 生年月日:614年
- 死亡年月日:669年11月14日(享年55歳)
- 藤原氏の祖。飛鳥時代の官人。中大兄皇子の側近として大化の改新を推進した。
中臣鎌足 年表
西暦(年齢)
614年(1歳)中臣御食子の息子として生まれる(幼名、鎌子)
645年(31歳)中大兄皇子らと乙巳の変を決行
646年(32歳)改新の詔が発布される
654年(40歳)大紫冠に昇格
663年(49歳)白村江の戦いに出兵する。
669年(55歳)大織冠と藤原姓を賜る
669年(55歳)死去
中臣鎌足の生涯
それでは中臣鎌足の生涯についてみていきましょう。
中臣鎌足の生い立ち
614年、中臣鎌足は大和国高市郡藤原(現在の奈良県)に生まれます。
中臣家は神事や祭事を司る豪族でした。
成長すると、遣唐使として唐で学んだ南淵請安の下で学ぶようになります。
なんと、後の政敵となる蘇我入鹿も一緒に学んでいました。
鎌足も入鹿も、とても優秀だったそうです。
中大兄皇子との運命の出会いから大化の改新へ
当時は蘇我氏の勢力が強く、天皇の力を凌ぐほどでした。
中臣鎌足は蘇我氏に対して、不満を感じていました。
同じように、蘇我氏の権勢に危機感を抱いていた中大兄皇子に出会うと、二人は意気投合し蘇我氏を倒す計画を立てます。
645年に乙巳の変を成功させ、蘇我氏の勢力を削ぐことに成功します。
その後、中大兄皇子の側近として、天皇を中心した国づくりを目指し大化の改新と呼ばれる一連の政治改革を行いました。
白村江の戦いの敗北
663年に白村江の戦いが起こりました。
白村江の戦いは朝鮮半島の覇権を巡る、百済 vs 唐・高句麗の連合軍との争いです。
日本は百済に援軍を出しますが、敗北してしまいます。
これ以降、日本は唐の脅威にさらされることになりました。
中大兄皇子は近江遷都や九州に軍人を配備するなど、国防に力をいれるようになります。
中臣鎌足も側近として、中大兄皇子を補佐しました。
中大兄皇子と大海人皇子の調停役
中大兄皇子と弟の大海人皇子は、協力して大化の改新に取り組んでいましたが、中大兄皇子が天智天皇として即位する頃には、政治路線の違いから関係に緊張が走るようになりました。
そしてついに宴会中に酔った大海人皇子が、中大兄皇子(天智天皇)に槍を投げるという事件が起きます。
本来であれば反逆罪として死刑になってもおかしくない出来事ですが、鎌足の調停によって事なきを得ました。
鎌足は、二人の間を取り持つ役割を担っていたのです。
しかし鎌足の死後は両者の関係はさらに冷えていき、大海人皇子は政治の中心から外されるようになりました。
これが壬申の乱に繋がっていきます。
大織冠と藤原姓
晩年、病に伏せるようになった中臣鎌足に中大兄皇子(天智天皇)は、その功績を称えて大織冠と藤原姓を贈りました。
大織冠は当時の最高冠位で、史上鎌足の他に賜った人間はいません。
また藤原姓を贈られた事で、藤原鎌足と呼ばれるようになります。
大織冠と藤原姓を賜った翌日に、藤原鎌足は逝去しました。
中臣鎌足にまつわるエピソードや伝説
中臣鎌足の命名伝説
鎌足の出生にまつわる話として、こんな伝説が残されています。
これがきっかけで、鎌子(鎌足の幼名)という名前になりました。
これにちなみ、中臣鎌足を奉っている奈良県の談山神社では、鎌をくわえた白いキツネのお守りが売られているそうです。
<談山神社>
中臣鎌足のお墓
中臣鎌足のお墓は大阪の阿武山古墳が最有力候補と言われています。
というのも、鎌足のものと思われるミイラが発見されたからです。
中大兄皇子(天智天皇)から贈られた大織冠と思われるものが一緒に埋葬されており、これが大きな証拠と言われています。
しかし鎌足のお墓は他の場所であると記述のある書物や、ミイラに他の候補者もあり、まだ確定されていません。
<阿武山古墳>
きょうのまとめ
中臣鎌足についていかがでしたでしょうか。
中臣鎌足とは?
① 南淵請安の下でのちの政敵である蘇我入鹿と学んでいた
② 中大兄皇子と乙巳の変を成功させ、大化の改新を推進
③ 死の前日にその功績から大織冠と藤原姓を賜る
中臣鎌足は生涯にわたって、中大兄皇子を補佐し続けました。
中臣鎌足がいたからこそ、中大兄皇子は大胆な改革を進めることができたのだと言えるでしょう。
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